エンジンの組み立て作業、見たことありますか? 名車カワサキ「Z2」エンジン組立開始!! まずは「腰下のアッパーケース」からスタート 〜日本の至宝「空冷4発」を未来へ継承〜Vol.31

アッパークランクケースの組み立て作業は、周辺の小物部品取り付けから始めます。シリンダーの後方にはオイルプレッシャースイッチのブロックが取り付けられます。圧力スイッチの作動性を確認しながら締め付け復元します
ブローバイガス還元装置となるブリーザーケースを復元します。オイルセパレーターとなるラバーチューブとプレートをセットした上から、円筒カバーを締め付けます。Oリングが潰れないように注意しましょう。締め付けボルトのクリーニングも徹底的に行いました
シリンダー後方のクランクケースアッパーを左右に貫通するオイルメインギャラリのキャップや、オイルフィラーキャップを締め付けます。これらのパーツにはOリングが入りますが、もちろんすべて新品部品に交換しました
この専用Oリングを組み付ける際には「アッパークランクケース側のセット溝に平面側」を向けます。ロアクランクケース側は加工平面なので、その加工座面にOリングの突起部が押し付けられるセット状況になります
ロアーケースのオイルフィルター室とつながるオイル通路の加工段差部分に、特異な断面形状を持つ専用Oリングを組み込みます。もちろん新品部品に交換しましたが、入手できなくなると大変な部品だと思います
クランクシャフトの組み付け前に、各ジャーナルベアリングアウターをズラしてエンジンオイルを塗布しました。両サイドのベアリングアウターは外せるのでしっかり塗布して、その他のベアリングはアウターをズラして吹き付けるのが良いです
絶対に忘れてはいけない「カムチェーン」をカムスプロケットに引っ掛け、クランクシャフトをアッパークランクケースにセットします。エンドレスカムチェーンなので、組み付け忘れると、後々大変なことに気が付きます。
アッパークランクケースにクランクシャフトをセットしたら、ジャーナルベアリングの回り止めピンが、アウターベアリングのピン位置とすべて合致するように指先で確認しながらセットします。この作業は、特に慎重に進行しましょう
回り止めピンとベアリングアウターがきっちり合致すると、クランク両外のアウターベアリングがクランクケースにピタリとセットされた状態になります。ベアリング外周とクランクケース側の半円が、ピタッと一致しています
左右のアウターベアリング外周がクランクケースと一致すれば、すべてのベアリングが位置決めされたことになります。ここで指先を使ってジャーナルベアリングの最終確認を行います。ガタ付きなどはもちろんありませんでした
クランクシャフトをセットしたら、ジャーナルベアリングアウターにゴミなどが付着していないか、キレイなウエスを使って外周を拭き取ります。クランクケースとベアリングアウターは、確実に密着させないといけません
クランクシャフトの次はミッションシャフトをセットしますが、その前に、溝付きベアリングのスラスト方向(横方向)を位置決めするハーフリングをセットします。このリングもゴミ除去のために、ウエスでしっかり拭き取ります
エンジン分解時にクラッチアッセンブリーをセパレートにしていなかったので、作業性は良好です。ここでは、ミッションベアリングに組み立てオイルをスプレーします。ベアリングアウターがスムーズに回るか確認しましょう
クランクベアリングと同様に、ミッション用ニードルベアリングアウターにも位置決め箇所が設けられています。位置決めによってエンジンオイル通路が一致し、ベアリングに給油されるシステムが成立します。
ニードルベアリングのアウターキャップの向きを注視しながらミッションシャフトをアッパーケースへ組み込みます。ハーフリングと位置決めピンが正規の位置になると「カチッ」としっかり組み込んだ感触が手に伝わってきます。
あらかじめ実施しておかなくてはいけないのが、ドライブスプロケットの内側に入るカラーの奥にセットされているOリングを取り外しておくことです。組み付け後は、抜きにくくなってしまうからです
旧Oリングを抜き取ったら、ボールベアリングに組み立てオイルをスプレーします。ゴミが混入するとベアリングの回り方が悪く、引っ掛かり感が生じてしまいます。そのようなときには、迷わず洗浄し直しゴミを除去しましょう
シャフトエンドのアウターキャップを抜き取りニードルベアリングにエンジンオイルをスプレーします。走行距離が少なく荒っぽい運転がなされていなかったエンジンなのか、ミッションのコンディションは抜群でした
アウトプットシャフトを復元する際にも、ニードルベアリングアウターの位置決めピンを意識しつつ、ハーフリングには溝付きボールベアリングをセットします。カチッとハマる感触を得たら、アウトプットシャフトを回しましょう
キックシャフトを組み込む際は、ギヤラチェットがスムーズにカチカチ作動するか事前に確認します。ギヤ裏のスピンドル部分にオイル給油します。組み付けの際は、突起ストッパーの位置を確認しましょう
クランクケース側に締め付けられている金属ストッパー受けに、突起ストッパーが当たる手前まで指先で保持します。KZ1000J系エンジンになると、このキックシャフトが廃止されて、クラッチ容量を増したエンジンになっています
アッパークランクケース側に組み込まれる内部パーツを組み込むとこで、各インナーパーツ軸が整列します。広い作業台があると組み立て作業を効率良く進めることができます。地面でのエンジン組み立て作業は、できる限り避けたいものです
威風堂々の空冷ツインカムエンジン。デザイン的に特徴が無くのっぺりしている、現代主流の水冷エンジンとは、存在感がまるで違う初代カワサキ空冷Zエンジン。美しいです!!

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