二輪初心者必見! 初めての林道走行とその注意点とは

初めて林道走行にチャレンジするというライダーに向けて、事前の準備から走行のコツまで詳しく紹介します。一般道の走行には慣れている人でも、林道走行の注意点は一般道とは異なる状況・環境も多いので、しっかりと予習および計画を立てて、出かけましょう。

林道走行の注意点とは──事前準備など

 林道走行の最初の注意点です。事前の確認事項として、目的の林道に“通行規制”がないか、一般車が走行できない“私有地・私道”ではないか、などの情報を確認しておくことが大切です。事前にネットで林野庁のホームページや、それぞれの地域の「●●県 林道情報」と検索して、一般者が通行可能な林道であるかどうかなど、リアルタイムの通行規制情報を確認しておきましょう。

林道走行の楽しみ方は、事前準備と走行中は無理をしないことです

 林道走行についてJAFでは、登山と同様にリスクへの備えを促しており、事前のバイクの整備の重要性や余裕を持った計画を立てることが重要だとしています。具体的な内容は「ガス欠」「走行速度」「左側通行を心がける」「歩行者の存在にも注意」「悪天候時は中止する」ことを推奨しています。

 走行速度などのポイントについては後述しますが、「ガス欠」への配慮は一般道以上に重要です。林道は通行規制や突然の自然状況の変化で道路状況が変わり、引き返したり迂回したり、あるいは道に迷うことも想定しておかねばなりません。ガソリンは短いルートであっても満タンにしておくことが肝要です。

林道は、基本的に悪路と呼ばれる未舗装路が大半で、天候などの要因で道路状況の悪化も考慮し、走行しましょう

 林道は林業用の道路のため、基本的に悪路と呼ばれる未舗装路が大半で、天候などの要因で道路状況の急変が付きまといます。轍・急勾配・崖などのような普段あまり馴染みのない道路状況のほかにも、落石や倒木などの危険要素も現れます。

 また、一般道のようにガードレールやカーブミラーなどの道路安全設備が備わっていないなど、初めて走行する際には、進行先の道路状態の予測が難しいのが実情です。そのため転倒やコースアウトなどでのトラブルに見舞われたときに救助・応援も助けも呼べない単独行は避けるべきです。出来れば経験者と一緒に走るようにしてください。

林道走行で必要な装備を用意し、安全を確保しましょう

 林道走行に準備する装備は、「プロテクターなどの装備」「オフロード走行用の保護ゴーグル・ヘルメット・グローブ・ブーツ」「水」「防水袋」のほか、「雨具」「パンク修理剤」「交換用のレバー類」「エアゲージと空気入れ」も用意しておくと、いざというときに役に立ちます。

 林道走行は転倒するリスクが一般道よりも高いので、上半身は胸部や肩・脊椎などを保護するプロテクターの装着は必須です。飛び出した木の枝や跳ねた小石や泥から守ってくれる保護ゴーグルやバイザーの付いたヘルメット、指先まで動かしやすく操作がしやすいグローブ、足首を転倒時の外傷や捻挫などから守ってくれるブーツの着用も忘れてはいけません。

 林道は一般道と違い、自動販売機や売店などの施設も期待できません。水や食料は持参しますが、背中に背負ってヘルメット内にストローを通す「ハイドレーションバック」ならば、走行中に水を飲むこともできるのでお勧めです。装備を個別で持つときには、泥や水溜りが多いことを考慮して、「防水袋」にスマホなど通信手段や貴重品を入れておいたほうが良いでしょう。

 林道走行を楽しむためにも、天候の変化に困らない「雨具」の用意や、万一の故障に備えた応急用の「パンク修理剤」や「交換用のレバー」を持参するなど、事前の情報収集から走行中のトラブルに対応しましょう。いずれにしても無事に帰還できるように十分な準備を怠らないでください。

林道を上手く走るコツとは

 準備が整ったら、いよいよ実際の林道走行に向かいます。林道という特殊な道をうまく走るコツは、「無理をしないこと」が大事で、ベテランと同じように走ろうとせず、自分の安全を確保できるペースを保ちましょう。

林道を走る鉄則は自分のペースを守り無理をしないことです

 林道走行時は「空気圧は低めにしておく」ほうが、タイヤの接地面が広くなり走りやすくなるので、目的の林道に到着したら、まず持参したタイヤ空気圧ゲージを使って、通常の半分程度(おおよそ0.7kg/cm目安)に合わせて出発しましょう。

 林道を走るスピードの目安は20km/h前後ですが、これは林野庁の定める林道規定細則第8条(車両の走行に関する措置)に基づき、幅員や状況によって1~3級に分類される道の設計速度は、普通車も利用できる2車線を有する1級林道で、最高制限速度でも40km/hとなっています。これに満たない幅員の下級の林道では最高30km/hから最低15km/hまでの速度制限となっており、実際の走行における安全を考慮した理想の速度といえます。

 速度が低く、悪路を走行するためのトルクを得るために「低いギアを活用」するというのも走行上のコツです。低速ギアであっても、轍や汚泥などのぬかるみや深さの見えない水溜りはスタックする恐れもあるので、最初はベテランに先導してもらい、その走行ラインに沿って「安全・確実に走行できるライン」をトレースして慣れていくことが大切です。

林道は、一般道とは違い車体を立ててハンドルで曲がりましょう

 また、一般道と違って「車体は寝かさずに車体を立ててハンドルで曲がる」のも林道走行ならではの運転方法です。水溜りや沼地を通過するときに、転倒を恐れて足を出すと余計にバランスを崩しやすくなるので、ステップに足をしっかり置いてバイクの重心を整え安定させます。路面状態の怪しい状態のところや凹凸の激しい場所を走行する際には、シートに座ったままではなく「スタンディング」による乗車方法も活用します。

 オフロードバイクは車高があるので、停車時の足着きに失敗すると転倒してしまうことも考えましょう。岩などの突起物などで路面の高低差があり「足が着くポイント」を見つけたときは、次に休める場所がどこにあるかも予想できません。そのため、疲れたら無理をせず安全な休憩ポイントを見つけ休みましょう。

林道での走行は大自然に囲まれ、いつもとは違う感動を味わうことができます

 林道走行は大自然に囲まれたなかを走行することで、一般道のツーリングでは味わえない感動が得られるバイク遊びです。しかし、十分な準備を忘れないようにしておくことが重要です。林道とは言えあくまで公道である以上、規制がまったくないわけではなく、状況に合った安全運転で走行しなければなりません。

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「林道」とは、森林の整備・保全を目的として森林内に設けられる幅員3m以上の道路のことで、地方公共団体(または森林組合)の管理する「民有林林道」と、国が管理する「国有林林道」があり、それぞれ森の整備のためだけでなく、近隣住民の「生活道路」としての役割も果たしています。

 林道は道幅も狭いため、転倒などで動けなくなり道を塞いでしまうと、近隣の住民生活や森林管理者の仕事に支障を出す可能性があります。速度を抑えるなどの走行マナーを守ることは大切であり、自分を守るためにも危険な場所の走行は避けましょう。

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