大型なのに「小型二輪」ナゼ!? バイクにまつわる難解な「区分」 新原付やEVも加わってより複雑に……
どう見ても大きなバイクなのに「小型二輪」と呼ばれたり、だけど乗るにはやっぱり「大型二輪免許」が必要だったり……。バイクの種別による「正しい呼び方」、だいぶ複雑難解です。
バイク乗りには必要な知識? だいぶ面倒だけど……
クルマ(4輪車)は普通免許を持っていれば、軽自動車から大排気量のスポーツカーまで、乗用車ならなんでも運転できます。またどんなクルマにも「車検」があるので、税金などの費用を除けばあまり「種別」を意識する必要がないかもしれません。
ところが、バイクの場合は排気量などによって、免許や車検の有無、乗車定員や走れる場所まで区別されます。しかも種別による正しい名称もけっこう難解です。
すでにバイクに乗っている方ならなんとなく理解しているかもしれませんが、これから免許の取得やバイクを購入する方は、とりあえず予習しておいた方が良いかもしれません。

車両の区分は、2種類ある?
日本国内でのバイクの正しい種別には、「道路交通法」と「道路運送車両法」による区分があります。これが、複雑の原因とも言えます。
「道路交通法」では、排気量ごとに必要な免許証や走行可能な場所や速度などの交通法規に関わる部分の区分が主軸になっています。

バイクの免許の種類は大別すると原動機付自転車免許、普通自動二輪免許、大型自動二輪免許の3種類です。
そして普通自動二輪免許は排気量125ccまで運転できる小型限定免許と、125ccを超えて400ccまで運転できる普通二輪免許に分かれています。
さらに小型限定免許、普通二輪免許、大型自動二輪免許には、それぞれAT(オートマチック)限定免許があるため、細分化すると全部で7種類になります。
ちなみに、現時点ではクラッチレバーを装備しないバイクがAT免許で運転できることになっています。
次に「道路運送車両法」ですが、こちらは排気量や出力など車両の仕様による、車検(継続検査)の有無や、税金などを区分けしています。

「道路交通法」と「道路運送車両法」は、おおむねリンクしていますが、排気量でシンクロしているワケではありません。
しかも400cc超のバイクは「大型」二輪免許が必要ですが、車両の区分では「小型」二輪と呼ばれるので、いまひとつスッキリしません……。
他にも、原動機付自転車の免許で原付第一種は乗れるのに、原付第二種が乗れないのも、免許の名称的には少々微妙な気もします。
これら免許や車両区分の名称は、おそらく昔から何度も改正されている運転免許制度なども大きく影響していると思われます。
あくまで俗称・通称ですが、50ccを「原付」、125ccクラスを「小型バイク」、400ccまでを「中型バイク」、それ以上の排気量を「大型バイク」と呼ぶ例も多いですが、これは1980年代のバイクブームを含む1975年~1996年のバイクの免許制度に起因する呼び方だと思われます。
近年はさらに複雑化!?
少々難解なバイクの区分ですが、2025年(令和7年)4月から、さらに複雑な区分が加わりました。間違った理解・解釈で話題となった「新基準原付」です。
これは従来の50cc(原付第一種)だと新たな排出ガス規制への対応が困難なため、「排気量が50ccを超え125cc以下であり、かつ、最高出力を4.0kW以下に制御したもの」を原動機付自転車の免許で乗れるように道路交通法を改正し、あわせて道路運送車両法も見直されました(最高速度30km/hや二段階右折、1人乗りなどの交通法規、税制面は従来の50cc原付と同様)。
というワケで、今後は50cc超125cc以下のバイクは、第二種原動機付自転車と新基準原付が混在することになります。
なので従来の「小型バイク」とか「125クラス」という通称で呼ぶと、どちらを指しているのか分かりません……。
また近年は電動バイク(EVバイク)も登場していますが、こちらは排気量が存在しないため、車両区分は定格出力(最高出力ではない)によって定められています。

0.6kW以下は第一種原動機付自転車で、0.6kW以上1.0kW以下は第二種原動機付自転車、そして1.0kWを超えると二輪の軽自動車(軽二輪)になります。
ちなみにエンジン(内燃機関)と電動モーターのハイブリッドのバイクの場合は、内燃機関の排気量で既存のエンジン車と同様に区分けされます。
今後は50ccのバイクが消滅し、EVやハイブリッド車の増加も予想されるので、もしかすると近い将来に免許制度(道路交通法)や車両の区分(道路運送車両法)、そして種別の名称も変わる可能性はあります。この変化も、ある意味でバイクの進化を映す鏡かもしれません。
Writer: 伊藤康司
二輪専門誌『ライダースクラブ』に在籍した後(~2005年)、フリーランスの二輪ライターとして活動中。メカニズムに長け、旧車から最新テクノロジー、国内外を問わず広い守備範囲でバイクを探求。機械好きが高じてメンテナンスやカスタム、レストアにいそしみ、イベントレース等のメカニックも担当する。
















