Voxan Motorsが電動バイクで世界記録を樹立 瞬間最高速は408km/h

フランス「Venturi Group(ベンチューリグループ)」に属するバイクコンストラクター「Voxan Motors」が電動バイクの最高速記録に挑戦し新記録を樹立しました。

3種類のバイクで記録にチャレンジ

 フランス「Venturi Group(ベンチューリグループ)」に属するバイクコンストラクター「Voxan Motors」は、2020年10月30日、31日、11月1日の3日間にかけてフランスのシャトールー飛行場で開催された同グループの創立20周年記念イベントで、最高速記録に挑戦し11個の世界新記録を樹立しました。

レース仕様の「WATTMAN(ワットマン)」とライダーのマックス・ビアッジ選手

 ロードレースの世界で6度チャンピオンに輝いたMax Biaggi(マックス・ビアッジ)選手をライダーに据えたこの挑戦は、Voxan Motorsの「WATTMAN(ワットマン)」と名付けられた電動バイクを使用したもので、フェアリングの無い「ノンストリームライナー」仕様と数カ所に空力パーツを装着した「セミストリームライナー」仕様、すべての空力パーツを取り付けた「ストリームライナー」仕様の3種類の車両で行われました。

 FIM(国際モーターサイクル連盟)の基準を満たした滑走路が用意されたシャトールー飛行場で行われた同チェレンジの目玉となったのが「300kg以上の一部流線型電動モーターサイクル」クラスの新記録で、Mobitec EV-02Aに乗った鶴田龍二選手が記録した329.085km/hを上回る366.94km/h(228.05mph)をマークし、世界記録を樹立しました。

 また、FIMの規定に基づき計測された瞬間最高速度は408km/h(254mph)で、こちらの挑戦においても見事、世界記録樹立となりました。

レース仕様の「WATTMAN(ワットマン)」。左から「ノンストリームライナー」仕様、「セミストリームライナー」仕様、「ストリームライナー」仕様

 なお、今回の挑戦では以下の記録も樹立されました。

●1/4マイル・フライングスタート・一部流線型:394.45 km/h (245.10 mph)※過去の記録はなし

●1/4マイル・フライングスタート・非流線型:57.19 km/h (221.95 mph)※過去の記録はなし

●1km・フライングスタート・一部流線型:386.35km/h(240.07mph)これまでの記録・329.31km/h (204.62mph)

●1/4マイル・スタンディングスタート・ノンストリームライン(フェアリング無し):126.20 km/h (78.42 mph) ※ 過去の記録はなし

●1/4マイル・スタンディングスタート・一部流線型:127.30 km/h (79.10 mph) これまでの記録:87.16 km/h (54.16 mph)

●1km・スタンディングスタート・非流線型:185.56km/h(時速115.30マイル)※過去の記録はなし

●1km・スタンディングスタート・一部流線型:191.84km/h(119.20mph)これまでの記録:122.48km/h(76.11mph)

●1マイル・スタンディングスタート・非流線型:222.82 km/h(138.45 mph) ※過去の記録はなし

●1マイル・スタンディングスタート・一部流線型: 225.01km/h(139.81mph)※過去の記録はなし

 なお、20周年を迎えたVenturi Groupのジルド・パストール社長は次のようにコメントしています。

瞬間最高速408km/h(254mph)を記録し、世界記録を樹立した「WATTMAN(ワットマン)」ストリームライナー仕様とライダーのマックス・ビアッジ選手、チームクルー

「Venturi Groupの電動アドベンチャーの20周年を祝うことは、私にとって重要なことでした。健康状態を考えると、簡単なことではありませんでしたが、マックスと私のチームが示したハードワークとメンタリティのおかげで、私たちは挑戦することを証明することができました。

 Venturi Groupが20年を迎え、グループが2輪と4輪で史上最速の電気自動車(ヴェントゥーリVBB-3、FIA記録:時速549km/h-341mph)を生み出しただけでなく、4輪の燃料電池カテゴリー(ヴェントゥーリVBB-2、FIA記録:時速487km/h-303mph)も生み出したと主張できるようになったことを嬉しく思う。
 
 それぞれのプロジェクトにおいて、私たちは大手企業とオープンに協力し、画期的な技術分野での専門知識を共有し、エコモビリティの向上に貢献してきました。このようなささやかな貢献は、持続可能な開発という点では公国の価値観に完全に沿ったものであるという私のコミットメントを反映しています。ですから、私はこれらの記録を母国モナコと共有しています」。

※ ※ ※

 近年、二輪車の市場においても電動化への動きが見られるようになってきましたが、今後どのよう発展を遂げるのか、期待が掛かります。

【了】

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