【自転車の種類】ロマンあふれる旅する自転車「ランドナー」 オシャレな見た目で再注目!?

ガソリンや電気といった動力源の制約がなく、体力さえ続けばどこまでも走り続けられる自転車は、世界を駆け巡ることも可能な乗り物です。「旅する自転車」と称される「ランドナー」を紹介します。

いつまでも、どこまでも走って行ける……!?

 ガソリンや電気といった動力源の制約がなく、体力さえ続けばどこまでも走り続けられる自転車は、世界を駆け巡ることも可能です。ロードバイクによく似た形状ですが、荷物の積載や長距離走ることを前提とした「ランドナー」は、まさに「旅する自転車」です。

ツーリング用途の自転車「ランドナー」
ツーリング用途の自転車「ランドナー」

「ランドナー」という呼び名の由来は、フランス語でトレッキングやハイキングを意味する単語「randonnee(ランドネ)」にあります。

 フランス生まれのツーリング用自転車で、見た目はロードバイクによく似ていますが、極端なスピードを求めず、安定した走りが重要なツーリングを目的としているため、たくさんの荷物を積むことができるキャリア(=荷台)や、タイヤを覆うフェンダー(=泥除け)が装備され、タイヤも太めです。

 ハンドルは、握る場所を変えることによって乗車姿勢を変えられるようロードバイクと同じドロップハンドルを採用していますが、握った手が前キャリアに乗せた荷物にあたらないように外側に向けて「ハの字」型に広がっています。

 また、スピード重視で軽さを求めるロードバイクのフレームは軽量なカーボン製が主流ですが、「ランドナー」は軽さよりも頑丈で剛性があるクロモリ(クロムモリブデン鋼)製が主流です。カーボン製は一度破損してしまうと修復が困難ですが、クロモリ製は溶接で修復できるので、長く愛用できるという利点もあります。

 40、50歳代以上の人なら、1970年代から80年代にかけて盛り上がったサイクリングブームの時に、少年たちの憧れの的だった「あの自転車」と言えばピンとくるかもしれません。

 1971年から79年にかけて「少年キング」で連載された、いまに続く自転車漫画のさきがけである『サイクル野郎』(作:荘司としお)で、主人公の丸井輪太郎が日本一周に挑戦した自転車が、まさに「ランドナー」です。

 ちなみに、サイクリングブームの後期に大流行したダブルヘッドライトやシフトレバータイプの変速ギアが少年たちの心を鷲掴みにした「ジュニアスポーツ車」も「ランドナー」の派生形と言えます。

ツーリング用途の自転車「ランドナー」
ツーリング用途の自転車「ランドナー」

 一時代を築いた「ランドナー」ですが、80年代後半に入ると道路の整備に合わせて急速に普及したロードバイクや、未舗装路や山道をアクティブに走ることができるマウンテンバイク(MTB)の人気に押され、サイクリングブームの終焉も重なって各メーカーも生産から撤退、街で見かけることが急激に減りました……。しかし、ここにきて「ランドナー」にも再び注目が集まっています。

 ハンドルではなくフレームに取り付ける変速シフターや、ブレーキケーブルをハンドルの上に取り出すタイプのブレーキレバー、カンチブレーキといったクラシカルなパーツを使った「正統派ランドナー」を求める人からは反発があるかもしれませんが、ロードバイクやMTBのパーツや規格を流用することでさまざまなシチュエーションに合わせた個人好みのセッティングができる「新生ランドナー」の登場や、昨今のアウトドアブームが追い風になり「ランドナー」復権の兆しが見られるのです。

 また「ランドナー」のクラシカルなスタイルはファッションとしても魅力的で、今後はオシャレな街乗り自転車としての活躍も期待できます。かつて自転車少年の憧れを乗せた「ランドナー」は、旅でも普段の生活でも、安心して乗ることができるタフな相棒として、いま再び表舞台に舞い戻ろうとしています。

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