カワサキ「Z2」のクラッチを現代的なパーツで整備&強化! 〜日本の至宝「空冷4発」を未来へ継承〜Vol.12

タイプAキットに同梱されるスプリングは、900 Z1エンジンにも対応したバネ張力の商品。里帰り車(Z1)のオーバーホール時には、このキットスプリングを組み込めば良いでしょう。今回は排気量750ccのZ2Eであることを考慮して、ノーマルスプリングで復元しました
左の赤はカワサキ純正750Z2用、白が900Z1用。生産ラインでも間違えないように色分けされていたようです。右がアドバンテージ製スプリング。このキットはZ1/Z2/Z1000Mk-II対応品なので、今回は迷わずノーマルZ2用スプリングを組み込みました
ブレーキロッドのアジャスターを緩めて遊びを増やし、ブレーキペダルを踏み込んだ状態でフレームダウンチューブとの間に木片をセット。これでメンテナンス性は向上します
クラッチカバーを取り外す前にオイル避け用のカバーをフレームにセットしました。ここで利用したのは、大型ガスケットなどが入ってくる厚紙の台紙です
オイル管理が悪い=オイル交換せずに走り続けていると、コントロールプレートとディスクの摺動面が、ウェーブ状に磨耗している例もあります。大きな摩耗が無くて良かったです
各ディスクを順序良く抜き取ります。初代空冷4気筒エンジンのクラッチディスクは抜き取りにくいので、廃品のスポーク先端を曲げて作ったピックアップツールを利用しました
クラッチコントロールプレートを持ち上げるミッションシャフトの中央にある通称キノコを取り外します。コントロールプレートとの摺動面にキズやバリが出ていないか確認しましょう
ミッションシャフト内にはクラッチリフターのプッシュロッドとロッド間に入るスチールボールがあるので、マグネット棒で抜き取りボールコンディションをチェックします
クラッチハブ外周には凸凹があり、クラッチプレートの凸凹が摺動するので、打痕や磨耗を指先で確認しましょう。磨耗はほとんど発生していないグッドコンディションでした
キノコのシャフト先端とプッシャー平面に二硫化モリブデングリスを薄く塗布します。このグリスが組み立て直後のカジリや焼き付きを防止します。重要な組み立てグリスです
順序良くFCCクラッチディスク&スチールプレートを組み込んでいきます。ここでは各プレートにエンジンオイルを塗布しますが、組み立て前にすべての部品をエンジンオイルに浸しておくのが最善です
クラッチスプリングはZ2E純正部品を復元しました。1000ccにも対応したキットなので750ccなら標準スプリングでも十分な容量と考えました。滑らなければスプリング強化は無用です
5本のスプリングを対角かつ平均的に締め付けます。締め付け後は均一のリフト量と切れ具合の確認を行い、今ひとつの時にはスプリングをローテーションしてみましょう
カバーを復元する際には、ガスケット座面の洗浄を目的に、オイルストーンで面出し汚れ取りを行います。オイルストーンには必ずオイルを塗布してから作業しましょう
上下クランクケースの合わせ面付近には、シリコン系液状ガスケットを薄く塗布しておきます。この周囲がオイル滲みしやすい箇所なので、滲みを事前に防止するには効果的てす
念のためにガスケット座面にも薄く液状ガスケットを塗布しました。指先に液状ガスケットを付け、裏表に摺り込むように薄く塗布しました。少量でも効果があります
クラッチカバーを被せてパンスクリューを締め付け作業完了。平らなカバーの密着度を高めるために、敢えて下方から上方へ向けで順序良く締め付けてみました
クラッチディスクの交換やクラッチユニットのオーバーホール時などは、純正サイドスタンドにて作業可能です。純正サイドスタンドならクラッチカバーを取り外しても、エンジンオイルが流れ出ることはありません。作業性は極めて良好です
オイル管理が悪い=オイル交換せずに走り続けていると、コントロールプレートとディスクの摺動面が、ウェーブ状に磨耗している例もあります。大きな摩耗が無くて良かったです
アドバンテージが取り扱っているアドバンテージFCC製トラクションコントロールクラッチキットを組み込みました。クラッチスプリング付きのタイプAと呼ばれるキットで、フリクションディスクとクラッチプレートの枚数は純正750Z2と同仕様です
日本の4メーカー製各種モデル用キットパーツをラインナップしているアドバンテージ。フリクションディスクの材質もアップデートされていて、70年代の新車当時とは当然ながら異なっている。フリクション性能だけではなく、操作性も改善されています
ここで組み込んだキットは標準仕様のタイプA。機種によっては専用クラッチハブやプッシャープレートを組み合わせたスペシャル仕様もある。そんな商品群はWebカタログにてご覧いただけます。単にプレス打ち抜きプレートではなく特殊な表面処理も施されてます
キットパーツを組み込んだ後に、クラッチレバーを握り、プッシャープレートが均一にリフトすることを確認しながら、キックーアームをゆっくり下げ、クラッチがしっかり切れていることを確認してみました。「プッシャープレートが均一にリフトする」ことが特に重要で、傾きながらリフトする時には、スプリングをローテーションしましょう

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