「900 Ninja」から続くカワサキビッグバイクならではのオールラウンダーっぷり! 最新「Ninja 1100SX」でなおさら際立つ完成度!!

スーパースポーツ直系の足回りを持ちながら、アップライトなライディングポジションと扱いやすいパワーデリバリーでオールマイティなモデルとして人気のある『Ninja1000SX』が、『Ninja1100SX』へとフルモデルチェンジを果たしました。カワサキの開いたジャーナリスト向け試乗会に青木タカオさんが参加し、開発責任者にお話を伺いました。

これぞカワサキ大排気量スポーツ!

 トータルバランスの高さに、磨きがかかっていると言っていいでしょう。『Ninja 1000SX』が排気量を拡大して『Ninja 1100SX』に進化しました。

 スタイリッシュなボディデザインは『Ninja ZX-10R』のようなレーシーさを感じさせつつ、大柄で迫力があります。それをアップライトなハンドルでダイナミックに操り、クローズドコースならバンクセンサーを路面に擦りつけるようなアグレシッブな走りにも対応してくれます。

カワサキ「Ninja1000SX」に乗る筆者(青木タカオ)
カワサキ「Ninja1000SX」に乗る筆者(青木タカオ)

 初代『GPZ900R』(1984年)から受け継がれるカワサキ“ニンジャ”シリーズの正統後継者といっていいでしょう。スーパースポーツに迫る動力性能を持ちながら、ロングツーリングも快適にこなすオールラウンダーは、カワサキのビッグバイクらしさを強く感じます。

『Ninja1000』は2011年式でデビューし、2014年式からはトラクションコントロールを搭載するなどし、フルモデルチェンジ。アシスト&スリッパークラッチを16年型で新たに装備し、以降はABSモデルだけとなりました。

カワサキ「Ninja1000SX」
カワサキ「Ninja1000SX」

 国内仕様は2017年モデルから導入され、このときヘッドライトをLED化し、よりシャープなスタイリングを採用しています。車体姿勢を6軸で計測できるボッシュ製のIMU(慣性計測装置)が搭載され、電子制御を飛躍的に進化させています。

 2020年4月に発売された『Ninja1000SX』は、電子制御スロットルが導入され、ライディングモードやクルーズコントロール、ダウンも対応のクイックシフターを追加装備。車体2本出しのマフラーは、右側1本出しとなりました。

最新型で排気量&トルクアップ!!

 そして2025年式、新型『Ninja1100SX』の並列4気筒エンジンは、77mmのボアをそのままにストロークを56→59mmにのばし、排気量を1043→1093ccにスケールアップ。

カワサキ「Ninja1000SX」
カワサキ「Ninja1000SX」

 カムプロフィールを見直してバルブリフト量を低減したほか、新形状のピストンや重量を増加させたフライホイールを採用することで、爽快にふけ上がる中高回転域を確保しつつ、より強力な低中回転域のトルクを獲得しています。

 111Nm(11.3kg-m)→113Nm(11.5kg-m)にトルクが向上し、レブリミットを従来モデルに対し500rpm低く抑えて設定。ファイナルギヤは5速と6速をロング化し、トップ6速100km/h巡航時のエンジン回転数を約4300→4000rpmへと低下させています。

 ハンドルバー内部に追加されたウェイトとバーエンドにより、振動を軽減するなどクルージング時のコンフォート性を向上させました。

 KQS(カワサキクイックシフター)の作動開始回転数も2500→1500rpmに落とし、より低回転域での操作が可能となっています。

 リヤブレーキはディスク径を250→260mmに拡大。リヤアクスルアジャスターをエキセントリック型からオーセンティックな直引き型に変更するなど、細部も見直されました。

 軽快なハンドリングであることは変わりませんが、キャスター・トレールを増やし(24.0°/98mm→24.7°/110mm)、穏やかな安定性も感じさせます。

フィーリングを信じた開発!

「街乗りからツーリングまで何にでも使える、もともとバランスに優れる良いモーターサイクルでした」と言うのは、『Ninja 1100SX』の開発リーダー・山本茂季さんです。

カワサキ「Ninja1000SX」
カワサキ「Ninja1000SX」

 5速と6速をロング化というのは、欧州のユーザーからの要望であったことも教えてくれました。

「より低中速域を扱いやすくしようと考え、トルクを向上し、電子スロットルの開度特性も見直しを図っています。高速巡航時の回転を下げつつ、力強いパワーフィーリングを獲得しています」と、山本さんは胸を張ります。

 排気量アップによって、全方位に優位となったことが話すとわかりました。

 スペックが全てではないことはわかっていますが、最高出力は136PS/9000rpmで、従来型(141PS/10,000rpm)より落ちています。5PSダウンについて、意地悪な質問をぶつけてみると、山本さんはこう話してくれました。

「実際、公道でそれを感じるのは難しいところだと思いますが、開発ライダーからは、ミドルレンジからピークへのつながりがスムーズになって、かつピークからレブリミッターへ当たるところでのパワーの落ち込みを改善したことで、トータルでのパワーフィーリングは良くなっているという評価を得ています。あくまでも数字ではなく、ライダーのフィーリングを重視してつくり込みました」。

『Ninja 1000SX』から『Ninja 1100SX』へと連綿と受け継がれる「スポーツツーリング」というキャラクターをブラッシュアップさせ、ますます総合力を上げているのが乗るとわかりました。

 より幅広い層に、より深く心惹かれるモデルへと進化させているのです。

【画像】カワサキ「Ninja」シリーズの正統後継者!! 「Ninja1000SX」最新モデルを画像で見る(30枚以上)

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Writer: 青木タカオ(モーターサイクルジャーナリスト)

バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。自らのモトクロスレース活動や、多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク技術関連著書もある。

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