日本の自動車史には欠かせない存在! X80系のトヨタ「マークII」とは
モータースポーツ界の生き字引、現役レーサーの木下隆之氏の新連載コラム「木下隆之のヒストリカルパレード(通称:ヒスパレ)」連載第21回目は、1992年式のX80系(6代目)のトヨタ「マークII 2.5グランデ・リミテッド」」を解説します。
トヨタ「マークII」
「マークII」の歴史は少々複雑です。
「カローラII」がカローラから転じた派生モデルだから「カローラII」というのであれば納得できるのですが、トヨタには「マーク」というモデルがあるわけではないのに、「マークII」は「マークII」を名乗っているのです。
トヨタにはクラウンという伝統的な高級モデルがあり、一方でコロナと呼ばれる大衆車モデルがラインナップしていました。その中間を埋めるために開発されたのがコロナマークIIです。あえて言うなれば、コロナの高級仕様でしょうか。

初代コロナマークIIがデビューしたのは1968年ですから、歴史はけして短くはありません。コロナの上級モデルの位置付けでしたから、久しく「コロナマークII」を名乗っていました。ですが、5代目の「X70型」になって初めて、コロナの名が省略されました。晴れて「マークII」と独立したのです。気がつけば、コロナは絶版車となり、マークIIが生き残ることになります。
のちにそのポジションを「マークX」が受け継ぐことになります。それが2004年のことです。コロナマークIIは36年間も存在していたというわけです。日本の自動車史に欠かせないモデルであることに疑いはありません。

今回の試乗車は、1992年式のX80系です。高級感漂う「グランデ・リミテッド」。X80系からはすべてのグレードにDOHCエンジンが搭載されました。「ハイメカツインカム」と呼ばれ、ハイテク化が進んでいったのです。
初代デビューのコンセプトに忠実で、まさに大衆車にしては高級感があり、かといってショーファードリブン的なVIP感覚でもない。パーソナルユースでは上質でありながら華美ではない。その絶妙なポジショニングが人気でした。
ボディはセダンが基本系ですが、4ドアハードトップがあり、ピラーのある4ドアセダンがラインナップしていました。走りの性能が優れており、室内空間も広い。乗り心地も感心するほど優しかったので、タクシーや自動車教習車、あるいはパトカーなどにも採用されました。その意味では日本を支えたパーソナル高級セダンと言ってもいいかもしれませんね。

走りのフィーリングはいまでも十分に通用するものです。今回の試乗車は完璧なコンディションにレストアされていたこともあり、まるで新車であるかのような走り味だったのです。最近の日本者は肥大化が著しいようですが、この6代目マークIIのようなサイズ感と高級感のバランスが最適のような気がします。
◾️トヨタ「MARK II 2.5グランデ・リミテッド」
<エンジン>
形式:1JZ-GE
種類:直列6気筒DOHC
使用燃料:無鉛プレミアムガソリン
総排気量(cc):2491
圧縮比:10.0
最高出力(ps/r.p.m):180ps(132kW)/6000
最大トルク(kg-m/r.p.m):24.0kg・m(235.4N・m)/4800
燃料供給装置:EFI(電子制御式燃料噴射装置)
燃料タンク容量(リットル):65
<寸法・定員>
全長(mm):4760
全幅(mm):1710
全高(mm):1375
ホイールベース(mm):2680
車両重量(kg):1460
乗車定員(名):5
※ ※ ※
鈴鹿8時間耐久ロードレースにおいて、3年連続、通算30回目の優勝を飾ったホンダ。その立役者でもあるCBR1000RR-Rの原点とも言える「CBR900RR FireBlade」は、1992年に誕生しました。

フロントカウルには独立2眼式ヘッドライトや空気抵抗を削減するための穴があいており、レースを意識した作りが外観からも容易に想像できます。水冷DOHC4バルブ4気筒エンジンは、CBR750RRに搭載予定のものをロングストロークとしたことで、総排気量893ccにアップし搭載している。
他社がツーリングを主としたモデルを市場に投入する中で「CBR900RR FireBlade」は、峠やサーキットなどでも運動性能を発揮できるモデルとして世界から注目されました。
Writer: 木下隆之
1960年5月5日生まれ。明治学院大学卒業後、出版社編集部勤務し独立。プロレーシングドライバーとして全日本選手権レースで優勝するなど国内外のトップカテゴリーで活躍。スーパー耐久レースでは5度のチャンピオン獲得。最多勝記録更新中。ニュルブルクリンク24時間レースでも優勝。自動車評論家としても活動。日本カーオブザイヤー選考委員。日本ボートオブザイヤー選考委員。









