カワサキの初代空冷4気筒エンジン「Z1E」「Z2E」はカムチェーン周りのコンディションに注意! 〜日本の至宝「空冷4発」を未来へ継承〜Vol.5

クランクケース右側のポイントカバーを取り外すとこで、点火系をコントロールするポイントベースが見えます。メガネレンチでクランクシャフトエンドのナットをゆっくり時計回りに回転させます。クランクケース側の突起マークとスパークアドバンサー(ガバナー)側面に記される1.4番のTマーク(T/トップ=上死点マーク)を合わせます。カムチェーン調整の手順は、ピストンが上死点時にあるときに行います
本来なら、ロックナットを緩めてからボルトを緩める作業手順によって、テンショナープッシャーがフリーになって、スプリングがプッシャーを押し出すことでエンジン内部のカムチェーンテンショナーが押し込まれる構造になります。しかし、テンショナープッシャーのガイドバーとテンショナーボディが固着していることもあるので、ドライバーの柄などを使って、コツコツと軽く叩いて衝撃を与えることで、プッシャーの作動を促します、このコツコツ後にロックボルトとロックナットを固定します
カムチェーンテンショナーユニットはこのような造りになります。単純にカムチェーンを押すプッシャーロッドをボルトで固定するタイプになります。後々、年毎に対策強化される部品でもありました。チューニングエンジンでは強化テンショナーが必要になります
カムチェーンテンショナー本体とアイドルギヤローラー。これらのアイドルギヤ軸にはダンパーゴムが焼付られていて、チェーン駆動時の振動やノイズ、ギヤの減りを緩和した設計となっていました。しかし、長年乗り続けるとゴムの経年劣化でダンパーゴムが破壊し、最悪でアイドルギアからカムチェーンがズッコケてしまうことになります。
張ったカムチェーンの揺れを防止するカムチェーンスリッパーになります。右の部品が本来の形状ですが、カムチェーンがズッコケて揺れが起こると、チェーンスリッパーが叩かれて折れることに。こうなると最悪の事態に及んでしまいます
カムチェーンテンショナー下側のアイドルゴムローラー。ローラー自体がゴム製で、シャフト支持のマウント部分にもラバーダンパーが入ります。エンジンのオーバーホール時には、カムチェーン周りを構成するこれらの部品はすべて新品部品に交換するのがベターになります。しかし、近年になり販売中止扱いになっている部品が多いので、将来のための部品は確保しておきましょう
2本のカムシャフトの間にレイアウトされているトップアイドラーと呼ばれる部品です。アイドルギヤの支持部分はダンパーラバー式で、トップアイドラーユニットの固定部分にもダンパーゴムが組み込まれる万全の設計となっています。
カムチェーンテンショナーのアイドルギヤ支持部のダンパーゴムが劣化してギヤがズッコケてしまった実際の部品。ギヤとカムチェーンが噛み合わず、ズッコケてしまったギヤサイドにカムチェーンが乗り上げて動いていました。こんな状態でも走ってしまうから、初代カワサキ空冷Zは怖いのです。トラブルに気が付かないで症状悪化させてしまう例が多いエンジンでもあるのす。愛車家には信じられないかも知れませんが、これが現実です
車検残りが1年近くあったので、まずは現状車体とエンジンのコンディションを知るために、各部を点検調整しながら試運転を繰り返してみました。個人的に70年代当時にも750RS(ぼくらのあいだでは〝ゼッツー”と呼ばれていた)には乗る機会が何度もありました。圧倒的に威風堂々かつ頑丈バイクとしての印象はありましたが、決して速いモデルではありませんでした。第一次オイルショックや暴走族が社会問題化していた時期のモデルだったので、今考えれば、ディチューンされていた感じもあります。それでもぼくの憧れはゼッツーだったので、運転免許証の裏に「自二車限定解除」のハンコ押印をもらって、その翌日にはWディスクのA4を24回の月賦販売で購入しました。夏休みや冬休みは、アルバイトをいくつもかけもちしていた思い出があります
カムチェーンとその周辺を構成する様々なパーツは、このようなレイアウトになってます。初代空冷Zシリーズのカムチェーン周りは至極頑丈な作りですが、各ギヤ型アイドラーは、ダンパーゴムの焼き付けによって軸心に固定されているため、このダンパーゴムが劣化してちぎれてしまうことでチェーンラインが狂い、カムチェーンがギヤアイドラーのラインから外れてしまうトラブルが発生します。カムチェーンがズッコケてしまっても、普通に走ってしまうところが、初代空冷Zシリーズの「怖い部分」です。不調に気が付かずに走らせ続けてしまうと、最悪で、ズレたカムチェーンがシリンダーやヘッドに直に触れてガリガリ削ってしまい、エンジンオイルにアルミ粉が混じってしまうことになります。オイル交換時にアルミ粉のギラギラに気が付いた時には、症状は相当に悪化していると考えられますので、即刻、分解修理しないといけません
シリンダーの後方中央、キャブレターの下にある出っ張った部分が、カムチェーンテンショナーになります。テンショナーボディの左側面にはロックボルト+ロックナットがあります。まずはこのロックナットから緩めて、次に、押切固定のロックボルトを緩めます
摩耗した初代空冷Zシリーズのカムチェーン周りのパーツ。ダンパーゴムのちぎれや

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