美味しいアジフライを求めて走る旅 松山市の『盛まつ』はバイク乗りのご夫婦が営む魚が美味しいお店だった
アジと言えばアジフライ! というライダーのために、美味しいアジフライを味わえるお店を紹介します。愛媛県松山市、伊予北条駅近くの「盛まつ」を訪れました。
アジの身は厚く濃厚な味、愛媛のみかんで整いました!?
美味しいアジフライを求めて、とうとう海を渡って四国に上陸しました。筆者(増井貴光)が訪ねたのは、愛媛県松山市です。松山と言っても道後温泉がある中心地ではなく、瀬戸内に面した北条まで、友人のTさんが製作したカスタムバイクをお借りして市内から40分ほど走って行きました。

開店にはまだ時間があるので周辺を走ります。Tさんからここは行った方が良いと言われたのは“モンチッチ海岸”です。なんでモンチッチ? と聞き返してしまう名称ですが、正式には「立岩海水浴場」というようです。しかしなぜか地元の人はモンチッチ海岸と呼ぶそうです。Tさんもどうしてモンチッチなのかは知らないとのこと。
そんなコミカルな呼び名からは想像できないほど綺麗なビーチにビックリしました。潮が引いた晴れて波が穏やかな日は、青空や雲が映り込んでとても美しいそうです。ちょうど干潮の時間だったのですが、残念ながら波があって綺麗な映り込みは見られませんでした。それでも十分綺麗な景色に満足です。近くには「道の駅 風早の郷 風和里」があり、休日にはライダーが集まるそうです。ここからも瀬戸内の綺麗な景色が望めるので、ツーリングの休憩ポイントにはぴったりです。

さて、海を後にTさんが紹介してくれたお店に向かいます。5分ほどで到着したお店は、「伊予北条」駅のすぐ近くにある「盛まつ」です。ご主人はスズキ「Vストローム650」の納車待ちで、奥様はハーレー・ダビッドソン「FXDX」に乗っているというご夫婦揃ってのライダーです。
このお店のアジフライは絶品だとTさんから聞いていたので、もちろん何の迷いもなく「アジフライ定食」(770円)をオーダーします。ご主人から「しらすも北条の名産でオススメだよ」と言われ、「釜揚げしらす丼」に心が揺れます。しかし、アジフライ定食を食べるという使命を果たさなければなりません! するとシラスは小鉢で付けてくれるとのことで、心の揺れも無事に収まりました。

こちらのお店では、行商のおばちゃんから魚を買い付けることが多く、朝獲れの魚を食べられるそうです。いよいよアジフライが楽しみです。
揚げる音がしたなぁと思って数分、アジフライ定食がやってきました! 揚げたての半身のフライが2枚、お皿の上で輝いています。付け合わせはキャベツの千切りにレタスとミニトマト。ご飯は普通の盛りで、みそ汁、シラスときんぴらの小鉢、愛媛の名産であるみかんがセットです。
早速アジフライをいただきます。衣は薄めですが揚げ具合も良く、サクサク食感です。身はフワッと柔らかく濃厚な味。美味しいです。海が穏やかな瀬戸内のアジは、東京湾や相模湾と同じように柔らかいのでしょうか。
それにしても美味しい。タルタルソースとウスターソース、どちらも合います。そしてシラスも新鮮! 相模湾のシラスよりもやや大きいような気もします。
アジフライのおかわりをしたくなりますが、見た目以上に身が厚いアジでお腹はいっぱいでした。最後にみかんを口に入れると、これが甘くて美味しい! 「紅マドンナ」という品種でゼリーのような食感が特長の愛媛を代表するみかんだそうです。

お腹も心も大満足、幸せな気分でお店を後にします。しかしお腹がいっぱいで人気メニューの「サバサンド」を食べられなかったので、これは再訪問決定です。
■盛まつ
所在地:愛媛県松山市北条辻432-5
営業時間:11時から14時、16時30分から21時(日曜定休)
※営業時間、休日は変更となる場合があります
Writer: 増井貴光
旅をライフワークにバイク専門誌などで活躍するカメラマンでコラムニスト。国内だけでなく、アメリカでランドスピードレースやドラッグレースの撮影を続けている。著書としてユタ州ボンネビルで最高速に挑戦するライダーを撮影した写真集『bonneville』と、ルート66を実際に走って撮影した『movin’on』がある。また撮影だけでなく、イベント等の企画・運営にも携わるなどその活動は幅広い。愛車はハーレーFLTRXS、ホンダXR250とCT110