WRCに最強の「セリカ」が参戦! ホモロゲーションモデルとして登場したトヨタ「セリカGT-FOUR RC」とは

WRCで勝利するために設計された「セリカGT-FOUR RC」

 熱対策は多岐に及びます。フロントバンパーの開口部を広げることでフレッシュエアを取り込みやすくしたばかりか、ラジエターに水を吹きかける装置を組み込むことでオーバーヒート対策も万全です。

凄みを感じるのは、ボンネットのインタークーラー開口部の右側に設けられた”ホール” (写真提供:M:CRAFT)
凄みを感じるのは、ボンネットのインタークーラー開口部の右側に設けられた”ホール” (写真提供:M:CRAFT)

 僕が凄みを感じるのは、ボンネットのインタークーラー開口部の右側に設けられた”ホール”です。この小さな穴から走行風を取り込み、エンジンのタイミングベルトを冷却していたのです。

 セリカGT-FOUR RCには、さまざまな熱対策がされていますから、それは熱に対してウイークポイントを抱えていることを晒すことでもあります。ですが、逆に言えば、ボンネットに穴を開けてまで冷却するほど、勝敗にこだわっていたのです。勝利への執念を感じますよね。

ST185型セリカ GT-FOUR グループAラリーカー
ST185型セリカ GT-FOUR グループAラリーカー

 ちなみに、セリカGT-FOUR RCは当時のWRC世界ラリー選手権に参戦する条件だったグループA規定を満たすために最小の5000台が生産されました。

 スタイリッシュなデートカーから派生したセリカが、泥だらけのラリーでの速さを期待されたのですから、少々無理があったと言わざるを得ませんが、それがかえってこのセリカGT-FOUR RCの凄みを感じさせるのも事実ですね。

◾️トヨタ「セリカ2000GT-FOUR RC」

<エンジン>
形式:3S-GTE
種類:直列4気筒DOHC16バルブ・ターボ
使用燃料:無鉛プレミアムガソリン
総排気量(cc):1998
圧縮比:8.8
最高出力(ps/r.p.m):235 (173kW)/6000
最大トルク(kg-m//r.p.m):31.0kg・m(304.0N・m)/4000r
燃料供給装置:EFI(電子制御式燃料噴射装置)
燃料タンク容量(リットル):68
<寸法・定員>
全長(mm):441
全幅(mm):1745
全高(mm):1305
ホイールベース(mm):2525
車両重量(kg):1460
乗車定員(名):5

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Writer: 木下隆之

1960年5月5日生まれ。明治学院大学卒業後、出版社編集部勤務し独立。プロレーシングドライバーとして全日本選手権レースで優勝するなど国内外のトップカテゴリーで活躍。スーパー耐久レースでは5度のチャンピオン獲得。最多勝記録更新中。ニュルブルクリンク24時間レースでも優勝。自動車評論家としても活動。日本カーオブザイヤー選考委員。日本ボートオブザイヤー選考委員。

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