レース観戦のポイントは推しを作ること!〜小野木里奈の○○○○○日和〜

『小野木里奈の○○○○○日和』は、レースの楽しみ方について元WGPライダーの青木拓磨さんに聞きました。

レースを楽しむ方法とは?

 皆さん、こんにちは!小野木里奈です。今回は、鈴鹿8耐の現場の様子をレポートしていきます。 レースを観戦したことがあっても、取材についてや、出場チームの方々の裏側をしっかりと読者の方へお伝えするのは初めてだったので、新しい発見がたくさんありました。それでは、レッツゴー!

プレスルームの天井にはモニターがたくさん設置されています
プレスルームの天井にはモニターがたくさん設置されています

 メディアパスを申請後、プレスルームの天井を見上げると多くのモニターがあります!どの席の上にも一列ずつモニターが配置されており、現場のLIVE映像や順位などが流れています。私も編集部の先川さんからタイミングモニターに書かれている文字の意味を教わると、確かにこれだけで現場の状況はほとんど認識できてしまうことがわかります!

 余談ですが、ピットのすぐ上にある「プレスルーム」は、簡単に外へ出られる空間があり、コースを挟んで向かい側の観客席も見えます。私はスタートする瞬間をモニターでなく、ベランダから見たのですが、やはり映像で見るよりもエンジン音や臨場感を直接感じることができ迫力があります。

元二輪WGP(ワールドグランプリ)ライダーの青木拓磨さんとお話しました
元二輪WGP(ワールドグランプリ)ライダーの青木拓磨さんとお話しました

 そして「プレスルーム」で、元二輪WGP(ワールドグランプリ)ライダーの青木拓磨さんとお話することができました!先川さんと面識があるおかげで、レース初心者の私までお話することができ、ここぞとばかりに質問もしてしまいました。

私:バイクレース観戦初心者の方に、注目していただきたいポイントは何でしょうか?

青木さん:そうだね~、やっぱり推しのライダーやチームを見つけていただきたいですね。

私:なるほど!

青木さん:理由は何でもいいと思うんです。例えば、「あのライダーさん、めちゃくちゃ格好いい!」とかでもね(笑)
別にバイク知識からでなく、そういうのでも十分楽しめるはずです。

 たしかに、「レースの知識など関係なくチームを推す理由はなんでもいいんだ」と青木さんのお話を聞いて思いました。バイクレースのみならず、他のスポーツ観戦も同様、やはり推しのチームを応援することでさらに感動が倍増するはず。青木さんのアドバイスを元に、私も推しのチーム探しをすることにしました!

取材現場に出発!

 8耐決勝前日までは、「パドック」というエリアを周り色んなチームの皆さんへ取材を行いました。パドックは、各チームの大きなトラックや控えスペースがそれぞれ設置されています。トラック1台にしてもチームのデザインが施されていて、それぞれ見比べながら歩いていました。ピット裏にはライダーの体を冷やすためのプールや、炊き出し、そしてなんとマッサージを受けられるチームもありました!

ピット裏にはライダーの体を冷やすためのプールが設置されています
ピット裏にはライダーの体を冷やすためのプールが設置されています

 各チームの入口では実際にレースで使用する部品も置いてあります。ゼッケン44番『Team ATJ with JAPAN POST』のピット裏には寄せ書きが描かれた服を着たお人形を発見! ありがたいことに、ピットの中へお邪魔させていただくと、壁にも寄せ書きが書かれた旗が吊るされています。こちらはチームの社員皆さんからの応援メッセージなんだそうです。チームへの熱い思いがひしひしと伝わってきますよね。

『TONE RT SYNCEDGE 4413 BMW』の石塚選手
『TONE RT SYNCEDGE 4413 BMW』の石塚選手

 さらに歩いて、以前スクーター試乗の撮影でもご一緒した、石塚健選手が所属するゼッケン85番『TONE RT SYNCEDGE 4413 BMW』のピット裏へ。レース本番でも着用する革ツナギを間近で見させていただき「こんなにゴワゴワして固いんだ!」とびっくり。「すごいものを着ながら運転しているんだなぁ」とますます尊敬してしまいます。レース本番前にもかかわらず、石塚選手はすごく気さくで、取材初心者の私たちに「是非、暑さにだけ気をつけてレース観戦、楽しんでいってくださいね!」と嬉しいお声をいただきました。

