「旧車はタイヤで走りが大きく変わる!!」 カワサキ「750SS」×コンチネンタルタイヤ ウエットでも安心だったが!?

カワサキの2ストロークマシン「750SS」(マッハIV/H2)でレースを楽しむライターの後藤武さんが、旧車レースとベストマッチな「コンチネンタルタイヤ」についてレポートします。

青いマッハと、細身リムの“当時仕様”

 ゴトー(筆者:後藤武)が走らせているマッハ(カワサキ「750SS」)にコンチネンタルタイヤを装着したところ、想像以上に走りが良かった──以前、そんな内容をお届けしました。今回は「なぜ良かったのか」をもう少し掘り下げつつ、リアタイヤを「通常のセット」へ戻して比較してみます。

 改めて概要を説明します。ゴトーのチーム「BEL-RAY Racing&IB」ではマッハを2台走らせていますが、今回紹介するのは青いマッハ。クラシックバイクレースの「レジェンド・オブ・クラシック」向けに作り込んだ仕様で、前後スポークホイールを採用。リム幅もフロント2.15、リア2.50と細めで、当時の雰囲気とスペックを大切にしたセットアップです。

 2025年前半、このマシンにはフロントに「ContiClassicAttack(コンチクラシックアタック)」(サイズ:90/90 R 18 M/C 51V TL)、リアに「ContiRoadAttack3 CR(コンチロードアタック3CR)」(サイズ:110/80 R 18 M/C 58V TL)を装着しました。

前後タイヤに「ContiClassicAttack」を装着した青いマッハ
前後タイヤに「ContiClassicAttack」を装着した青いマッハ

 組み合わせの理由はシンプルで、ゴトーの手元にリア用の「コンチロードアタック」があったから。とはいえ同じコンチネンタル製であれば違和感は少ないだろう、という読みもありました(結果的に、その判断は正解でした)。

 クラシックバイクは、タイヤで走りが大きく変わります。「それは現行車でも同じ」と思われるかもしれませんが、旧車は車体側の「完成度」が現代ほど高くない分、よりストレートに差が表れがちです。

 コンチネンタルタイヤとマッハの組み合わせは想像どおり、いや想像以上。グリップ感とハンドリングのまとまりが良く、サーキット走行で旧車に起こりやすいチャタリングもほぼ皆無。安心してレースに臨める状態に仕上がりました。

欲が出た。「前後クラシックアタック」で揃えたら?

 不満はありませんでした。ただ、良すぎたからこそ次の欲が出ます。前後とも「コンチクラシックアタック」で揃えれば、さらにバランスが向上するのではないか──そう考え、2025年シーズン後半はフロントそのままに、リアを「コンチクラシックアタック」(サイズ:110/90 R 18 M/C 61V TL)へ変更しました。

 2つのタイヤはパターンだけでなく、プロフィールも違いました。「ロードアタック」はタイヤサイズが110/80で、いわゆるクラウンR(接地面の曲率)がやや小さめ。一方の「クラシックアタック」は110/90で、トレッド面のクラウンRは大きめ。なお、カタログデータを見ると、タイヤ幅自体はどちらも同じです。

青いマッハの前後タイヤを「ContiClassicAttack」に揃えたところ、安心してレースに臨める状態に
青いマッハの前後タイヤを「ContiClassicAttack」に揃えたところ、安心してレースに臨める状態に

ハンドリングが俊敏に。車高変化も影響か

 リアを「クラシックアタック」に替えると、ハンドリングは俊敏な方向へ変化しました。これは扁平率の違いによって外径が変わり、結果として車高がわずかに変化した影響も大きいと考えて車高を調整したところ、タイヤのプロフィールの関係からか「ロードアタック」を履いたほうがバンキングはシャープな感じ。

 対して「クラシックアタック」は立ち上がりでパワーを掛けたときにシッカリと踏ん張ってくれる感じがします。フロントタイヤが変わっていないこともあって、その差はわずかでした。

 前後「クラシックアタック」で走るとバランスは当然ながら良好。ただしリアが「ロードアタック」だったときでも、この点に違和感はほとんどありませんでした。

 ホイールサイズが18~19インチの旧車はタイヤの選択肢が限られがちですが、「クラシックアタック」と「ロードアタック」を組み合わせられるなら、「選べる幅」が広がります。これは旧車乗りにとって朗報でしょう。

