販売不振が叫ばれる国内大型二輪市場に光明か 登録台数対前年比122%の伸びをみせるトライアンフ・ジャパンの施策

世界共通の店舗デザインと高いクオリティのサービスで年間国内台数3000台を目指す

 トライアンフ・ジャパンの発表によれば、戦略方針のなかでも好調の要因の一つに「販売店網の刷新」が挙げられるといいますが、具体的にはどのような取り組みを行っているのでしょうか。野田一夫社長に話を伺ってみました。

――販売店網の刷新はいつごろから取り組まれているのでしょうか?

 4年ほど前から構想し、2年前から本格運用をスタートさせました。具体的な内容としては、ブラックや木目調を取り入れた外観・内観デザインとすることで、来店された方が落ち着ける雰囲気を狙っています。

黒を基調とした「トライアンフ」ディーラーの外観

 2019年6月12日には13店舗目となる「トライアンフ高松」、7月には「トライアンフ群馬」、4階建ての「トライアンフ大阪」など、全国各地で新規店舗のオープンを進めています。

――2020年4月にオープンした「トライアンフ札幌」では来店客が10倍に伸びているといいますが、実際にはどれぐらいの数のユーザーが訪れているのでしょうか?

 現在では週間で150人程度の方にご来店いただいてます。また、「トライアンフ札幌」においては、オープン前から限定車である「スラクストンTFC(トライアンフ・ファクトリーカスタム)」のご注文も頂くなど、好調な滑り出しとなりました。

ブランドイメージ向上に貢献した「スラクストンTFC(トライアンフ・ファクトリーカスタム)」

 少しずつではありますが、店舗を刷新することで売上が好調に推移していることを実感しております。

――全国の販売店網のなかでも成績の好調な地域はありますか?

 全国の店舗のなかでもフラッグシップ・ストアといえる東京・吉祥寺の「トライアンフ東京」が最も好調で、年間300台程度の販売実績となっています。

 そのほかの店舗に関しても、私が代表に就任した時は1店舗あたり平均30台程度でしたが、現在では75台程度まで伸びております。なかには平均100台を超える店舗も出てきていますので、戦略が功を奏してきたのではないかと思います。

――トライアンフが生まれたイギリスほか、他国の販売店も同じような店舗デザインを採用しているのでしょうか?

 広さこそは違いますが世界共通の店舗デザインを導入しております。雰囲気作りにおいては、メーカーだけではなく、ビジネスパートナーとなるディーラー・販売店さまと共通した認識をもつことで、販売強化に結び付けられればとも思っています。

落ち着いた雰囲気の「トライアンフ」ディーラーの内観

 また、店舗デザインのみならず、新型車に関する技術的なトレーニングやツールを導入していますので、世界各国、どこの店舗でも高いサービスを提供することが可能となっています。

――日本国内の二輪市場は長期販売低迷が叫ばれていますが、今後の新たな“仕掛け”などについて教えてください。

 以前にホンダさんが「輸入ブランドの戦略も見習っていきたい」とおっしゃっていたとおり、昨今では国内メーカーも販売するモデルによって店名・販売チャンネルを変えるなど、施策を打たれています。最終的には、お互いに切磋琢磨し、国内二輪市場の底上げにつながるよう、尽力していきたいです。

 また、弊社における施策については、現在おこなっている店舗の刷新や販売店を増やすことがメインとなります。新製品攻勢第二弾も一旦は落ち着きましたが、11月にイタリアで開催される「EICMA2019」では、魅力的な新製品の数々を発表する予定です。

 ユーザーが安心して来店できる店舗づくり、そして常に新しい商品を展開することでユーザーの要望にこたえ、近いうちに年間登録台数3000台達成を目指します。

※ ※ ※

 近年では、国内二輪車販売の長期低迷に対する施策として、国内メーカーも販売網の刷新に力を入れています。
 
 カワサキにおいては2020年度より「カワサキプラザ」「カワサキ正規取扱店」の2系統の正式稼働、ヤマハは「ヤマハモーターサイクルアドバンスディーラー」「YSP」「YOU SHOP」の3系統体制、ホンダにおいては2018年より「ホンダドリーム」「ホンダコミューター」の2系統と各社、将来的な販売環境の整備をすすめています。

 2018年度の国内二輪市場においては、原付二種クラスのバイクが大幅な販売増加を記録していますが、トライアンフ・ジャパンや国内メーカーのような新販売網の施策が大型二輪車市場をどのように活性化していくのか、注目が集まります。

【了】

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