足が長くてシートがもっと高い! BMW Motorrad「R 1300 GS・GSスポーツ」は不慣れなライダーでも楽しめる?
シリーズ全車に共通する美点
さて、「GSスポーツ」の感想が意外にアッサリまとまってしまったので、ここからは他のグレードにも通じる話として、今回の試乗で印象的だったふたつの出来事をお伝えしたいと思います。まずひとつ目は、車両を先代の「R 1250 GS」から最新の「R 1300 GSツーリング」に変更して、5度目のG/Sデイズに参加した60歳のライダーが語ってくれた言葉です。

「昨年までと比べると、ものすごく楽になりました(笑)。実は昨年の時点で体力の衰えを如実に感じていて、もうフラットツインは厳しかなと思っていたんですが、軽くて小さくてフレンドリーなR 1300 GSなら、あと数年は行けそうです。個人的にビックリしたのはレインモードの出来の良さですね。GSでオフロードを走るときは、エンデューロかエンデューロプロモードを選ぶのが定番ですが、私の技量ならレインで十分。それどころか、レインの穏やかで優しい特性のおかげで、1度も転倒をすることなく、林道やゲレンデが楽しめたんだと思いますよ」
つまり「R 1300 GS」には、ライダー生命を伸ばす資質が備わっているわけです。そしてこのモデルの特性は、既存のフラットツインGSに手強さを感じていたライダー、小柄な人や女性にとっても歓迎したくなる要素でしょう。
続いてお伝えしたい2つ目の印象的な出来事は、ロングランにおけるフラットツインGSの尋常ではない疲労の少なさです。

具体的な話をするなら、G/Sデイズに参加して朝から夕方まで、志賀高原近辺の林道とゲレンデを走り回ったにも関わらず、2日目が終わった時点で、私は自分の心身にまだまだ余裕があると感じていました。
そこで、帰路の途中までは峠道をメインに走ることにしたのです。まずは国道292号を上って標高2172mの渋峠を通過し、草津温泉に下りてみると、やっぱりまだまだ余裕でした。
ならばと考えた私は、大小のコーナーが連続する草津中之条線(県道55号)を走り、さらに県道28号を通って榛名山の山頂まで行ってみたのですが、依然として心身にツラさは感じていなかったのです。
榛名山の山頂に到着した時間は21時で、周囲には小雨がパラつき、翌日は早朝から仕事が入っていたため、以後の私は高速道路を使って帰路につくことしました。いずれにしても、2日間に渡って不慣れなオフロードを走り回ったにも関わらず、まだまだ行けるという気持ちが途切れなかったのは驚くべきことだと思います。
これまでの試乗仕事を通して、フラットツインGSの快適性や安定性を理解している……つもりでした。しかし、シリーズ最新作となる「R 1300 GS」でのロングラン性能は、私の想像をはるかに上回り、まさかここまで? と言いたくなるレベルに達していたのです。
Writer: 中村友彦
二輪専門誌『バイカーズステーション』(1996年から2003年)に在籍し、以後はフリーランスとして活動中。年式や国籍、排気量を問わず、ありとあらゆるバイクが興味の対象で、メカいじりやレースも大好き。バイク関連で最も好きなことはツーリングで、どんなに仕事が忙しくても月に1度以上は必ず、愛車を駆ってロングランに出かけている。




















