おじいちゃんスパイ、老人ホームで大人気!? 感動ドキュメンタリー『83歳のやさしいスパイ』

心優しくファニーな老スパイの“人との距離感”から多くのことが学べる感動ドキュメンタリー『83歳のやさしいスパイ』が、2021年7月9日(金)より全国順次公開されます。

心優しい老スパイが教えてくれること

 あなたが「スパイ」と聞いて思い浮かべるのは? 映画ファンならば、やはりハイテクなガジェットを使いこなし、様々な改造を施された乗り物を駆る、『007』シリーズのジェームズ・ボンドのようにクールなスパイの姿でしょう。しかし、2021年の第93回アカデミー賞で長編ドキュメンタリー賞にノミネートされた『83歳のやさしいスパイ』の主人公は、ごくごく普通のおじいさんです。

『83歳のやさしいスパイ』(c) 2021 Dogwoof Ltd – All Rights Reserved

 長年連れ添った妻を亡くしたばかりのセルヒオ(83歳)は新たな生きがいを求め、高齢者のスパイ求人に応募。介護施設の実態を探るために実際に施設に潜入するという初スパイの仕事に張り切るセルヒオですが、心優しい性格もあって、いつしか悩み多き入居者たちの良き相談相手となっていきます。

 なんだかシニカルなコメディドラマのようなお話ですが、本作はそんな様子をユーモアたっぷりに映し出すと同時に、家族と離れて暮らす入居者たちが漏らす本心から現代の介護施設の在り方を問いかけてきます。そう、本作は笑いあり涙あり……というだけでなく、観る者に新たな“気づき”をも与えてくれる、非常に優れたドキュメンタリー映画なのです。

 家族の介護は誰しも避けられない問題ですが、たとえ肉親であっても、じっくり向き合うのは肉体的・精神的に大きな重圧です。セルヒオは、老人ホームにいる母親への虐待を疑った娘からの調査依頼を受けて潜入調査するのですが、他人=入所者ひとりひとりと丁寧に交流する彼が、つい希薄になってしまいがちな家族関係を見つめ直すヒントを与えてくれているようにも見えました。

『83歳のやさしいスパイ』(c) 2021 Dogwoof Ltd – All Rights Reserved

 新型コロナウイルスの蔓延によって、物理的にも精神的にも“人と会う”ことが遠くなってしまった2021年。心優しくファニーな老スパイの“人との距離感”から多くのことが学べる『83歳のやさしいスパイ』は、2021年7月9日(金)より全国順次公開です。

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