新たな未来の二輪市場を創るのはHMJ!【ホンダモーターサイクルジャパン室岡社長インタビュー全3回/最終回】

株式会社ホンダモーターサイクルジャパン室岡克博社長(57歳)に、バイクジャーナリストの青木タカオさんが全3回に渡ってアレコレ聞くインタビュー。いよいよ最終回。今後の国内二輪市場の見通しをズバリ聞きます!

定着した新販売網について

青木:ホンダドリームとホンダコミューターの2チャンネルで2018年4月にスタートした新販売網。2年間やってこられての感触は?

室岡:まず、新販売網の目的ですが、多様化するお客様のニーズや価値観に応え、お客様と販売店様の満足度をさらに向上させるとともに、既成概念にとらわれず国内二輪市場を活性化することにあります。

 そのためにホンダドリームは、車両の購入前から購入後のライフスタイルの提案など、質の高いサービスの提供を目指し、ホンダコミューターでは地域に根差し生活に密着した利便性の高い商品と、迅速かつ確実なサービスで「信頼」を獲得し、国内二輪市場の裾野を拡大することを目指しています。

ホンダドリームの出店計画については、空白地域への出店を進めるとこが重点課題

青木:秋田県と福井県、佐賀県にはホンダドリームがありません。(2021年4月末現在)

室岡:ホンダドリームの出店計画については、コロナ禍による影響や、投資効率を含めて精査を進めている最中です。特に空白地域への出店を重点課題としています。

 今後も、この2チャネルの販売店様と共に、「質の追求」にチャレンジし、お客様のニーズに合わせた接客・接遇などの対応力や、コミュニケーション能力の強化によって、お客様に満足と喜びを提供し続けることで、CSの向上を図りながら将来の国内二輪市場の「健全で持続的な発展」を目指そうと考えています。

青木:2チャネルの販売体制はだいぶ認知されてきた印象です。

室岡:おかげさまで、今日までに二輪専門誌・紙、一般誌・紙、Webを中心とした多くのメディア様にご取材いただき、記事化によってホンダドリームは、Honda二輪車のフルラインナップを取り扱い、お客様視点での各種施策などの認知の向上はできたと考えています。

ホンダドリームには、ホンダ二輪車のフルラインナップを取り扱っており、アイテムも多く取り揃えている

 特に、各店舗独自の取り組みとともに、ホンダドリームネットワークとしてのイベントや施策をお客様に提案することで、車両の販売だけなく、付加価値の高いサービスを提供していることをお客様が認知・ご理解頂いていると受け止めています。

 しかし、いまだに空白地域があることや、車両によっては納期の遅延などお客様へご不便をおかけしている。今後もお客様からの多様なご要望に応え、更なるCSの向上など課題解決に向け引き続き努力していきます!

トップメーカーとしての役責

青木:今後の国内二輪市場の見通しは?

室岡:国内は他の先進国と同様、成熟市場であり多少の危機感はありますが、悲観的な考えはありません。Hondaは「商品」「販売網」「販売フロントオペレーション」の3つを変革することで、“質の向上”によって“量の拡大”を実現してきました。

青木:多くの企業が量の拡大に傾注することで、質の低下を招き、ブランドを失墜してきましたからね。

室岡:“量”については「販売網の拡充」や「Hondaらしい個性的なモデル」を投入することで「拡大」を実現。また“質”については、主に販売現場でのお客様ニーズに合わせた対応力・コミュニケーション力の強化により「お客様満足度CS」を向上しました。

 及第点とはいきませんが、ある程度お客様の満足を頂くことができたと考えます。CS向上に際限はありませんから、さらなるCSの向上を図っていきます。

「販売網の拡充」や「Hondaらしい個性的なモデル」を投入することで、さらなるCSの向上を図っている

青木:今後の重点課題は?

室岡:いま多くの若い人たちがバイクに興味を持ち、免許をとりバイクに乗り始めてくれています。この流れを継続し、日本の二輪市場の活性化を未来に向けて持続的なものにしたいと考えています。

 特に、せっかく乗り始めてくれた若年層が、永くバイクに乗り続けてくれるための環境づくりをしなければならない。冒頭申した通り、彼ら彼女たちがバイクによる感動体験を得るためのアシストを、販売店様だけでなく我々HMJ(ホンダモーターサイクルジャパン)もしていきたいと考えています。

 その一環として、スマートフォンを保有するすべてのお客様を対象に、便利で快適なバイクライフをサポートする、スマートフォン向けアプリ「HondaGO RIDE(ホンダゴー ライド)」の無料提供を4月19日より開始しました。

4月から無料提供を開始したHondaGO RIDEは、バイクライフをより豊かに、もっと快適なものにしていくことを目指した、スマートフォン向けアプリです

 HondaGO RIDEは、”あなたとバイクをつなぐ”アプリをコンセプトに、お客様のバイクライフをより豊かに、もっと快適なものにしていくことを目指した、スマートフォン向けアプリによるサービスです。

 4月19日以降、スマートフォンをお持ちのお客様であればどなたでも、アプリをダウンロードしHondaGO会員への登録を行うことでご利用を開始いただけます。

 HondaGO RIDEは、お客様が日常持ち歩くスマートフォンを使って、Hondaからのバイクに関する最新情報の受信や、お客様の所有するバイクのメンテナンス履歴の管理、記録した点検時期の通知機能に加え、ツーリングルートの作成とアプリ間での共有など、日常から非日常までバイクライフのさまざまな場面で活用いただける各種の機能によって、お客様とバイクのつながりをより密接にし、バイクのある生活をより身近なものとしていただくためのサービスです。

 Hondaは今後も、若年層を中心とした幅広い層のお客様に向け、バイクの認知と理解促進やバイクに触れて乗れる機会の拡大を目指すHondaGOの各施策を継続的に展開し、国内の二輪車市場活性化に取り組んでいこうと考えています。

青木:利用環境の改善や安全運転の普及活動も重要ですね。

室岡:Hondaは二輪車のリーディングカンパニーとして、お客様が安全に二輪車に乗り、その楽しさや利便性により、生活を豊かに感じていただき、その魅力を次世代に伝え持続的な発展のために、二輪車の「利用環境改善」と「安全運転普及活動」という課題に継続的かつ積極的に取り組みます。

ホンダの安全運転普及活動の一環として、全国各地でHMS(Honda モーターサイクリスト スクール)を開催

 お客様が将来にわたり、「安心」「安全」「便利」に、二輪車にお乗りいただくことを目指し、都市部での駐車インフラの整備・拡充、高速道路の二輪車料金の独立化などの利用環境の改善と、混合交通での安全運転活動やマナーアップの啓蒙、高校生の「三ない運動」の実質的な撤廃に向けた活動と、早期の安全運転教育への協力など、各関連団体や行政と一体となり、今後も積極的に取り組んでいきます。

 健全なる危機感を持ちながら、国内二輪市場を創造、活性化し、新たな未来の市場を創るのはHMJであるとの気概を持って、明るい未来を見据え前進して参ります!

 よろしくお願い致します。

ロングインタビュー後もバイクの話が止まらない室岡社長と筆者(青木タカオ)

青木:はい、こちらこそ。今後も楽しみにしております! 全3回におよぶロングインタビューにお付き合いいただきまして、ありがとうございました。

【了】

【画像】ホンダモーターサイクルジャパン室岡社長インタビューの画像を見る(9枚)

画像ギャラリー

Writer: 青木タカオ(モーターサイクルジャーナリスト)

バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。自らのモトクロスレース活動や、多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク技術関連著書もある。

最新記事