MotoGPライダーとして初の母国グランプリを迎えた小椋藍選手 スプリント9位の健闘 決勝は右手の状態悪化により欠場を判断

MotoGP第17戦日本GPが、2025年9月26日から28日にかけて、栃木県のモビリティリゾートもてぎで行なわれました。MotoGPクラスに参戦する日本人ライダーにしてルーキーの小椋藍選手(トラックハウス・MotoGP・チーム)は、スプリントレースを9位で終えました。ただ、決勝レースはサンマリノGPで負った右手の怪我の状態により、欠場となりました。

着実に前進なるも、決勝レースは欠場を判断

 日本GPは、2025年シーズンに最高峰クラスにステップアップした小椋藍選手(トラックハウス・MotoGP・チーム)にとって、MotoGPライダーとして初めて迎えた母国グランプリとなりました。

多くのファンがMotoGPライダーとして母国に凱旋した小椋藍選手(#79/トラックハウス・MotoGP・チーム)の走りに声援を送った【2025MotoGP第17戦日本GP】
多くのファンがMotoGPライダーとして母国に凱旋した小椋藍選手(#79/トラックハウス・MotoGP・チーム)の走りに声援を送った【2025MotoGP第17戦日本GP】

 前戦サンマリノGPの決勝レースで転倒を喫した小椋選手は、右手の甲2カ所のひびを抱えて母国グランプリに臨みました。金曜日午後のプラクティスは、14番手で終えています。

「プラクティス」では、10番手までに入ることができれば土曜日の予選でQ2進出が決まります。Q2はQ1のトップ2を加えた12名のライダーによってスタートポジションを決める予選です。つまり、Q2に進んだ時点で、12番手以上のスタートポジションが決まります。このため、プラクティスでトップ10に入ることは非常に重要で、1時間のセッションの終盤残り10分ごろからは、激しいタイムアタックの時間帯となるのです。

 この日、痛み止めを飲んで走ったという小椋選手は、「朝(フリープラクティス1)はわりと良かったんですが、午後の方が良くなかったです。怪我なのでいつも通りとはいきませんが、(バイクは)乗れますし、その影響は思っていた通りでした」と語っていました。

 土曜日はQ1からの予選で、一時はトップタイムをマークします。終盤にはさらにタイムを更新しようかという勢いでしたが、後半のセクターで転倒者が出たことにより黄旗が提示され、黄旗中にこの区間を通過したことで、小椋選手の最後のタイムは無効となりました。

 これは、2025FIM GRAND PRIX WORLD CHAMPIONSHIP REGULATIONSの「第1.22.2条 情報および指示を伝える旗」において、「プラクティスおよびウォームアップ走行中に黄旗が振られた地点を通過したライダーのラップタイムは無効となる。(抜粋)」に基づくものです。

 これによって小椋選手はQ1で3番手となり、Q2進出を逃しました。ただ、最後のラップタイム無効の不運は誰にでも起こりうることです。小椋選手も「いる場所が悪かったですね」と語っていました。むしろ、金曜日から着実にタイムを詰め、Q2進出の可能性を感じさせるパフォーマンスを見せたところに目を向けるべきでしょう。

 小椋選手は午後のスプリントレースを13番手からスタートして、9位でゴールを果たしました。スプリントレースでのシーズン後半戦におけるベストリザルト、カタルーニャGPでの9位と同ポジションでのゴールです。

「昨日のセッションの最後、いい形で終わることができました。今日はそこからスタートして、今日のうちにワンステップ上げられたので、良かったと思います」

 スプリントレースも「いいレースだった」と認めています。

 母国グランプリとはいえ、小椋選手にとっては「MotoGPマシンで初めて走るもてぎ」です。適応が必要であることは、これまでのどのサーキットとも変わりません。しかし、小椋選手はセッションごとに、走行ごとに、確かに前進していました。これまでの、いつものレースウイークのように。

 それだけに、決勝レースでも追い上げのレースが期待されるところでしたが、日曜日、チームより小椋選手の決勝レースの欠場が発表されました。

 欠場により囲み取材が行なわれなかったため、小椋選手への取材は叶いませんでしたが、チームによれば「右手の状態が悪化したため」ということです。

 次戦の第18戦インドネシアGPは連戦、10月3日から5日にかけて、インドネシアのプルタミナ・マンダリカ・インターナショナル・サーキットで行なわれます。小椋選手の参戦については、現地に到着後、回復の状態を確認して判断されるということです。

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Writer: 伊藤英里

モータースポーツジャーナリスト、ライター。主に二輪関連記事やレース記事を雑誌やウエブ媒体に寄稿している。小柄・ビギナーライダーに寄り添った二輪インプレッション記事を手掛けるほか、MotoGP、電動バイクレースMotoE取材に足を運ぶ。

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