ホンダ横型エンジン「北米仕様」のモトスポーツ「SL70」 欠品していたABS製サイドカバーのワンオフ製作!!

借用した左サイドカバーの裏側。ABS樹脂板成型品ならツルっとした仕上がりになりますが、FRP製だと繊維の張り込みが目立つ、いかにもFRP製になってしまいます。樹脂部品製作のプロにすべてをお任せします
油粘土を準備して適量を手に取り、体温で温めながら柔らかくなるまで練り続けます。油粘土は型作りの最中に重要な役割を果たすそうです。柔らかくなった作業を開始します
曲面形状のサイドカバーを安定させるために、千切った粘土を丸めてサイドカバースキンにセットします。この粘土脚によってサイドカバーが安定して寸法データが取りやすくなります
フレーム側のゴムグロメットに固定するサイドカバーの突起。この部品が欠落していなくて良かったです。米粒大に千切った粘土を丸め、落ちないように突起先端に押し付けます
平らな板(プラ板を利用)にサイドカバーをセットします。突起先端の粘土が落ちていないことを確認しながら厚紙を水平に押し付けます。粘土が落ちるとデータ取りできません
米粒大の粘土が厚紙に移り、サイドカバーの固定3箇所の位置関係を明確にできます。粘土の位置にペンでマーキングしながらサイドカバーの向きに合わせて矢印を入れます
いよいよ石膏型作りの段取りです。流し込んだ石膏は硬化後に抜き取りますが、スムーズに抜けないとサイドカバーにダメージが与びます。あらかじめ粘土で段差を埋めました
突起下の段差部分に粘土を押し込み、木片やコテなどを使って表面をラウンド形状に成型します。このようなカタチにしておけば、硬化後の石膏を容易に抜くことができるそうです
サイドカバーの見切りを延長し、石膏を流し込んだときに溢れ出ない土手を作ります。この作業はアルミテープを利用するのが良いそうです
突起部分もアルミテープでカバーてし、土手の補強を重ねます。この突起部や油粘土で成型した部分は凹形状になりますが、後々補修するので心配はご無用らしいです
FRP工作時には離型剤として利用されるカリ石鹸を使います。紙コップに小分けしてから適量の水で希釈し、よくかき混ぜます。絵描き用の筆で全体的に塗り伸ばしていきます
希釈したカリ石鹸は満遍なく塗布します。アルミテープには工作形状を維持する硬さがあるので、いい感じに土手作りできている様子がわかります。塗り終えたら乾燥を待ちます
乾燥促進のためにハンディヒーターを使用。近づけ過ぎると樹脂製サイドカバーが変形するので、離し気味に乾燥させます。完全乾燥したらいよいよ石膏の段取りです
使い捨てのビニール容器を準備して適量の水を入れます。そこへ紙コップですくった石膏を振り撒くように水の中に入れます。この段階で石膏を混ぜてはいけないそうです
繰り返し紙コップ何杯かの石膏を入れていくうちに、水面の高さと石膏の高さがほぼ一致して「ヒタヒタ状態」になります。水と石膏の割合は混ぜない状態でヒタヒタが良いそうです
水と石膏がヒタヒタになったら腕を突っ込んでしっかりかき混ぜます。石膏のダマができると硬化不良を起こすので、指先でかたまりを潰すように混ぜ合わせていきます
混ぜ終えたら容器から直接サイドカバーの内側に石膏を流し込みます。一気に流し込むと石膏の重さで土手が決壊する恐れがあるため、ゆっくりゆっくり流し込みました
土手部分まで流し入れました。アルミテープの剛性と粘着力で成型形状が保たれています。このままでは石膏強度が弱く乾燥中に割れや亀裂が入ってしまう恐れがあるため補強します
「スタッフサイザル」という名称で販売されている麻繊維を利用します。小型サイドカバーサイズならソフトボール大の繊維があれば十分だそうです。これで石膏を補強します
サイザル繊維の固まりをそのまま石膏の中に突っ込むのではなく、千切るように引っ張り出して小分けしてから石膏の中へ沈めます。繊維の有無で硬化後の石膏強度が大きく変わるそうです
小分けしたサイザル繊維を満遍なく全体的に沈めます。空気が噛み込まないように繊維に石膏を染み込ませては持ち上げ、エアー噛みが無いことを確認しながら沈めていきます
サイザル繊維が入っていると石膏強度が高まり、乾燥途中に割れてしまう確率が減るそうです。石膏は乾燥硬化時に熱を発生する特性があり、割れてしまうことがあるそうです
午前中に流し込みを行い、昼食を挟んで抜き取り開始です。石膏は水と混ぜると10分程度で結合を始め、30分もすると完全な個体になります。まずは土手テープから剥がします
土手テープを剥がすと石膏とサイドカバーが一体化していました。力ずくで剥がそうとすると石膏は崩れ、サイドカバーにダメージを与えてしまう恐れがあるのでエアーを利用しました
エアーガンのノズルをサイドカバーと石膏の隙間に差し込み噴射すると、パカッとサイドカバーが持ち上がり分離しました。どうやら離型に成功です。ここから補修が入ります
粘土を押し込み、段差を埋めた部分はこのように凹形状になっています。このまま型にしてしまうと樹脂板を曲げる際にきれいな曲面Rを描けないので埋めて成型し直します
ここでもアルミテープを利用します。曲面を保持しつつスキン部分にアルミテープを貼り込みます。しっとり感のある石膏でも、アルミテープなら接着できるようです
突起ピン3箇所すべてをアルミテープで形状再現したら、少量だけ新たに作った石膏液を溢れない程度に流し入れます。ここの追加分には、サイザル繊維は入れませんでした
この程度の流し込み量なら数分で硬化が始まり、休憩後にはアルミテープを剥がすことができます。石膏は使い勝手が良いですが、型として利用するには、まだまだ乾燥時間が必要です
補修部分のアルミテープを剥がしました。場所によっては注入した石膏が盛り上がっているため、この形状を削って合わせる作業を行います。硬化した石膏は想像以上に硬いです
同時に里帰りさせた「SL70(K1)」(左)と「SL70(K0)」(右)。K1のカラーリンググラフィックはK0タイプになっていました。国内モデルの「SL」や「CL」も、1971年はこのグラフィックを採用していました
型作りに利用する「石膏」は、ホームセンターの美術資材売り場などで販売されています。プロは一斗缶単位で購入するそうですが、5kg袋入りサイズを購入すれば十分に間に合うそうです

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