北の大海原を見渡せる! 日本最北の街にあるランドマーク『稚内公園』へお手軽絶景ヒルクライム
絶景を楽しみたいけれど、長い登りはちょっと……というサイクリストにオススメのヒルクライムコース、北海道稚内市『稚内公園』を紹介します。海に面した日本最北の街、稚内ならではの大海原の絶景には感動です!
一度は行ってみたい、日本最北の街
「気軽に絶景を楽しみたい!」そんなサイクリストにぴったりのヒルクライムコースへご案内します。今回の目的地は、日本最北の街を謳う、北海道稚内市の『稚内公園』です。山頂からは、稚内の街並みと広大な大海原を一望することができます。ショートクライムで絶景を手軽に楽しめるスポットです。

稚内市街地から、丘の上に一際目立つ塔が見えます。それがヒルクライムのフィニッシュ地点である『開基百年記念塔』です。明治12年(1879年)に宗谷に役場が置かれてから100年を迎えた昭和53年(1978年)に、その記念として建てられたこの塔は、地上80m、海抜250mの高さを誇ります。これほどフィニッシュ地点がはっきりと見えるヒルクライムはなかなかありません。
塔までは、日本最北端の駅「JR稚内駅」から最短で約3kmの道のりです。登坂距離は1.5kmと短めですが、標高差は150m、平均勾配10%という急勾配が待ち受けています。激坂ならではの、目に見えて標高が上がっていく感覚を楽しみながら、次第に視界が開けて、大空と大海原が広がる瞬間は爽快です。
山頂には高い木々の少ない高原のような空間が広がり、海と草木が織りなす絶景はまさに息を呑む美しさです。ここに建つ開基百年記念塔は展望台にもなっています。また、一階は博物館になっているので、稚内の歴史について学ぶこともできます。

展望台からは、遠くに日本百名山のひとつ「利尻山」が望め、天候が良ければ樺太までも見えるそうです。眼下には、かつて樺太への玄関口として利用されていた『稚内港北防波堤ドーム』の姿も見ることができます。このドームは、戦前には鉄道から樺太への連絡船のプラットフォームとして利用されていました。
稚内公園の中腹には、いくつかのモニュメントが置かれています。とくに印象的だったのが「九人の乙女の碑」です。
これは、終戦時にソ連軍の脅威が迫る中、樺太の真岡という町で撤退せずに最後まで残り、郵便局で通信業務を死守した9人の女性たちを慰霊するために建てられた碑です。
彼女たちは強い責任感を持って、ソ連軍の侵攻を前に業務を続けました。そして遂には逃げ場がないと判断し、「皆さんこれが最後です。さようなら、さようなら……」という最後の言葉を残し、毒を飲んで自らの命を絶ちました。

稚内公園を満喫したあとは、山頂から見えた稚内港北防波堤ドームに立ち寄ってみましょう。この美しい建築物の下に腰を下ろして、かつて樺太に渡った多くの日本人の物語を想像してみるのも良いと思います。
さらに走り足りないという人には、夕日の名所として知られる「ノシャップ岬」もオススメです。JR稚内駅から5kmほど、洋上に浮かぶ美しい利尻山が印象的な岬です。日本最北端の水族館である『稚内市立ノシャップ寒流水族館』では、アザラシやペンギンのショーを楽しめます。

そのまま西海岸の「宗谷サンセットロード」を南下してから稚内市街地に戻ってくると、海岸線の景色を味わえる20kmくらいの周遊ルートを組むこともできます。
日本最北端の街、稚内の魅力を自転車で存分に楽しむことができるのです。ひとつの旅のプランとして、候補に入れてみてはいかがでしょうか。
Writer: 才田直人
1985年生まれ。学生時代に通学用に購入したロードバイクをきっかけにトレーニングを開始。サイクルロードレースの全日本選手権参戦やフランスでの選手生活、国内での社会人兼選手生活を経て2023年に引退。日本だけでなく東南アジアなど自転車旅をこよなく愛し、現在はワーケーション自転車旅を続けている。専門的な知識と経験でTV出演やヒルクライムイベントのアテンド、講師なども務める。










