子ども達にも人気?「Vespa GTS Super」とは

世界的に人気の高いバイクメーカー「Vespa」。映画「ローマの休日」でオードリー・ヘプバーンが乗車したモデルということで、名前を聞いたことがある、という方も多いでしょう。『Vespa GTS Super』とは、どんなモデルなのでしょうか。

「Vespa GTS Super」とは?

「Vespa」とは、イタリアのバイクメーカー「ピアッジオ社」が展開しているスクーターのブランドです。そして『Vespa GTS Super』は、1955年に登場したVespa 150GSや、1985年登場のT5ポールポジションなどのスタイルを受け継いだ伝統的なモデル。モノクロ映画からとびだしてきたようなクラシカルなビジュアルが特徴で、伝統を受け継ぎながらも、性能や乗り心地は現代仕様にアップデートされています。

『Vespa GTS Super 150』(撮影:EICMA2019)

 4ストローク水冷単気筒155㏄のNew i-getエンジンのほか、アイドリングストップ機能が搭載されているのもポイントです。最高出力は14.4HP(10.8kW)/8250rpmと、150cc サイズにしては申し分ありません。

 スチールモノコックボディは剛性の高さと軽量さを両立しており、高級感を醸し出しています。ホイールは、スポーティーな5本スポークのキャストホイール。フロント、リアともに旋回性と安定性のバランスが取れた12インチホイールを採用しているのです。

黄色のフロントショックスプリングにABS アンチブレーキシステムを装備した足回り(Vespa GTS SuperTech 300)

 また、制動性やコントロール性能の高いディスクブレーキシステムやABSを標準装備。充実した足回りの装備から、ダイナミックかつスポーティーなGTS Superらしさが伺えます。加えて、万が一転倒してしまった時には、自動でエンジンを停止してくれる便利な傾斜センサーまで完備されています。

 特筆すべきは、「ネクタイ」と呼ばれるステアリングコラムカバーなどのビジュアルでしょう。レトロな丸型のヘッドライトとテールライトは、視認性の高いLEDライトを採用しています。スイッチ類はコックピットに埋め込まれているため、グリップ周りのシルエットがすっきりとシンプルで美しいのも魅力です。

ホワイトのパイピングラインが入ったシート(Vespa GTS Super 150)

 ホワイトのパイピングラインが入った、新形状のシートも注目に値します。これによりボディーとの一体感や立体感が生まれ、よりスポーティーな印象を与えてくれるのです。シート高が790㎜と足つきも良好なうえ、折り畳み式のタンデムステップは収納するとボディーにピッタリと収まります。アルミ製のため、グラブバーなどのパーツと統一感があり、見た目もすっきりするでしょう。

 カラーは鮮やかなパッショーネレッド、柔らかなリラックスグリーン、クールなバルカンブラックと上品なイノツェンホワイトの4色をラインアップ。ファッションとコーディネートしやすい親和性の高さや、トラディショナルとスタイリッシュさが調和したスタイルは、さすがのイタリアブランドといったところでしょうか。車両重量も140kgと軽量で、取り回しの良さや軽快な走りから街乗りにおすすめの1台と言っても良いでしょう。

ベスパGTSシリーズの最高峰『Vespa GTS SuperTech 300』

 また、排気量278㏄の『GTS SuperTech 300』は、よりスポーティーでパワフルなモデルのため、街乗りからツーリング、高速走行など様々なシーンで乗り回したい方におすすめです。

 子ども向けに電動乗用玩具も販売されています。ライセンス品のため、ロゴや片手持ちフロントサスペンション、パンパーなど細かいディテールまで作り込まれており、非常に完成度の高い玩具に仕上がっているのです。補助輪付きで転倒しづらい点も、嬉しいポイントではないでしょうか。

「Vespa」の歴史をチェック!

 Vespaの歴史は1946年までさかのぼります。もともと航空機メーカーだったピアッジオ社の航空エンジニアである、コラディニーノ・ダスカニオがベスパの基礎を設計しました。

初代Vespaを設計したコラディニーノ・ダスカニオ

 ピアッジオ社の代表エンリコ・ピアッジオが、エンジン音を「まるでVespa(=蜂)みたいだ」と評したことが、ブランド名の由来なのです。

 大気汚染緩和のため、排気量の小さなスクーターを活用しようという意味を含んだ“Vespizzatevi!” =「レッツ ベスパ!」というスローガンも掲げていました。また、女性モデルを使った広告も制作。環境問題やジェンダーにとらわれない先見性や、人々のライフスタイルへの提案など、Vespaは発売当時から先進的なブランドといえるのではないでしょうか。

コラディニーノ・ダスカニオが最後にデザインしたモデル「Vespa50」

 1963年には、コラディニーノ・ダスカニオが最後にデザインしたモデルであるVespa50が登場します。このモデルは当時の道路法により、14歳以上であれば無免許で運転できました。1985年にはVespa50Sという海外向けモデルも開発されたほか、1991年には限定3000台の復刻版が販売されるなど、多くの方に愛されたモデルでもあるのです。

 発売当時から75年経っても廃ることのないアイコニックなデザインは、若者のライフスタイルやファッション業界にも影響を与えています。1960年代のロンドンでは、モッズスタイルに身を包んだ若者たちが、カスタムしたVespa GSを走らせました。

Vespa 946 RED(撮影:EICMA2018)

 2000年代はVespa ETモデルがVivienne WestwoodやDolce & Gabbanaと、Vespa 946はChristian Diorなどの、数多くのハイブランドとコラボレーションしています。

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 世界的なスクーターブランドであるVespa。1946年の登場以来、その優れたデザインは世界中で愛されてきました。洗練されたデザインと、航空機メーカーのノウハウより生まれた走行性能は、街乗りからツーリングなどあらゆるシーンでライダーのライフスタイルを豊かに彩ってくれるでしょう。

【了】

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