知っておくと安心かも?バイクで義務化されているものまとめ

バイクにあまり詳しくない人でも、運転する際にヘルメットの着用が義務付けられていることは知っているかもしれません。しかし、バイクを運転する上では、他にもさまざまな内容が義務付けられています。これらは、バイクを安全かつ楽しく運転するためにも、知っておくと安心です。では、2022年9月現在、バイクではどういったものが義務化されているのでしょうか。

バイクで義務化されているものを、まとめて解説!

 バイクを運転する上では、さまざまなことが義務付けられています。では、2022年9月現在、バイクではどういったものが義務化されているのでしょうか。

■ヘルメットの着用

すべてのライダーに義務化されている「ヘルメットの着用」
すべてのライダーに義務化されている「ヘルメットの着用」

 まずバイクで義務化されているものの代表として、すべてのライダーに義務化されている「ヘルメットの着用」が挙げられます。ヘルメットの着用が義務化されたのは1965年で、高速道路のみで罰則はなく努力義務というものでした。

 罰則つきで義務化されたのが1975年です。なお、当時は政令指定道路区間のみで、50cc以下の原付は対象外といった条件つきでした。そして1986年から、原付を含めたすべてのバイク、すべての道路で義務化されます。

 バイクのヘルメットは何でも良いというわけでなく、道路交通法で定められた要件を満たしたものでなければなりません。安全性が確認されたヘルメットには「PSCマーク」と「SCマーク」が付いているため、ヘルメットを購入するときは、これらのマークがあるものを選ぶことが大切です。

 なお、ヘルメットを着用せずに公道を走行した場合は「ヘルメット着用義務違反」にあたり、反則金はありませんが違反点数1点が科せられます。ヘルメットは大切な頭部を守る重要なアイテムなので、必ず着用するようにしましょう。

■ヘッドライトの常時点灯

ヘッドライトの「常時点灯」
ヘッドライトの「常時点灯」

 また、バイクではヘッドライトの「常時点灯」も義務化されています。以前は、クルマと同じようにバイクにもヘッドライトのON/OFFのスイッチが付いていたので、夜間やトンネル内などのみ点灯するのが一般的でした。

 しかし、バイク事故の増加に伴い、1998年4月1日の法改正で常時点灯が義務化。それ以降に生産されるバイクには、ヘッドライトのスイッチが撤廃されることになりました。

 つまり、バイクメーカーは、ライトを消すことができないバイクしか生産できないことになったというわけです。ただし、法改正前に生産されたバイクは常時点灯の適用外となり、無灯火でも問題ありません。

 もしも、電球切れや故障などで無灯火で走行すると「整備不良(尾灯等)」にあたり、違反点数1点と反則金6000円(二輪車)、5000円(原付)の罰則が科せられます。

 また、改正後に生産されたバイクにヘッドライトのスイッチを取り付けると、保安基準を満たせず、車検が通らなくなります。この場合は不正改造とみなされ、6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられます。

■ABS(アンチロックブレーキシステム)の搭載

ABS(アンチロックブレーキシステム)の搭載
ABS(アンチロックブレーキシステム)の搭載

 クルマでは普及している「ABS」ですが、バイクでも最近になって義務化されました。ABSとは「アンチロックブレーキシステム」の略称で、急ブレーキによってタイヤがロックするのを防いでくれるブレーキ補助機能のことです。

 バイクのABS義務化の適用時期は、新型車は2018年10月1日以降に生産されたバイクが対象です。また、継続生産車については、2021年10月1日以降に生産されたバイクとなっています。

 ちなみに、ABSと同じような機能にCBS(コンバインドブレーキシステム)があります。CBSは、片方のブレーキをかけると、前後ともバランスよくブレーキが作動する機能です。

 なお、50cc以下の原付はABSの搭載義務の対象外で、125cc以下の原付二種についてはCBSでも問題ありません。また、適用時期以前のバイクは適用外となっています。

 もし義務化の対象となったバイクを故意にABSを作動しない状態にすると、保安基準に適合しなくなり、不正改造で違反になるほか車検も通せません。

■車検

250cc超の普通二輪に適用される車検
250cc超の普通二輪に適用される車検

 クルマではすべての車両が車検の対象となっていますが、バイクでは250cc超の普通二輪のみに適用されます。車検は、正式名称を「自動車検査登録制度」といい、バイクが保安基準に適合しているか確認するため定期的に検査する制度です。新車のみ3年後で、それ以外の車両は2年ごとに検査を受けなければなりません。

 検査後に保安基準に適合していれば車検証が更新されます。このとき、車検の有効期限を表示した検査標章のシールも交付されるので、ナンバープレートの左上に貼付します。また、バイクを運転する際は、常に車検証を携行しなければなりません。

 車検が切れたバイクに乗って公道を走行した場合は「無車検運行」にあたり、違反点数6点と前歴がない人は30日間の免許停止、6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられます。

 バイクに限らず、原付を含めた公道を走るすべての車両に義務化されているのが「自賠責保険」の加入です。義務付けされているので「強制保険」とも呼ばれています。

保険の加入期間は250cc以下のバイクは最長5年で、250cc以上のバイクは最長37ヶ月
保険の加入期間は250cc以下のバイクは最長5年で、250cc以上のバイクは最長37ヶ月

 自賠責保険は、事故を起こした際に、被害車の人的損害に対してのみ補償される保険です。そのため、自分のケガや物に対しての補償はありません。保険の加入期間は250cc以下のバイクは最長5年で、250cc以上のバイクは最長37ヶ月です。1回の加入期間が長くなるほど、保険料は割安になります。

 加入手続きをすると、自賠責保険証明書と250cc以下のバイクには、満期年と満期月が表示されたステッカー(保険標章)が配布されます。ステッカーはナンバープレートの所定の位置に貼り付け、バイクに乗るときは自賠責保険証明書を必ず所持しなければなりません。

 なお、自賠責保険が切れた状態で公道を走行した場合は「無保険運行」となり、違反点数6点と前歴がない人は30日間の免許停止、1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられます。

 特に250cc以下のバイクは車検がないため、うっかり保険切れに気づかず運転しているケースが多いようです。違反に問われないためにも、ナンバープレートのステッカーを確認する習慣をつけておくことが大切といえます。

※ ※ ※

 バイクで義務化されている法律は、公道を安全に走るために必要な大切なものばかりです。自分の身を守るためにも、改めてよく確認しておくようにしましょう。

【画像】バイクで義務化されている法律についての画像を見る(6枚)

画像ギャラリー

最新記事