これってホント? 一般道路と高速道路の白線の長さが違う理由とは
一般道路や高速道路には白い実線や破線が引かれ、各通行帯が区切られています。この白線のうち、破線の長さや間隔は一般道路と高速道路で異なります。一体なぜ、異なる基準が採用されているのでしょうか。
実は違う一般道路と高速道路の白い破線の長さや間隔
道路上には白い実線や破線が引かれており、それぞれの通行帯が区切られています。
普段、何気なく目にしているこの白線の正式名称は「車線境界線」といいますが、破線のほうには一般道路と高速道路で少し違いがあるようです。一体、どのような違いがあるのでしょうか。

車線や標識など、道路に設置されている表示については、「道路標識、区画線及び道路標示に関する命令」においてルールが定められています。それによると、一般道路と高速道路では、車線境界線の破線の長さと間隔が異なります。
一般道路の破線の車線境界線は、破線それぞれが5mの長さで破線の間隔も5mとされています。そして、高速道路(設計速度80km/h以上)の車道中央線の白い破線は、8mの白線となっており、間隔は12mです。
破線と空白をひと組で考えると、一般道路は10m、高速道路は20mとなっており、2倍の長さになっていることがわかります。
こうした違いが生じる理由について、高速道路を管理するネクスコ中日本の担当者は「道路標識、区間線及び道路標示に関する命令に従い、設計速度に応じて、白線の長さ、空白区間の長さを決定していることから、一般道路と高速道路とでは異なるところかと思います」と説明しています。

道路標識、区画線及び道路標示に関する命令を見てみると、白い破線の長さや間隔については、基本的に道路の法定速度によって規定されています。
速度域が高いと、路肩の標識や道路標示などが視認しづらくなります。そのため、法定速度を基準に破線の長さや間隔を決めることで、視認性の向上が考慮されているのです。
破線と実線の違いとは?
では、道路上の実線と破線にはどのような違いがあるのでしょうか。

実線と破線は、道路の道幅によってどちらを採用するかが分けられています。具体的には、道路の道幅が6m以上の場合は実線、6m未満の場合は破線が引かれることになっていて、線の種類によって走行の際のルールも異なり実線の白線は、はみ出しが禁止となっています。
ただし、追い越しを禁止する標識等が無い場合は、白線からはみ出さない状態であれば、前方車両を追い越すことが可能。実線の場合は道幅が6mと広めに確保されているので、バイクであれば余裕をもって前方車両を追い越すことができるでしょう。

一方で破線の白線は、線を一時的にまたいでもルール上は問題ありません。そのため、破線をまたいで隣の車線に移り、前方車両を追い抜いて、再度もとの車線に戻るといった走行が可能です。
ちなみに、黄色の車線境界線は、追い越しのために線からはみ出して走行することができません。この、「追い越しのために」という部分がポイントで、障害物や危険を回避するためにはみ出す場合は、法令違反とはなりません。
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一般道路と高速道路では、視認性の観点から車線境界線の破線の長さや間隔が異なり、その差は2倍にもおよびます。それぞれの規定をキチンと把握し、安全なバイクライフを楽しみましょう。