見たことある? 実はとっても面白いバイクのアマチュアレース、オリジナルフレームのマシンも参戦する「S80」の見どころは?

全国各地のサーキットでは、様々にクラス分けされてたバイクのアマチュアレースが開催されています。今回は筑波サーキットで行われている筑波ロードレース選手権の見どころについて、自身も参戦経験のある後藤武さんが解説します。

オリジナルフレームのマシンも参戦する「S80」

 バイク乗りの方には、レース観戦の経験が無い方もいるかと思いますが、プロライダーによる競技はもちろんですが、実は実際に見に行くととても面白いのがアマチュアレースです。

 速さだけなら全日本選手権のほうが上ですけど、アマチュアレースだと自分たちが普段使っているバイクが戦っていたり、ものすごくマニアックなマシンが走っていたりします。

 今回は筑波サーキットで行われている筑波ロードレース選手権の2025年第1戦の中から特に面白かったクラスをピックアップして紹介させていただきます。

2025筑波ロードレース選手権シリーズ第1戦「S80」クラス決勝の様子。エンジンの排気量(2ストローク:85cc以下、4ストローク:160cc以下)以外の制限が無いためオリジナルのマシンも見られます(写真:POP近藤)
2025筑波ロードレース選手権シリーズ第1戦「S80」クラス決勝の様子。エンジンの排気量(2ストローク:85cc以下、4ストローク:160cc以下)以外の制限が無いためオリジナルのマシンも見られます(写真:POP近藤)

一回目はメチャクチャにマニアックな「S80」です。S80は2ストローク85cc以下、4ストローク160cc以下のバイクで戦うレースです。この排気量帯のレーシングマシンは存在しないので、ほとんどのライダーがバイクを一から作っています。ちなみに、排気量以外の制限はありません。

 ホンダが過去に発売していたレーシングマシンRS125の車体や足回りを使用して、エンジンを搭載しチューニングするのが一番多いパターンです。最近はRS125の中古も簡単に入手できないので、GP3用に市販されているレーシングマシン、NSF250Rの車体を使う人もいます。NSF250Rは、RS125に近い車体サイズなんですよね。

 オリジナルフレームのマシンもチラホラ見ることができます。フレームを流用したマシンに比べるとエンジンの搭載位置を自由に設定できることなどメリットは少なくありません。機能美が漂うマシンになっています。

「バイク作らなきゃいけないなんて大変」と思うかもしれませんが、自分だけのバイクを作っていくことこそ、このクラスの魅力。各部の仕上げも趣向を凝らしているから、グリッドに並んだバイクを見ているだけでも楽しくなります。

 S80はメチャクチャ軽い車体にスリックタイヤを装着しているからコーナーリングスピードが尋常ではありません。ビックバイクから乗り換えたライダーは、このコーナーリングスピードに慣れるだけでも一苦労。実はライターのゴトーも昔、このクラスで走ったことがあるんですが「絶対に転ぶ」と思うくらいのスピードでコーナーに飛び込んでいかないと他のライダーについていくことができないほどでした。

 絶対的なパワーがないのでレースは非常にスリリング。激しいバトルになることが多いので、スリップストリームも使った駆け引きが重要になります。

2025筑波ロードレース選手権シリーズ第1戦「S80」クラス決勝の様子。コーナリングスピードの高さも見どころのひとつです(写真:POP近藤)
2025筑波ロードレース選手権シリーズ第1戦「S80」クラス決勝の様子。コーナリングスピードの高さも見どころのひとつです(写真:POP近藤)

速いのは2スト? 4スト?

 ちなみに2ストと4ストでどっちが速いのか気になりますよね? 2ストで最も多く使われているのがホンダのモトクロスレーサー「CR85R」のエンジンです。これをロードレース用にポートタイミングなどを変更し、大きなキャブレターとチャンバーを装着します。

 4ストで使われているのは、ほとんどがホンダ「CBR150」のエンジンです。排気量をアップしてカムシャフトを交換。大きなキャブレターとマフラーを装着するのが一般的です。

 2ストと4ストで一緒にレースをすると、ストレートのトップスピードでは4ストロークが有利。今回のレースでも前半は2ストに乗るの大木選手がトップを走っていたんですが、ストレートでCBR150の市橋選手に抜かれて2位になっています。レース中のタイムではわずかに大木選手の方が速いんですが、ストレートの速度差があると勝つのはなかなか大変そう。

 昔、2ストと4ストの混走が多かった時代は4ストの排気量が2ストの1.5倍から1.6倍くらいだったんですけど、最近はS80に限らず2倍くらいに設定されていることが多いんですよね。2スト好きからすると見ていて歯がゆくなります。

 4ストの排気量に関しては現状の160ccから150ccに変更しようという話も持ち上がっているとのことですが、速度差が少なくなってきたら、またレースが面白くなってくるかもしれません。

 もっとも現状でS80クラスの2ストに乗るライダーたちは苦戦を強いられていることを感じさせないくらい元気。甲高い排気音をたてながら4スト勢を追いかけ回しています。
筑波選手権は第二戦が6/21、22、第三戦が9/6,第四戦が10/4に開催されます。現在ではなかなか見ることができなくなってしまった小排気量マシンのバトルをぜひ一度見てみてください。

【画像】美しい仕上がりのオリジナルマシンが駆け抜ける!! 筑波ロードレース選手権シリーズ第1戦「S80」クラス決勝の様子を画像で見る(13枚)

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Writer: 後藤武

クラブマン誌や航空雑誌の編集長を経て現在はバイク、食、飛行機などのライターと
して活動中。飛行機とヘリの免許を所持しエアレースのTV解説も担当していたことも。2スト、旧車、V8のアメ車など多数所有。

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