ホンダ旧横型ミニ系「北米市場」専用モデル もっともホットな横型「SL70」のフルレストア+カスタマイズ
1970年代の日本国内では、手軽に乗れるスクランプラーとして大人気だったホンダ「SL」シリーズ。現代のタイホンダ製横型エンジンシリーズモデルにネオレトロなスクランブラーデザインが追加されたら、もはや日本国内以上に東南アジアのマーケットで注目されるモデルになるような気がします。ここではその原形モデルにあたる、1971年式「SL」シリーズ最小排気量のホンダ「SL70」(K0)をベースに、フルレストア+カスタマイズを楽しもうと思います。
ホンダのモトスポーツ、1971年型「SL70」(K0)のお話し【VOL.02】
ホンダの旧横型エンジン搭載車の中では、もっともスポーツ度が高いモデルとして知られているのが、北米輸出専用モデルだった「SL70」シリーズです(後に「XL70」シリーズへとアップデートされました)。アメリカのガレージセールへ遠征していたバイク仲間が見つけたので、メールのやり取りで購入をお願いしました。

里帰りした「SL70」は、メール画像で見たバイクとは大違いでした。想像していた以上にくたびれモードです。とにかく欠品部品が多く、どこもかしこもガタガタなコンディションです。単純な整備だけで走れるシロモノではありません。そんなバイクだからこそ、レストア魂に火が付くというものでした。
とは言っても、ホンダの旧横型エンジンシリーズの70ccモデルなので、共通部品も数多くあると思います。良い意味で、どうにでも楽しめるベースモデルと言えます。
仮にこの「SL70」のコンディションが相当に良く、いじり倒してしまうのがもったいない個体となると、これが逆に大きなプレッシャーになってしまいます。50年以上前のモデルを完全ノーマルで維持するのは、今となっては、一番難しいことだと思います。
旧横型シリーズモデルに多い共通部品
外装のデザイン部品は、もはや壊滅的に「ゴソウダン」部品なのが確実でした。ところがどっこい、ゴム部品やちょっとした部品は、他のモデル用と共通部品もあり、意外にも在庫があるようでした。「もしかして納品されるかも?」と、部品商に見積もりをお願いしてみました。

予想通り、外装デザインの主要部品は100%販売中止=「ゴソウダン」扱いだったのに対して、その他の部品は8割近くが在庫アリでした。しかも部品価格が現代モデルと同等で、決して高値設定されていないお買い得感のあるものばかりでした。
在庫アリの部品は早速注文し、数日後には鈴鹿の部品倉庫から入荷しました。でも、この部品を開封できる日は、まだしばらく先になるでしょう……。
この手のモデルのパーツリストは、海外の部品商WEBで閲覧することができます。気になる方は検索してみるのが良いでしょう。国内だと、ヤマハとカワサキは部品番号がわかれば旧車専用部品でも在庫確認ができ、部番統合された部品は新規部番が明確になります。
しかし、ホンダとスズキに関しては、WEBパーツリストや部品検索のシステムが国内にはありません。海外と国内で、どうして部品供給のサービス体制に違いがあるのでしょう? 日本人は、我慢強いと思います。今こそ声を大にして、正面から「ゴソウダン」したいところです。
輸入通関後、ガレージに引き上げてきた「SL70」をじっくり眺めていると、あそこが、ここがと、欠品部品があちこちに目立ちます。欠品中の左サイドカバーは、同時に里帰りさせた「SL70」(K1)のオーナーさんからお借りして、複製にチャレンジしてみようと思います。
その他の欠品部分は、どのような部品が取り付けられているのか? 欠品部品が少ない個体から勉強するのが一番です。そこで、同タイミングで里帰りさせた「SL70」は、しばらく借用させていただきました。2台を並べて観察することで、欠品部品が何なのかを明確にできるのと同時に、気が付くこともあります。
そのひとつがキックシャフトの破損折れでした。我がK0のキックシャフトは、先端部が折れていました。どうやらキックシャフトに穴加工が施されていて、キックアームをセットした後に、超大型のベータピンで固定する仕組みに改造されていたようです。つまり、エンジン始動後はキックアームを取り外す!? そんな使われ方だったようです。
完全分解後には細かな作業を含め、フルレストア+カスタマイズ作業を鋭意進めていきます。今後の展開にご期待ください!!
Writer: たぐちかつみ
フリーランスライター。バイクも作る国内自動車メーカーの生産技術開発部門を経てから大人向けのバイク専門誌「クラブマン」誌へ合流。同誌のメンテナンスコーナーが縁で、1995年春には「モト・メンテナンス」誌を創刊し編集長を務めた。同誌休刊後の2019年秋からは、内外出版社にて「モトメカニック」誌を創刊。現在も同誌編集長を務めている。


















