ビモータ「テージH2」9月発売!? ビモータ車取り扱い世界No.1のモトコルセに聞いてみた

ビモータ×カワサキの協力タッグで生まれた「テージH2」は、個性的なフロントサスペンション構造を備えたユニークなモデルです。ここでは、ビモータ製の車両を世界一取り扱ってきたモトコルセの近藤社長に発売時期や価格について伺ってみました。

超ド級、ビモータ「テージH2」日本での価格は?

 2019年11月に開催されたバイクの見本市「EICMA(エイクマ)2019」で突如公開されたビモータ「TESI(テージ)H2(エイチ・ツー)は、川崎重工がグループの技術を結集して作り上げた「Ninja H2」に搭載されるスーパーチャージドエンジンを、フロントスイングアームとハブセンター・ステアリング機構を備えたビモータ独自の車体に搭載した個性あふれる一台です。

カワサキ製スーパーチャージドエンジンを搭載したビモータ「テージH2」

 すでに走行テストが行われ、走行動画も公開されるなど、発売にむけ着々と準備が進められていますが、日本への導入はいつ頃が予定されているのでしょうか。

 ここでは、正式に取り扱いを開始した2006年以降、ビモータの車両を世界で最も販売しているというモトコルセの近藤 伸会長に話を伺ってみました。

―――モトコルセではいつからビモータを扱い始めたのでしょうか。

 正式には2006年からですが、実際には94年から取り扱いを開始しています。変な言い回しかもしれませんが、長く扱っている分、ビモータのことは十分、理解しているつもりです。

ビモータ及びドゥカティ製品を取り扱うモトコルセ代表取締役会長の近藤 伸会長

―――モトコルセは世界的に見てもビモータの取り扱い台数は多いほうでしょうか。

 正式に取り扱いを開始した2006年以降では世界No.1です。インポーターとして、ビモータからもかなり信頼して頂いています。

―――ビモータはこれまで倒産や休止状態などを経験していますが、現在はどのようなメンバーで構成されているのでしょうか。

 現在のビモータはTESI生み親であるPierluigi Marconi(ピエルイジ・マルコーニ)氏を筆頭に2005年にDB5の発表したロベルト・コミーニ社長世代の人と少し前の世代の方で構成されています。2019年にカワサキとの合弁会社設立により、権利の所在などもかなり整理されたようで、カワサキのそうした配慮からもかなり真剣に付き合っていく姿勢が感じられますね。

―――現状、テージH2の発売時期についてどこまで公開されているのでしょうか。

 すでに実走テストも終わりかけているようで、ビモータからは9月中には受注を開始したいと聞いています。

―――日本には何台くらい導入予定なのでしょうか。

 テージH2は初期ロットも追加分もすべて同じ仕様になる予定と聞いていますが、そもそもがスペシャルな車両ですので台数に関してはそこまで多くはないかとは思います。テージH2は数を売るモデルというよりはカワサキと共に復活した記念となる意味合いと、これまで販売したテージシリーズでやれていなかったこと、新たに試したいことを「TESI」の生みの親であるピエルイジ・マルコーニ氏が実現したものとなっています。

―――現在、カワサキワールドにはテージH2が展示されていますが、率直な感想をお聞かせください。

 あくまでも個人的な意見ですが、これまでのビモータは不安定な状況で、販売やアフターサービスに関してもインポーター頼りな部分がありました。ビモータが倒産や休止する事を我々は何度か経験して参りましたので心配はしません。お客様にも「そのうち復活しますから」とお伝えして来ました。

 ですから、カワサキが企業ミュージアムでテージH2を展示するということはマーケットの安心感にも繋がるため、非常にいい取り組みだと思います。

―――テージH2はテージシリーズとしては初の4気筒エンジン搭載車ですが、デザイン含め感想をお聞かせください。

 外装のデザインについては好みもあるでしょうが、ビモータの良さである他メーカーには無いユニークさがあって非常に面白いと思います。また、テージはレースを主眼に作られていない趣味性の高いモデルですので、こういうチャレンジはビモータらしい価値のあるものだと思います。

クラウディオ・ザンギーニ氏によりデザインされたビモータ「テージH2」。テージ・シリーズとして初の4気筒エンジン搭載車となります

 今回はカワサキも絡んでいるため過去とはレベルの違うテストを行っておりますので完成度も高いと思います。

―――ズバリ、日本での販売価格は幾らぐらいになるのでしょうか。

 為替にもよりますが、輸入手数料や諸経費含めて、歴代テージの最高額800万円台後半くらいかなと予想しています。

※ ※ ※

 近藤伸会長によると、日本でもすでに予約も入っているとのことですが、近年稀に見るチャレンジングな一台だけに、国内市場への登場に期待が掛かります。

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