世界GPへの挑戦から誕生したホンダ・アナザーストーリー! 「NR」や「NR500」を見て改めて感激!!

「DREAM CB750FOUR 誕生50年 特別展示」が開催されているホンダコレクションホール(ツインリンクもてぎ内=栃木県芳賀郡茂木町)に行ってきました。ホンダを代表する歴代の“CB”シリーズが一堂に会する姿は圧巻です。

2ストローク全盛の時代に4ストV4で対抗!!

 ツインリンクもてぎ内にあるホンダコレクションホール館内に入ると、歴代の“CB”が勢揃いし見応えタップリですが、CB以外にも注目モデルが目白押しとなっていました。CBシリーズの偉大さに敬服しつつ、筆者が釘付けになったのが「NR500」や「NR」です。バイクファンならお気づきかもしれません、ホンダV4エンジン搭載車たちです。

NR500 ゼッケン5 片山敬済選手使用マシン

 世界最高峰のロードレースグランプリ「Moto GP」では、シリンダーを横一列に並べた並列4気筒マシンと、V字にレイアウトしたV型4気筒エンジン勢が両立して戦っていますが、3年連続でチャンピオンシップを狙うホンダの「RC213V」にはV4エンジンが積まれます。

「CB」および「CBR」シリーズが並列4気筒の歴史を歩んできた一方で、ホンダV4エンジンにも40年にもおよぶ技術の変遷と挑戦の物語があるのでした。

 1977年秋にロードレース世界選手権(WGP)への参戦復帰を宣言したホンダは、2ストロークエンジンが絶対有利とされていた時代のなか、4ストロークDOHC4バルブV型4気筒エンジンを新開発し、79年シーズン途中、8月のシルバーストーン(イギリスGP)に2台の「NR500」を投入しました。

1979年 NR500を駆るミック・グラント選手

 ライダーは77年のWGP350ccクラスで、プライベーターながらチャンピオンに輝いた片山敬済とミック・グラント。”エビ殻”と呼ばれたアルミ製セミモノコックフレームに、最高出力115PS以上を発揮する高回転型V4エンジンを搭載したその革新的なマシンに注目が集まりましたが、予選こそ通過したものの決勝レースでは2台ともリタイアという苦いデビュー。初勝利をあげたのは1981年の鈴鹿200kmレースで、WGPでの結果は振るわぬままに、82年からは主力マシンを2ストロークエンジンの「NS500」に譲り渡したのでした。

1987年 NR750(ル・マン24時間出走車)

 それでもホンダはV4エンジンの開発を静かに継続し、1987年には「NR750」がル・マン24時間耐久レースで復活。1992年にはプロジェクトの集大成として、楕円ピストンやチタンコンロッド、8バルブを採用した新車価格520万円の市販車「NR」を発売し、世界中のバイクファンらを驚かせます。

 その姿は「DREAM CB750FOUR」の誕生50周年を記念した特別展示を開催中のホンダコレクションホールでも、強烈な輝きを放っていたのでした。

【了】

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Writer: 青木タカオ(モーターサイクルジャーナリスト)

バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。自らのモトクロスレース活動や、多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク技術関連著書もある。

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