ホンダが目指す電気バイクの未来 新たな可能性を探求した2種類の電気プロトバイクに込められた想いとは?
ホンダが見据える電気バイクの未来とは
これまで、スクーターや原付きクラスのモデルに特化した電気製品開発が主だったホンダですが、加藤千明社長のコメントにもあるように、東京モーターサイクルショー2019では、趣味性の強いファン領域のバイクといえるオフロード車のコンセプト電気モデルが登場しました。

そこで、新たに登場した2台のコンセプトモデルの開発経緯などについて、第1商品開発室の主任研究員・三ツ川誠氏に伺ってみました。
――東京モーターサイクルショー2019で発表された“CR ELECTRIC PROTO”の開発経緯について教えてください。
2017年に無限ブランドを中心に共同開発した電動モトクロッサーの“E.REXコンセプト“を、2018年にその進化系であるプロトタイプを東京モーターサイクルショーで発表しましたが、今回展示した“CR ELECTRIC PROTO”はその流れを汲む一台です。
――なぜこのようなタイミングで展示することにしたのでしょうか。
本来であればもう少し早く登場させたかったというのが本心ですが、プロジェクトの一つの区切りとしてこうした車両ができたということを皆様に知って頂くために展示しました。
――東京モーターサイクルショー2019ではモトクロスタイプの“CR ELECTRIC PROTO”ほか、ビジネスバイクの“BENLY ELECTRIC”も発表されましたが、2つの車両に対する考え方で一番違う点について教えてください。
基本的な考えとしては両車ともに“オートバイ”ですから、そんなに変わるものではないと言えます。ただし、“BENLY ELECTRIC”が実用車であるのに対し、“CR ELECTRIC PROTO”はファンバイクといえる存在ですので、そうした点に関してはまったく違う領域のものになります。
――今回発表された電気バイクの技術が最初にフィードバックされる車種はどういったモデルでしょうか。
電気動力は、ガソリンエンジンと違い、気筒数やレイアウトという考えがそもそもありませんが、このプロジェクトでは250ccクラスの車体を想定したサイズとなっています。ですから、それに相応しい車体であれば、オンロード・オフロード問わず、あとはセッティングで対応することが可能です。
今回、CRの車体を使って色々と知見が得られたので、どういうカテゴリのものが魅力として訴求しやすいのかということに繋げていければと思っています。

――ロードスポーツモデルにも電気動力が搭載されることも十分にあるということでしょうか。
ホンダとしては、すべての可能性について排除する必要はないと考えておりますので、そうした車両が実現することも十分にあり得ます。まずは、電気バイクがどのような魅力を持っているかという点を研究していきたいと考えています。
――ガソリン車でいうところの大型車に該当する電気バイクが登場する可能性はありますか。
無くはないですが、全方位でどこに可能性があるのか分からないというのが正直なところです。また、オートバイのサイズは排気量に限らず、そこまで大きく前後することはありませんが、搭載できる電気動力のサイズには限りがあります。
さらに、大型モデルの場合には、長距離を走りたいという方も多い傾向にあるため、バッテリーの量などとのせめぎ合いになることが予想されます。そうした点を踏まえれば、“PCXハイブリッド”に搭載されたパワートレインのように、枠に囚われず幅広い技術で対応していきたいと思っています。
――具体的な市販車の販売時期などは決まっているのでしょうか。
具体的な開発計画についてお伝えするのは難しいですが、こういった展示を通してお客様の期待値を測ったり、価格と車両内容の折り合い、販売のタイミングなどを検討しながら進めていければと思います。
また、先駆けて2018年11月よりリース販売している電気スクーター「PCX ELECTRIC」においては、宮古島でのレンタル事業や、フィリピンなどでも実証実験がスタートしています。
そうしたことを通して、これまでのガソリン車とは違った枠組みでお客様に喜んでいただければと考えています。
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ホンダは、無限ブランドとして世界でも過酷なレースと知られるマン島TTに電気バイク「神電」で2012年より参戦しています。2014年からは2018年においては5連覇を達成するなど、華々しい実績を残しているだけに、そこで培われた技術がどのようにフィードバックされるのか期待が掛かります。
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