足が長くてシートがもっと高い! BMW Motorrad「R 1300 GS・GSスポーツ」は不慣れなライダーでも楽しめる?

BMW Motorradが世界に誇るアドベンチャーモデルの最新バージョンが「R 1300 GS」シリーズです。水平対向2気筒のボクサーエンジンは排気量を1300ccまで拡大し、先代よりすべてが刷新されて日本では2023年末より発売されました。3つあるグレードの中から、オフロード性能に割り切った「GSスポーツ」に試乗しました。

装備が異なる、3つのグレード

 2023年末から発売が始まったBMW Motorradの「R 1300 GS」には、スタンダード(284万3000/286万6000円)、GSスポーツ(297万1000円)、ツーリング(317万9000/318万5000円・オプション719仕様は336万8000円)、という3種のグレードが存在します。当記事で紹介するのは「GSスポーツ」です(※価格表記はすべて消費税10%込み)。

BMW Motorrad「R 1300 GS・GSスポーツ」(2024年型)に試乗する筆者(中村友彦)
BMW Motorrad「R 1300 GS・GSスポーツ」(2024年型)に試乗する筆者(中村友彦)

 ここで他の2つのグレードとは異なる、「GSスポーツ」ならではの装備を以下に羅列します。

●ストロークが210/220mmの前後サスペンション(スタンダードとツーリングは190/200mm)
●オフロード指向のブロックパターンタイヤ
●グリップ位置を高くするハンドルライザー
●ショートタイプのブレーキ/クラッチレバー
●独立式のフロントウインカー(スタンダードとツーリングはハンドガードにビルトイン)
●ショートタイプのスクリーン
●エンデューロフットレスト
●エンジンプロテクションバー
●大型アンダーガード
●ラジエターコアガード
●リアフレームプロテクションカバー

 改めて文字にするとかなりの数ですが、「ツーリング」が標準装備する電子デバイス、状況に応じて車高が自動で上下するアダプティブライドハイトコントロールや、前走車を自動で追尾するアクティブクルーズコントロール(ACC)、バンク角や速度に応じて照射範囲が変わるコーナリングライト、手元のスイッチで高さが調整できる電動スクリーンなどは採用していません。

 言ってみれば「GSスポーツ」は、快適性や利便性をある程度切り捨てて、オフロード性能に特化したキャラクターなのです。スーパースポーツ的な表現をするなら、車名の末尾に「R」や「SP」を追加したモデルと言っていいでしょう。

 ただし2025年型では、「GSスポーツ」の日本仕様は、アダプティブライドハイトコントロールを標準装備としています。また、2024年型のシート高は870mmですが、おそらく2025年型では850~870mmになるでしょう。なお、「スタンダード」のシート高は850mmで、「ツーリング」は830~850mmです。

スパルタンでニッチな仕様?

 今回の試乗は、10月5日・6日に長野県の志賀高原で開催された、「BMW Motorrad G/S DAY’S」(以下、G/Sデイズ)に体験取材とてして参加しながら……という形で行ないました。となると、メインはオフロード? と思う人がいるかもしれませんが、東京から現地の往復は自走しているので、舗装路の峠道や高速道路、市街地などもしっかり走っています。

BMW Motorrad「R 1300 GS・GSスポーツ」(2024年型)は、「スタンダード」や「ツーリング」のグレードとは装備内容が異なる
BMW Motorrad「R 1300 GS・GSスポーツ」(2024年型)は、「スタンダード」や「ツーリング」のグレードとは装備内容が異なる

 そして2日間に渡って「GSスポーツ」にじっくり乗り込んだ私(筆者:中村友彦)は、自分の技量と使い勝手に向いているのは、いろいろな面でフレンドリーな「ツーリング」?……と感じました。

 いや、「GSスポーツ」のインプレでそんなことを言うのは我ながらどうかと思いますし、クラッチレバーとリアブレーキペダルの操作感や、重心が上ったことによる軽快なハンドリングには感心したのですが、残念ながら「GSスポーツ」の装備の多くは、オフロードの技量が万年初級から中級の私にとっては宝の持ち腐れだったのです。

 と言っても、フラットツインGSを熟知したオフロードのエキスパートなら、豊富なストロークの前後サスペンションを有効に使って、「スタンダード」や「ツーリング」とは次元が異なる悪路走破性をしっかり満喫できるのでしょう。事実、G/Sデイズの参加者の中では、「GSスポーツ」ならではの走りを高く評価するライダーが少なくありませんでした。

 でも私を含めた一般的な技量のライダーが、フラットツインGSでオフロードを楽しむなら、シートが低く、多種多様な電子デバイスを標準装備する「ツーリング」を購入して、ブロックパターンタイヤやエンデューロフットレスト、プロテクションバーなど、「GSスポーツ」のパーツのいくつかを後付けした方が良いような気がします。

 もちろん、そのあたりの事情はメーカーも把握しているはずです。逆に言うなら把握しているにも関わらず、スパルタンでニッチな仕様を展開するあたりに、私は現在のBMWモトラッドの懐の広さと自信を感じました。

【画像】BMW Motorrad「R 1300 GS・GSスポーツ」(2024年型)の詳細を画像で見る(21枚)

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