走りに装備そして価格も満点! 旅の相棒に使いまくりたいスズキ「Vストローム800」試乗!!
専用設計のハンドル&ステップ
アドベンチャーらしいゆったりとしたライディングポジションですが、専用設計のハンドルとステップ位置によって、ワインディングもアグレッシブに走行できる乗車姿勢をつくりだしています。

アルミ製テーパーハンドルバーはグリップ位置をフロント寄りにしていて、ステップはDEより後方へ移設。DEでは脱着可能なラバーが備わるスチール製でしたが、『Vストローム800』は一般的なロードスポーツモデルに見られるアルミ製+ラバーとしています。
高速巡航もより得意に
防風性能の向上は、風洞実験によって作り込んだウインドシールドが幅をワイド化していることに尽きます。工具を使って3段階の高さ調整が可能。ハイスピードレンジでのクルージング性能が高まり、長距離ツーリングも快適にこなします。

『Vストローム800DE』が備えるナックルガードやエンジン&フレームガード、スキッドプレートなどは省略され、オプションにて追加装備ができます。
先進的な電子制御を満載
並列2気筒エンジンは270度位相クランクを採用し、不等間隔燃焼による優れたトラクション性能や心地良いパルス感が味わえます。これは90度Vツインの持ち味でもありますが、V型2気筒では不利だった後方シリンダーの冷却性や前後長を抑えつつ、パラレルツインにて実現しました。前後方向にもコンパクトで、軽量スリムなパワーユニットとしています。

クランク軸に対し、90度に1次バランサーを2軸配置する『スズキクロスバランサー』が不快な振動を抑制しているこも見逃せません。極低速域でも粘り強いパワーを発生し、滑らかで扱いやすい出力特性と高回転域までスムーズに吹けあがる伸びやかさを両立しました。
ロングライドで疲労を軽減する電子制御を満載にしています。『スズキクラッチアシストシステム(SCAS)』は、ライダーのクラッチ操作をアシストし、レバー操作を軽くしてくれるもの。『スズキインテリジェントライドシステム(S.I.R.S.)』は先進的なスズキ電子制御システムの総称で、『スズキドライブモードセレクター(SDMS)』はAモード(アクティブ)、Bモード(ベーシック)、Cモード(コンフォート)とエンジン制御マップの切替ができます。

最高出力は変わらず、違うのはフィーリングです。Aモードは最もシャープなスロットルレスポンスで、スポーティな走りに最適。ややマイルドな特性のBモードは、市街地走行やツーリングなどにふさわしくコントロール性が高い。滑らかに加速し、さらにマイルドなCモードはウエットな環境や滑りやすい路面などでライダーのスロットル操作による負担を軽減してくれます。
駆動輪のスピンを検出すれば、即座にエンジン出力をコントロールする『スズキトラクションコントロールシステム(STCS)』もリラックスして走りたいときにありがたい。路面状況などに合わせ、3モード(+OFF)からシステムの介入レベルを選択可能です。
ABSも介入度を2つのモードから選べ、電子制御の設定をするだけでも楽しい。さらにクラッチやスロットル操作をしなくともシフトアップ/ダウンができる双方向クイックシフトシステムやワンプッシュでエンジン始動を確実にできるスズキイージースタートシステム、発進時や低回転走行時のエンジン回転の落ち込みを緩和し、スムーズな発進を実現するローRPMアシストも搭載し、遠出もラクラクです。
価格抑えてライバルに対抗!
それぞれの設定は、5インチカラーTFT液晶マルチインフォメーションディスプレイを見ながら直感的にできました。デイモード(白)とナイトモード(黒)があり、手動または自動で切り替えることができます。

メーターの横にはUSB端子も装備。スタンダードモデルながら装備は充実し、「これがあったらいいのにな」はどこにも感じられません。
フロントフォークはSHOWA SFF-BPで、フォークトップエンドの左側にはプリロードアジャスターを装備。リヤサスペンションは、伸側ダンピングアジャスターを装備したリンク式モノショック。工具不要で調整できる油圧式スプリングプリロードアジャスターも備わります。

LEDヘッドライトが縦に2灯配置されたフロントマスクや、LEDコンビネーションランプが備わるテールエンド、車体もスタイリッシュです。それでいながら新車価格は123万2000円に抑えられ、ライバルらを突き放す大きなセールスポイントになりました。最後に国内同クラスの車体価格を並べますが、お買い得感がかなり高いモデルと言えるでしょう。
スズキ「Vストローム800」:123万2000円(税込)
ホンダ「XL750トランザルプ」:126万5000円(税込)
スズキ「Vストローム800DE」:132万円(税込)
ヤマハ「テネレ700」:139万7000円(税込)

Writer: 青木タカオ(モーターサイクルジャーナリスト)
バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。自らのモトクロスレース活動や、多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク技術関連著書もある。



















