ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の出世作がデジタルリマスターで再上映『灼熱の魂』
いまハリウッドで最も注目される監督のひとりであるドゥニ・ヴィルヌーヴの出世作であり、ひとりの女性の数奇な人生と、その家族の宿命を描いた『灼熱の魂』のデジタルリマスター版が、2022年8月12日(金)より全国順次公開されます。
亡き母の謎めいた遺言と二通の手紙
『DUNE/デューン 砂の惑星』(2020年)、『ブレードランナー 2049』(2017年)のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督作、2010年のアカデミー賞で外国語映画賞にノミネートされた『灼熱の魂』がデジタルリマスターで再上映されます。

本作は初老の中東系カナダ人女性ナワル・マルワンと、その実子である双子の姉弟ジャンヌとシモンを中心に、過去と現在を行き来しながら描かれます。ナワルが遺した謎めいた遺言と二通の手紙は、ジャンヌとシモンが存在すら知らされていなかった兄と父親に宛てられていました。姉弟はその遺言に導かれるように初めて母の祖国の地を踏み、そして母の数奇な人生と家族の宿命を探り当てていきます。
いまハリウッドで最も注目される監督のひとりであるドゥニ・ヴィルヌーヴの出世作として知られる本作。第83回アカデミー賞外国語映画賞ノミネート、カナダ版アカデミー賞であるジニー賞で作品賞・監督賞・主演女優賞など8部門独占を果たしたほか、30か国以上の映画祭で上映され高い評価を獲得したヒューマン・ミステリーです。
原作は、レバノン出身の劇作家ワジティ・ムアワッドによる戯曲「Incendies」。あくまでフィクションではありますが、民族や宗教間の紛争、復讐の連鎖による終わりなき暴力、社会と人間の不寛容がもたらす血塗られた実際の歴史を背景に、一人の女性が否応なく飲み込まれていく理不尽な宿命と、彼女に突きつけられるあまりにも残酷な事実に言葉を失います。

ドゥニ監督といえば、『複製された男』(2014年)にはスズキのGSX-R1000、『ボーダーライン』(2016年)にはカワサキのKLX250とKLR650がチラリと映っていました。本作にバイクは登場しませんが、紛争によって荒廃した街には無数の廃車両が並び、物々しい装甲車が道路を蹂躙します。





