激坂の先に待っているのは!? 山口県屈指のヒルクライムと瀬戸内海の絶景を楽しめる『大平山』の魅力とは
山口県防府市の最高峰「大平山(おおひらやま)」は、急勾配を自転車で駆け上がった先に防府の街並みと瀬戸内海の絶景が待っています。山口県屈指のヒルクライムコースに挑戦しました。
山口県防府市の最高峰「大平山」へ
山口県防府市の最高峰「大平山(おおひらやま)」では、急勾配を自転車で駆け上がった先に防府の街並みと瀬戸内海の絶景が待っています。県内屈指のヒルクライムコースにチャレンジしてきました。

「大平山」は標高631mの市内最高峰であり、市民に親しまれる観光・レジャースポットです。山頂には「大平山山頂公園」が整備されていて、芝生広場やアスレチック施設、休憩所などを備え、家族連れや登山者、ドライブ客など多くの人々が訪れます。
見どころのひとつは、約10万株のツツジの群生です。例年4月下旬から5月中旬にかけて見ごろを迎え、園内一帯がピンクや赤に染まる光景は必見です。
また、公園内にはかつて運行されていた「大平山ロープウェイ」のゴンドラが2台保存されています。このロープウェイは1964年から2015年まで運行され、山頂への主要なアクセス手段として約半世紀にわたり利用されてきましたが、現在は廃止・保存されています。ゴンドラは山頂駅跡地に展示されており、往時を偲ぶことができます。
ちなみに、開園時間は9時~17時となっています。時間外は駐車場のゲートが閉鎖されるので注意しましょう。
自転車で登る、「大平山」ヒルクライム
ヒルクライムのスタート地点は、防府市街地の西端にあります。コース全体のスペックは、距離約6.5km・獲得標高約550m・平均勾配8.5%です。数字の通り、かなり登り応えのあるルートです。
スタート直後こそ比較的穏やかな勾配で始まりますが、すぐに斜度がぐっと増し、徐々に標高を上げていきます。道中は多少の勾配変化がありますが、3.5km地点からがこのコースの真骨頂。2km以上にわたって、平均勾配10%超の激坂が続きます。この厳しい区間のちょうど中間地点にあるのが、「山道七合目付近展望台」です。
登坂途中に現れるこの展望台は、ヒルクライム中の絶好の休憩ポイントになります。「山頂まで一気に登るのはキツイ!」という人は、ここでひと息ついてみてください。
眼下には防府の街並み、市街地を縫う佐波川(さばがわ)、その向こうに広がる瀬戸内海までを一望できます。心地良い風を感じながら景色を楽しみ、リフレッシュして終盤の登りに備えましょう。
もちろん、スタートからフィニッシュまでノンストップで登るという人はそのまま通過しても構いません。ヒルクライムコースは通り抜けができないため、下山は登ってきた道を引き返す形になります。ダウンヒルの中休みに、最後にもう一度、「大平山」からの絶景を目に焼きつけるのもオススメです。
ゴールの先に待っていたのは、絶景の山頂公園
登坂の最終区間は緩斜面で、山頂公園の駐車場がフィニッシュになります。そこから先は自転車を押して進みましょう。園内にはバイクラックも設置されており、自転車で訪れる人々への配慮が感じられました。

公園では、家族連れで子供が遊具で遊ぶ姿や、年配の人が散策を楽しむ姿も見られ、地域に愛されている山だということを肌で感じました。公園内の茶屋ではうどんが提供されており、自動販売機も設置されています。心地良い疲労感と共に、絶景をゆっくり楽しみましょう。
私(筆者:才田直人)が特に感動したのは、山頂駅跡地に残されたロープウェイのゴンドラから見渡す防府市内の大パノラマです。眼下に広がる絶景が、登ってきた疲れを忘れさせてくれました。
大平山ロープウェイの廃止に伴い、山頂公園へのアクセス路としてこの道の重要性はこれまで以上に高まったと言えるでしょう。今後は路面の整備など、道路の維持管理に対する必要性も、より一層増していくと思われます。
この道はヒルクライムルートとして長く保たれ、サイクリストにとっての「聖地」のような存在になるのではないでしょうか。キープレフトでの走行や、下りではスピードを控えて安全に走行するなど、歩行者やバイク、クルマでの利用者と「シェア・ザ・ロード」の精神を大切にして、この素晴らしい道をみんなで守っていけたらと感じました。
空、海、街、花と、山口県防府市の最高峰「大平山」は、挑戦と絶景を全身で味わえるヒルクライムです。ぜひ一度、体験してみてください。
Writer: 才田直人
1985年生まれ。学生時代に通学用に購入したロードバイクをきっかけにトレーニングを開始。サイクルロードレースの全日本選手権参戦やフランスでの選手生活、国内での社会人兼選手生活を経て2023年に引退。日本だけでなく東南アジアなど自転車旅をこよなく愛し、現在はワーケーション自転車旅を続けている。専門的な知識と経験でTV出演やヒルクライムイベントのアテンド、講師なども務める。











