MotoGP譲りのウイング付き! 新型「YZF-R25」にヤマハの本気度を感じた!

ついに250ccスーパースポーツ(ニーゴーSS)にも“ウイング”がつきました! ヤマハの新型「YZF-R25 ABS」です。MotoGPマシン「YZR-M1」、スーパースポーツ「YZF-R1」の流れを汲むボディフォルムはエアロダイナミクスを追求したもの。フロントマスクにはM字ダクトまで!!

レーサームード満点になった新型

 ロードレース世界最高峰のMotoGP。そのマシンたちがこぞって採用するのが“ウイングレット”です。超ハイスピードでダウンフォースが生み出され、空力を向上し、ウイリーを抑えたり切り返しがスムーズになるなどのメリットをもたらすのですが、「ニーゴーSS」人気を牽引するR25(アール・ツー・ファイブ)は、ついにウイングまでもを採用するに至りました。

ヤマハ新型「YZF-R25 ABS」(2019年式)に試乗する筆者(青木タカオ)

 そんなことまったく気にせず、ただただ「R25が好きだから」で選ぶ人が多いのも承知ですが、レーシングムードを漂わせていることは、レースに興味がない人にも少なからず影響があります。

 いかにMotoGPマシン似であるかってことは、一部ファンにとってはものすごく重要なことで、それはいまに始まったことではありません。1980年代の「レーサーレプリカ」は、その言葉が示す通り、グランプリマシンに外装もカラーも、ときには中身までほとんど一緒と、リアルレーサーに近づくことを競いあったものでした。

 現代ならMotoGPマシン「YZR-M1」が憧憬の対象であり、ヤマハ1000ccスーパースポーツ「YZF-R1/M」は、やはり直系のデザインとしています。そしてその弟分である「YZF-R25」も、それは変わりません。

 MotoGP譲りのM字型ダクトと広いゼッケンスペースを持つフロントマスクは、吊り目の2眼LEDライトが低い位置から睨みを利かせて、クラスを超えた迫力があります。

新型のカウルは空気抵抗を減らしつつ効果的にエンジンを冷却するなど機能パーツのひとつとなっている

 滑らかな曲面とシャープな印象を合わせ持つフロントカウルや、エッジの効いたフューエルタンクカバー、スマートでコンパクトなテールエンド、そして跨った瞬間から高揚するコクピットなど、レースイメージのアグレシッブさとストリートに馴染むスタイリッシュさを見事に両立しているのです。

跨った瞬間にスポーツマインドがかき立てられる!

 跨ってみると、グリップ位置が低くなっていることがわかります。従来モデル比でハンドル1本分に相当する22mm下がり、ライディングポジションがよりスポーティな前傾姿勢となっているのです。

身長175cm体重67kgの筆者がまたがると、両足ともかかとまで地面に接地し、上腕の曲がりにも余裕がある

 タンクキャップ位置も20mmダウンし、ストレートでは伏せやすく、ブレーキングでもホールド性を向上しています。

 とはいえ上半身の前傾は、780mmに抑えられたシート高と相まって窮屈ではありません。街乗りでの扱いやすさと快適性にも配慮され、ツーリングに出掛けても疲労感は大きくないでしょう。

 搭載される排気量249cc並列2気筒エンジンは、1万2000回転で最高出力35PSを発揮しますが、街乗りで多用する3000から5000回転の常用域からトルクが太く、扱いやすいものです。8000回転以上ではDOHC4バルブらしい伸びやかさを見せ、パワーの盛り上がりを味わえます。

フロントフォークの進化が目覚ましい

 新型の進化は足まわりに強く感じ、とくにフロントフォークは正立式から倒立式に、インナーチューブ径は37mmにグレードアップされ、高い荷重を掛けたときにも踏ん張りが効くようになりました。

ゴールドのアウターチューブがまぶしい倒立式フロントサスペンションは見た目もアップグレード

 単純に倒立フォークへ換装しただけでなく、ハンドルクラウンの肉抜きなども施され、剛性バランスを最適化し、神経質なハンドリングにならないよう従来型にあったフレンドリーさや軽快感も残しつつ、ハイスピードでの安定感、制動時のダンピングを飛躍的に高めているのです。

 また、新作のタンクカバーは旋回時の体重移動がしやすく、カラダを抑える支点もつくりやすい。開発陣が徹底的に、サーキットも含めて走行テストを繰り返しているのがわかります。

 フレーム剛性やリアサスペンションのセッティングも最適化され、ルックスだけでなくトータルバランスを飛躍的に向上してきた2019年式。ヤマハのこのクラスにかける強い意気込みを感じずにはいられません!

 ヤマハ新型「YZF-R25 ABS」(2019年式)の価格(税込)は64万2600円(ABSなしは59万9400円)です。

【了】

新型「YZF-R25 ABS」(2019年式)の詳細画像を見る

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Writer: 青木タカオ(モーターサイクルジャーナリスト)

バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。自らのモトクロスレース活動や、多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク技術関連著書もある。

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