クラッチ操作不要によるアドバンテージを痛感!? 渋滞や一時停止も楽ちん! ヤマハ「TRACER9 GT+ Y-AMT」が見せた万能性 〜小野木里奈の○○○○○日和〜
今回の『小野木里奈の○○○○○日和』は、バイク好き女優の小野木里奈さんが試乗したヤマハ「TRACER9 GT+ Y-AMT」の試乗レポートです。
威風堂々でも扱いやすい大型ツーリングモデル
皆さん、こんにちは! バイク好き女優の小野木里奈です。
ここ最近、猛暑の終わりを少しずつ感じるようになりましたね。日中はまだ暑いですが、気温が低い朝や夜にサクッとカフェに行ったりなど、暑さを避けてバイクに乗ったりしています。
一方で、8月頭には、猛暑の中、原付(スーパーカブ110)で鈴鹿8耐を観戦したりもしました。少しずつバイクでの行動範囲が広がってきて、よりバイク旅への憧れも強くなったし、もう少し涼しくなったら日本の色んな場所に行ってみたいと思いました。

そんな“旅の時間”を、もう少し軽やかに、もう少し楽しくしてくれる1台に出会いました。それが、ヤマハ「TRACER9 GT+ Y-AMT(トレーサー・ナイン・ジーティープラス ワイ・エーエムティー)」です。本日の『小野木里奈の○○○○○日和』は「試乗日和」です。それでは、いってみましょう!
私が今回試乗したカラーは、「ダークパープリッシュブルーメタリックU (ダークブルー)」です。青といえばヤマハブルーですが、その中でもこちらは落ち着いた深い夜空のような色。大自然の中でも溶け込むようなカラーリングです。

そして、パニアケースが似合うような堂々としたスタイル! なんだかもうすでに頼りがいがあるオーラを感じますよね。私はひとり旅が好きなので、相棒がこのバイクだったらとっても心強いなぁと思いました。
なんと言っても今回の主役は、“Y-AMT(ヤマハ・オートメイテッド・マニュアル・トランスミッション)”。クラッチレバーとシフトペダルがなく、左手の指で操作できるレバーで変速ができる、ヤマハの新しいシステムです。
ATモードでシフト操作をすべてお任せにしてもいいし、MTモードで好きなタイミングでカチッと変えてもOK。クラッチ操作から解放されるので、視線は前へ、意識は流れへ向けることができるのは初心者ライダーにとってもありがたいですよね。このシステムについてのより詳しい説明は、以前取材した記事があるのでそちらをご覧ください!
発進は驚くほどスムーズ。「大型=怖い加速」というイメージを良い意味で裏切ってくれる滑らかさ。スタートでアクセルを少しだけ開けると、するする〜っと気持ちよく前へ。回転数を少し上げると、今度は“ぐいっ”と背中を押すようにトルクが立ち上がって、合流や追い越しもラクラクです。直列3気筒、総排気量888ccのエンジンがもたらす余裕が、街中でもしっかり感じられました。
それでは、恒例の足つきチェックでございます! シート高は低い位置が845mm、高い位置が860mmです。私(=身長160cm)が跨ると、両足のつま先がツンツンでした(笑)。正直、私にとっては足つきがいいとは言えませんが、両足がなんとかギリギリついたので1人で支えることができました。

車両重量は232kg。数値だけ見ると「重め?」な印象ですが、走り出せば軽やかで、スイスイとバランスがいいです。取り回しは“バイク任せ”にせず、腰と目線を意識して丁寧に行えば、この重さでも1人でできそうです。
スクリーンは電動で、高さを細かく調整できるから並木道の風をちょっとだけ取り込みたい時も、高速時の走行風をやわらげたい時もワンタッチで操作できるのはありがたいです。長旅していると、風の影響は身体を思っている以上に疲れさせてしまうので、電動スクリーン装備は魅力的ですよね。IMU(慣性計測装置)、電子制御サスペンションと連動したブレーキアシスト(前後連動のユニファイドブレーキ)も、いざという場面で静かにフォローしてくれる存在でした。

あとは、クラッチ操作がないだけで、渋滞のノロノロや、路地での右左折、小さな一時停止が本当に楽ちん! ATモードで流れにストレスなく乗ることができたり、MTモードで“自分のテンポ”に合わせて運転操作を楽しむ瞬間を味わえたりと、バイクの楽しさのバリエーションが多いのは嬉しかったです。
コーナリングは視線を向けた方にバイクがするんっ自然に倒れていく感覚でした。こんなに大きくてどっしりとした車体なのに、走り出したら重さを感じないのが本当に不思議なのです。
TRACER9 GT+ Y-AMTは、数値上は堂々たる大型ツアラー。でも、発進はおだやかでしなやかな機動性もあり、都心の日常から週末のショートトリップまで、“幅広いバイクの楽しみ方”に合う気遣いが詰まっていました。旅好きのライダーの相棒にもぴったりな存在だと思います。気になる方は、ぜひ試乗してみてはいかがでしょうか。それでは、また次の月曜日にお会いしましょう!
Writer: 小野木里奈
女優。両親の影響で幼い頃にはバイクに憧れを持ち、23歳で大型バイクの免許を取得。いつか自分もお気に入りのバイクを見つけて、友達とツーリングに行くのが夢。初心者の立場で感じたことを素直に発信する。