「テイスト・オブ・ツクバ」と、フルウエットでの手応え

 2025年11月2日に開催された「テイスト・オブ・ツクバ」には、同じチームの石川がこの青いマッハでエントリーしました。青いマッハはチーム全員がパーツを持ち寄り、作業を分担して作り上げたマシン。石川にとっても「自分のマシン」と言える存在で、愛着は強いようです。

 タイヤの印象もゴトーとほぼ同じでした。結果としては、クランクケースカバーとクラッチが接触して走行中にクラッチ板が割れてしまい、リタイヤ。悔しい結末でしたが、次戦に向けた手応えは確実に残りました。

 続く11月9日、「レジェンド・オブ・クラシック」最終戦にも「クラシックアタック」を前後に装着してゴトーが参戦。この日はどしゃ降りのフルウエットでした。

 18インチタイヤのクラスで雨のレースを戦うとき、最大の課題は「レインタイヤがない」こと。つまり、ドライの高いグリップだけでなく、ウエットでも安心して走れることが求められます。

2025年の「レジェンド・オブ・クラシック」最終戦に参戦した筆者(後藤武)。どしゃ降りのフルウエットでも前後「クラシックアタック」は良好な印象
2025年の「レジェンド・オブ・クラシック」最終戦に参戦した筆者(後藤武)。どしゃ降りのフルウエットでも前後「クラシックアタック」は良好な印象

「クラシックアタック」は、パターンを見る限りウエットにも強そうでしたが、実走でも印象は良好。フルウエットでも安心感があり、予選は2番手を獲得しました。決勝はさらに雨量が増え、いわゆるヘビーレイン。空気圧はフロント1.9、リア1.95から、それぞれ0.1ずつ上げて排水性を狙いました。

 サスペンションのセッティングは変更なし。ドライでもよく動く方向にしているため、余計な変更をせず「丁寧に走る」方針です。

 狙いは優勝。条件的にマッハにはチャンスがありました。雨で水冷が効きやすく熱ダレもしにくい。注意点は、ドカンと出るパワーでリアがスリップダウンしないように気をつけること。まさに「クラシックアタック」のウエット性能が試される状況です。

 決勝は狙いどおりホールショットを獲得。1周目から後続を引き離すためスロットルを大きく開け、立ち上がりではさすがにリアが滑ります。それでも不安が少なく走れる──このタイヤの美点は、こういう場面でこそ強く感じられました。

 ところが最終コーナーを立ち上がり、「ホームストレートでチーム員にガッツポーズでも……」と頭をよぎった瞬間、突然フロントからスリップダウン。前のクラスでオイルが出ていたため、雨で流れてきた残油に乗った可能性が高いでしょう。2番手、3番手を走っていた「46ワークス」の中嶋選手、「リトモアルベーロ」の土屋選手も、状況が分からないまま同様に転倒したとのこと。

 普段安定して走る2人が同じ周回で倒れたことを考えても、路面のオイルが原因だったと見てよさそうです。

優勝を射程圏内に捉えたと思ったら、最終コーナーで転倒してしまった筆者(後藤武)
優勝を射程圏内に捉えたと思ったら、最終コーナーで転倒してしまった筆者(後藤武)

壊れても、評価は変わらない

 マシンが壊れてしまったため、タイヤレポートはここまで……。ただ、それでも自信を持って言えるのは、18~19インチで標準に近いリムサイズの旧車において、レースで頼れる選択肢として「クラシックアタック」は非常に有力だということです。

 そしてこの評価は、ストリートでも変わりません。実際、ゴトーの周囲の旧車仲間も同じように感じていると言います。

 旧車でストリートを走っているライダーは、ぜひ一度「コンチクラシックアタック」を試してみてください。これまでとは異なるフィーリングに、驚くはずです。

※ ※ ※

 なお、「テイスト・オブ・ツクバ」仕様のマッハでは「コンチロードアタック3CR」を前後に履いたレポートもあります。併せて読んでいただくと、コンチネンタルタイヤのラインアップの違いがより立体的に理解できると思います。

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Writer: 後藤武

クラブマン誌や航空雑誌の編集長を経て現在はバイク、食、飛行機などのライターと
して活動中。飛行機とヘリの免許を所持しエアレースのTV解説も担当していたことも。2スト、旧車、V8のアメ車など多数所有。

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