イーブル・クニーブルの伝説のジャンプを完全パロディ カニエ・ウェスト「Touch The Sky」

アメリカの伝説的バイクスタントマン、イーブル・クニーブルに喧嘩を売ったのが、またもやお騒がせラッパー、カニエ・ウェスト。クニーブルの1974年のスネーク・リバー・キャニオン・ジャンプ時の様子をパロディにしてしまいました。

アメリカの伝説的バイクスタントマン、イーブル・クニーブルを知っていますか?

 クニーブルは、1960~70年代に命がけのバイクスタントに挑戦し続け、華々しさとスリル、時々おこす盛大な失敗で観衆を熱狂の渦に巻きこみました。そのスタントの激しさは、生涯で433回も骨折したことでギネスに認定されたほど。クニーブルのフィギュアがブームになったり、自伝的映画やロック・オペラが製作されるなど、まさにアメリカの国民的スターだったといえるでしょう。

アメリカの伝説イーブル・クニーブルに喧嘩を売るお騒がせラッパー、カニエ・ウェスト

 そんな大スターに喧嘩を売ったのが、またもやお騒がせラッパー、カニエ・ウェスト。彼は「Touch The Sky」(2006年)のなかで、クニーブルの1974年のスネーク・リバー・キャニオン・ジャンプ時の様子をパロディしたのです。「Touch The Sky」はソウルの名曲、カーティス・メイフィールドの「Move On Up」(1970年)を大胆にサンプリングした、70年代の空気と高揚感がつまった曲です。ミュージックビデオも70年代のショートムービー風になっていて、カニエは?イーヴル・カニーブル”と名乗り、蒸気ミサイルを使って渓谷を飛び越える計画だったスネーク・リバー・キャニオン・ジャンプの様子を描いたのです。

 カニエはクニーブルのトレードマークである革のジャンプスーツをまとい、恋人の心配をよそに無謀な挑戦をする向こう見ずで傲慢な“カニーブル”というキャラクターを演じています。実際のクニーブルの本番ではパラシュートが予定より早く開きすぎて、計画は失敗に終わりましたが、MVではパラシュートが出ず、対岸へロケットもろとも墜落してしまうというエンディングを迎えます。カニエは自分のキャリアがロケットのように天高く飛んだのちに粉々になってしまうかもしれないという皮肉を込めたものだとしていましたが、クニーブルに“カニーブル”の衣装が商標権侵害だとして、裁判をおこされてしまいました。(のちに和解済み)

イーブル・クニーブルの玩具は子供たちのマストアイテム!

 クニーブルは、何台もの車をつなげてその上をバイクで飛び越えるロングジャンプ・スタントが特に人気が高く、1980年に引退するまでに数々の伝説的なバイク・ジャンプをしてきました。

 その中でも多くの人々の記憶に残っているのはシーザー・パレス・ジャンプでしょう。LAにある有名なカジノホテル、シーザー・パレスの前にある噴水を飛び越えて着地に失敗し、複数骨を折り体中を負傷して29日間も目が覚めませんでした。それでも懲りずに立ち上がり、何度も危険なスタントに挑戦する姿を見て、人々は彼のことを「デアデビル(命知らず)」と呼びました。

 そしてクニーブルの死後、失敗に終わったスネーク・リバー・キャニオンのジャンプは、クニーブルの2人の息子ロビーとケニーに引き継がれました。最終的には2016年に彼らの協力のもと、スタントマンのエディ・ブラウンが見事にジャンプを成功させました。

 何度倒れても挑戦し続ける……クニーブルのしぶといまでの生きざまは、今も昔も変わらずに私たちを魅了するものなのかもしれません。

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