ジャン・リュック・ゴダールが激動の時代をとらえた幻のアメリカ映画『1PM−ワン・アメリカン・ムービー』

ヌーヴェル・ヴァーグを牽引したジャン・リュック・ゴダールがアメリカで撮影した幻のフッテージを繋ぎ合わた『1PM−ワン・アメリカン・ムービー』が、『ニューヨークの中国女』『中国女』と共に2023年4月22日(土)より全国順次公開中です。

ゴダールを知るためのマスターピース

 激動の1968年秋、ゴダールは『1AM』(『ワン・アメリカン・ムービー』)なる企画のため、アメリカ合衆国の反体制的な政治と文化の状況に目を向けていました。カメラを回したのは、ダイレクト・シネマの旗手D・A・ペネベイカーとリチャード・リーコックです。

『1PM−ワン・アメリカン・ムービー』(c)Pennebaker Hegedus Films / Jane Balfour Service
『1PM−ワン・アメリカン・ムービー』(c)Pennebaker Hegedus Films / Jane Balfour Service

 ですが、ヌーヴェル・ヴァーグを牽引した末に商業映画と訣別するに至ったゴダールと、ドキュメンタリー映画界の革命児たちの夢の共同作業は、編集段階で頓挫してしまいます。この『1PM』は、ゴダールが放棄したフッテージをペネベイカーが繋ぎ合わせて作った映画です。

 本作の予告編では、ゴダールが映画の構想を話すシーンや、実際に撮影されたシーンの断片が映し出されます。また、黒豹(ブラックパンサー)党のエルドリッジ・クリーヴァーがインタビューに答える姿も。そしてラストを飾るのは、ザ・ビートルズの映画『レット・イット・ビー』にも一部収録された“ルーフトップ・コンサート”を彷彿とさせる、ジェファーソン・エアプレインがビルの屋上でライブを行っているシーンです。

『ニューヨークの中国女』(c)Pennebaker Hegedus Films / Jane Balfour Service
『ニューヨークの中国女』(c)Pennebaker Hegedus Films / Jane Balfour Service

 同時上映される『ニューヨークの中国女』は、ゴダールがニューヨーク大学の学生たちと『中国女』をめぐって、流暢な英語で当意即妙の議論を交わす1968年4月4日の映画作家の姿を収めた作品。予告編でも熱気あふれる若者たちの前で話すゴダールの姿が映しだされ、当時のアメリカでゴダールが若者にどれほど強い関心を引き起こしていたのかを生き生きと伝える貴重なドキュメントとなっています。同作と併せて、1968年の五月革命を予見したゴダールの問題作『中国女』も特別上映されます。

『1PM−ワン・アメリカン・ムービー』(c)Pennebaker Hegedus Films / Jane Balfour Service
『1PM−ワン・アメリカン・ムービー』(c)Pennebaker Hegedus Films / Jane Balfour Service

 ゴダールと言えば、ジャン=ポール・ベルモンドとジーン・セバーグ主演の『勝手にしやがれ』(1960年)を代表作に挙げる人は多いでしょう。同作には様々なクルマと共に、TerrotのRGSEやRatierのC6Sなど50年代のフランス産バイクが警察車両として多数登場するので、旧車好きは要チェックです。

『1PM−ワン・アメリカン・ムービー』『ニューヨークの中国女』『中国女』は2023年4月22日(土)より新宿・K’s cinemaほか全国順次公開中です。

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