「発電機」に「ピストン」!? 意表をつく製品を題材にしたヤマハ手芸シリーズ第3弾はなぜ生まれた?
ヤマハの手芸シリーズ仕掛け人を直撃インタビュー!
――まずは、あみぐるみ・羊毛フェルトシリーズの反響を教えてください。
まだ「シリーズ」と言えるほどの作品数はないのですが、SNSを中心に(バイクの)NIKENや(猫の)ニャイケンについてコメントしていただいたり、実際に作られているのを見かけることが多くなりました。

元々、手芸が好きだった方もいらっしゃいますし、それとは逆にあみぐるみや羊毛フェルトをやったことがないバイクユーザーが、手芸に初めてチャレンジするきっかけにもなっているようです。いずれにせよ、好意的なコメントが多く、我々としてもうれしい限りです。
――あみぐるみ「発電機」、羊毛フェルト「ピストン」を開発するキッカケを教えてください。
どちらからお話しましょうか……。まず、羊毛フェルトのピストンですが、コレ、実は僕のアイディアではないんです。第一弾の「NIKEN」を作った後で、社内の近くのメンバー数人に「何か手芸のモチーフになりそうなのないかな?」とヒアリングした際に出てきたアイテムです。バイクに長く乗られている方でも、ピストンやコンロッドってあまり見たことがないですよね? それに(ピストンやコンロッドって)造形としても美しいと思うんですよ、萌えるというか……。
今回モチーフにしたのは「SR400」というバイクのピストンです。ツイッターで「彼氏が乗っているSRを手芸化して欲しい」という呟きを見かけたのが頭の片隅に残っていたんですが、「SR400」をそのまま手芸化してもインパクトがないですよね。そこに先ほどの「ピストン」という要素が加わって、今回の作品になったんです。
あみぐるみの発電機は、第一弾の「NIKEN」を作る前から構想にありました。個人的な話になりますが発電機に関してはちょっと思い入れがあるんです。ウェブの部署に異動してくるまでは発電機の海外営業をしていたのですが、その仕事に就いた頃がちょうど今回のモチーフになっている「EF1000iS」を海外で発売するタイミングだったんです。いろいろと勉強しながらの営業だったこともあって思い出深いモデルです。

それにあみぐるみとしてはかなり大きい部類だとは思いますが、形も丸っこくてカワイらしいし、「大きさ的にはクッションにちょうどいいな~」と思っていたので、今回のモチーフに選びました。
――開発・制作にあたって苦労した点、工夫した点などありますか?
僕はそんなに苦労していませんよ(笑)。おそらく作家さんがかなり苦労されていると思います。ただ今回はどちらの作品も実物大で表現していただきたかったので、サンプルとして現物を作家さんに渡しています。
ピストンは部品点数が少ないのでスグに手配できたのですが、発電機は現物だと重いので(約12.7kg)、発電機の営業部門にお願いして外装パーツだけを手配して僕が組み上げました。プラモデルを作っているみたいな感じで楽しかったのですが、しばらくの間、デスクの横に(中身がカラの)発電機が置いてあったので、周りからは不思議な目で見られていたと思います。
――造形のコダワリ、ものづくりへの思い入れを教えてください。
実物大にする事で、パッと見た時にインパクトを与えられる作品にしたいと考えました。
羊毛フェルトは色や形状の再現度が高い手法ですので、大きさや形だけでなくコンロッドの焼き色のグラデーションも再現していますし、ピストンスカートの部分もかなり忠実に再現できるようになっています。でもエンジンには組み込まないでください(笑)。

また、ピストンはアクセサリーとしても使えるように、ミニサイズの型紙も用意しました。羊毛フェルト製のミニピストンをバッグにぶら下げるという使い方もしていただきたいですね。
あみぐるみの発電機は、ラベルに記載されている細かな文字は省略していますが、かなりイイ作品に仕上がっていると思います! 全体の形状だけでなくフューエルコックやチョークレバー、タンクキャップなどは本物ソックリだと思いますよ。でも発電はしません(笑)。
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「あみぐるみ/羊毛フェルト」第3弾として登場した発電機「EF1000iS」のあみぐるみと、「SR400」のピストンは、前作の「NIKEN」と「ニャイケン」同様、ヤマハ発動機ならではのユニークな遊び心、そしてモノづくりへの愛情を感じます。
また、インスタグラムの公式アカウント「ヤマハ発動機:あみぐるみ・羊毛フェルト」で紹介する作品を募集中です。さまざまな人たちが手作りした作品はそれぞれの味わいがあって、眺めるだけでも楽しくなりますよ。
【了】