『CLUB NEXT & HONDA Dream TAKASAKI』の中澤さんにお話を聞きました
『CLUB NEXT & HONDA Dream TAKASAKI』の中澤さんにお話を聞きました

 さらに、「パドック」の奥へ歩いていくと、私が「ピットウォーク」中に、ひそかに一番格好良いと思ったバイクが置いてあるチームのピットに到着しました!そのチームとは、ゼッケン89番『CLUB NEXT & HONDA Dream TAKASAKI』です。

 ピット裏から覗いていると、チームスタッフの中澤さんがお忙しい中、取材へ応じてくれました。なんと、私が外で眺めていた車両は、練習走行中に前から転倒し、フロントフォークが折れてしまった車両です。この日は、決勝日でないので、メカニック担当のスタッフさん達が大急ぎで予備の車両からパーツを交換し、何とか整備することができたんだそうです。中澤さんが曰く、バイクの損傷は激しいですが、ライダーは無事とのことでした。

『CLUB NEXT & HONDA Dream TAKASAKI』
『CLUB NEXT & HONDA Dream TAKASAKI』

 決勝日当日のピットウォークでたまたまお話を聞いたところ、さらなるトラブルが…

中澤さん:決勝前の走行で、実は転倒してしまい、ほぼ車両が全損してしまいました…

私:!!!!!(言葉を失ってしまいました)

中澤さん:その後、1周走ってみたのですが、電気系統がやられていて、エンジンが停まってしまうということなので大急ぎで予備の車両から部品を移植しました。

私:そうだったんですね…

中澤さん:一応、確認はできたので、決勝の出だしは様子見となるのですが、これで何とか戦うことができそうです。

私:なんだか本番前だけでも、色んなアクシデントがつきまとってしまうんですね…

中澤さん:そうですね。でも逆に本番前にわかってよかったと思っています。今のところ、悪い流れが続いてしまっているので、これで断ち切ってくれればいいのですが。

私:たしかに… もうここからは上がっていくだけですね!応援しています!!

中澤さん:はい!とにかく、何とか8時間ちゃんと完走したいと思います…!

 私は、ピットの裏側でチームの皆さんを取材し、自分自身が格好いいと思ったバイクを手掛けるゼッケン89番『CLUB NEXT & HONDA Dream TAKASAKI』と、石塚選手が所属する、ゼッケン85番『TONE RT SYNCEDGE 4413 BMW』を応援することにしました!もちろん、メディアとしては全てのチームを公平に観ていますが、青木さんのアドバイス通りに個人的な鈴鹿8耐初観戦する上で推しのチームを選んでみました。

SSTクラスの中では3位の『TONE RT SYNCEDGE 4413 BMW』
SSTクラスの中では3位の『TONE RT SYNCEDGE 4413 BMW』

 そして、私の推しの2つのチームは、無事に8時間完走することができました!ゼッケン89番『CLUB NEXT & HONDA Dream TAKASAKI』は、総合29位、ゼッケン85番『TONE RT SYNCEDGE 4413 BMW』は、総合17位でチェッカーを受けました。石塚さんが所属する『TONE RT SYNCEDGE 4413 BMW』は、SSTクラスの中では3位というすごい成績を残し、何だか自分が応援したチームがこうして無事に完走し、結果を残してくれたことが、自分のことのように嬉しく感じてしまいます。

 取材側として今回レースの現場に潜入したからこそ、チームの裏側を覗いたり、現場の声を直接聞くことができました。これからも現場の声やレースの魅力が伝わるように、もっともっと発信していきます。

小野木 里奈 Rina Onogi Twitter

【画像】鈴鹿8耐の裏側を画像で見る(10枚)

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Writer: 小野木里奈

女優。両親の影響で幼い頃にはバイクに憧れを持ち、23歳で大型バイクの免許を取得。いつか自分もお気に入りのバイクを見つけて、友達とツーリングに行くのが夢。初心者の立場で感じたことを素直に発信する。

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