タイ王国はホンダ王国! 東南アジアのバイク熱が急上昇中!

タイ王国は、バイクの販売台数が日本の約5倍とメーカーにとって大きなマーケットです。その中でもホンダは、全体の8割弱の販売台数を誇っています。

販売台数は、日本の約5倍!タイの人にとってはバイク=ホンダ

 東南アジアの多くの国では、手軽な移動手段としてバイクが多くの人々に愛用されていて、タイ王国(以下タイ)も例外ではありません。タイの2017年の国内販売台数は約180万台と、なんと日本の約5倍にもなるのだから驚きます。そんなタイの首都バンコクで開催された「バンコクモーターショー」では、ホンダも大きなブースを構えていました。

華やかなバンコクモーターショーでのホンダブース

 ホンダにとってもタイは特別な場所。なぜなら生産拠点を構えているだけでなく、本格的なデザインや研究開発施設も置いているからです。新型「モンキー」のデザインや開発がタイでおこなわれたことをご存知のひとも多いことでしょう。

 しかし、それだけではありません。タイで2017年に販売されたバイクのうち、約8割弱がホンダ製なのですから驚かずにはいられません。タイの人々にとってバイクと言えばホンダを意味するといっても過言ではないのです。ホンダは1964年にはバンコクに販売会社「アジア・ホンダ・モーター」を設立したのち1965年には現地生産拠点も開設。その後、人気は飛躍的に高まって30年以上もトップシェアをキープしています。

 ホンダの現地法人で商品企画を担当しているスカティ・サンパワットさんはその人気の理由について「壊れにくい信頼性や耐久性、経済性、そして近年は安全性や環境性能。所有する人やタイのことをしっかりと考えたモノつくりをしたことが評価されているのだと思います」と流ちょうな日本語で教えてくれました。

ライフスタイル提案型の販売網「Cub HOUSE」をタイ国内に展開

 ホンダはタイで、若者にバイクの楽しさを伝えるライフスタイル提案型の販売網も展開しています。それが2018年4月からスタートし現在は10店舗をオープンした「Cub HOUSE」。Cub C125とモンキーを中心とし、「バイクを販売するだけでなくカフェやアパレルも併設し、仲間と気軽に立ち寄って会話ができるスペース。日本のパーツメーカーにも協力してもらいカズタマイズも提案する」とスカティさんは言います。バンコクモーターショーのホンダブースも、一部はそんなCub HOUSEをイメージした展開でした。

移り変わりの早いトレンドにいち早く対応しているホンダ

 スカティさんによると「タイのバイクのトレンドの移り変わりは早い」そうですが、近年盛り上がっているのはカウル付きのスポーツバイク。レースと直結したイメージの市販車です。そんな流行をふまえ、ホンダは「WING of RACE」をテーマとしたレースのスピリットを提供するモデルもラインナップ。バンコクモーターショーのホンダブースでは最新モデルとして2019年モデルの「CBR150R」と「CBR250RR」が展示され、来場者の注目を集めていました。

タイ生産のレーサーレプリカ「CBR150R」

 CBR150Rは、(タイ向けモデルに関しては)タイで生産する手の届きやすいレーサーレプリカ。2019年モデルはマイナーチェンジでエクステリアに変更を受けてよりシャープなデザインになりました。フロント/リヤともに減衰力を5段階に調整できるサスペンションも同クラスのライバルに対するアドバンテージで、メーターはフル液晶です。

日本から輸入されるCBR250RR、Japanブランドは絶大な人気

 いっぽうでCBR250RRは新世代のスポーツモデル。こちらは日本からの輸入車で、日本仕様にはない「MADE IN JAPAN」のステッカーがフレームに貼付されるなど現地で“付加価値”となる「日本製」を大々的にアピールする販売方法がとられているのが興味深いところです。ちなみにこのCBR250RRは400cc以下のモデルでははじめての日本からの輸入車です。

 タイでは、ファミリータイプのバイクの販売台数はこのところ減少傾向にあります。しかし、スポーツタイプや大型バイクは販売台数が増加中。タイの生活水準が上がるにつれ、先進国と同様にバイクは「生活の道具」から「趣味の対象」へとその立ち位置が少しずつ変わっているのでしょう。

【了】

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Writer: 工藤貴宏

1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに執筆している。心掛けているのは「そのクルマは誰を幸せにするのか?」だ。現在の愛車は10年乗ったポルシェ・ボクスターSから乗り換えたルノー・ルーテシアR.S.トロフィーと最終型マツダ・プレマシー。

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