「本当になんとも言えない気持ちでいっぱいに」EWC開幕戦・決勝の模様は…… レーシングライダー大久保光のレースレポート
ヨーロッパで活動中のレーシングライダー大久保光選手が、2026年シーズンのFIM世界耐久選手権(EWC)開幕戦の決勝の模様をレポートしてくれました。
なんとか走り切ってクラス13位という結果に
皆様こんにちは。レーシングライダーの大久保光です。
今回は、4月に行われたFIM世界耐久選手権(EWC)開幕戦、ル・マンラウンドの決勝レースの模様をお伝えします。
ルーマニア生活でお気に入りの喫茶店を見つけてコーヒーを楽しみつつ、24時間レースを思い出しながらこの記事を書いています。束の間の休日といったところでしょうか。

昨年に引き続き、開幕戦のスタートライダーも私が務めることになりました。決勝日も晴天でレース日和となりました。24時間ということもあって途中で天候が変わる心配もありましたが、天気予報は概ね晴れということでドライレースとなる見込みでした。
15時にスタートしたル・マン24時間耐久レース。スタートは失敗して少し順位を落としてしまいましたが、冷静に淡々とアベレージタイムを刻み、すぐにクラストップ集団に追いつくことができました。
その後は私を含めた3台のトップ集団の戦いとなりました。私は燃費を伸ばしていきたいので無理に前の2台を抜くことはなく、スリップを使いうまく走りに徹していきました。
思惑通り、その集団の中で一番最後にピットインすることに成功し、燃費をしっかり伸ばして第1スティントを終えました。
しかし、2時間を過ぎたところでチームメイトが転倒。更にマシントラブルが起きてしまい、緊急ピットイン。1時間のピット作業となり、大きく順位を落とすこととなりました。
幸い、マシンは修復することができてレースに復帰しましたが、優勝はほぼ絶望的な状態となりました。それでもレースはまだまだ長い道のり……最後まで諦めることなくチーム一丸となってチェッカーを目指していきました。

20時を過ぎると陽も落ち、いよいよ夜の時間が始まります。昼間の暖かさが嘘のように急に寒くなり、路面温度も急激に冷たくなってきました。
その時間帯は転倒も多く、またマシントラブルでリタイヤをするチームも増えてきました。チームエトワールも例外ではなく、チームメイトの転倒で再び緊急ピットイン。20分ほどの作業で再度ピットアウトすることができました。
2回とも同じライダーの転倒だったこともあり、チームの判断で朝までは3人体制で走り、転倒したライダーは身体の回復に務めるという作戦となりました。
チームメイトのスティントは私が担当し、4回に1回のスティントを2回に1回へ。そして他のチームメイトのスティントルーティンを崩さない作戦で夜を戦うこととなりました。
日付が変わるところから日の出の7時ごろまで寝れないことが決定した私は、覚悟を決めて精神力を高めて集中し、夜のスティントを走りました。一度グラベルに出て立ちゴケしてしまった場面がありましたが、マシンに大きなダメージはなく、すぐに再スタートしてスティントをこなしました。
なんとか朝を迎え、夜の時間帯休んでいたチームメイトも復活。休んでもらった甲斐があり、復帰したスティントでは再びクラス最速ラップに近いところで刻み、私自身夜通し頑張った甲斐があったと感じました。
その後はトラブルなく淡々とスティントをこなし、気がつけばクラス13位まで順位を上げ、最終的にスーパーストッククラス13位で開幕戦を終えることとなりました。
レースを終えて、最初に込み上げてきた感情はとにかく悔しいの一言でした。世界1を目指して望んでいる2026年シーズンの開幕戦がこのような結果となり、本当に悔しく、ライダー1人ひとりのポテンシャル、またチーム力も勝てるところにあっただけに、本当になんとも言えない気持ちでいっぱいです。
これは私だけではなく、チームみんなが思ったことだと思います。世界1に向けての開幕戦は非常に厳しいものとなりましたが、次戦のベルギーラウンドではこの悔しさの鬱憤を晴らすことができるよう、チーム一丸となり頑張っていきます。









