“免許不要”でオーケー!? 47台ぜーんぶ試乗車!! 埼玉・通称「まるバイ」知る人ぞ知る20年の歴史を刻む日本屈指のバイクイベントとは
埼玉県にある自動車教習所のバイクイベントが、他の追随を許さない存在感を放っています。20年前から免許証不要の試乗会を断行。現在は14歳から体験できます。イベントの趣旨に賛同して集まったショップの試乗車は約50台。試乗会そのものが少なくなる時代に、日本屈指の規模です。
モーターサイクルショーでも実現できない!? 47台の試乗車が集結
指定教習所が開催するバイクイベントとして、2026年で20年目を迎える「ファインモータースクール」のバイクイベント、通称「まるバイ」(まるごとバイクフェスティバル)が2026年4月29日に開催されました。
同スクールは埼玉県内で3つの指定教習所を運営し、「まるバイ」は上尾校(埼玉県上尾市平塚)を会場にしています。2026年は47団体が出展、試乗車47台と過去最大の規模で、約850人の来場者を記録しました。
来場者が心待ちにしていたのは、バイクショップが中心となって試乗車を用意する大試乗会「ゆっくり体験試乗会」でした。
今年は前年の42台を上回り、教習コースは試乗のために開放され、いつもは教習車の乗降場所に試乗待ちの長い行列ができました。
試乗車は国内4メーカー、ハーレーダビッドソン、BMWなどおなじみのモデルに加え、試乗のチャンスがなかなか巡ってこない、中国発で攻めたデザインのCFMOTO、キムコジャパンを引き継いだEisyuのVECTRIXなど、珍しい車両も多数見られます。レトロ感覚で強い個性を放つ存在から生まれ変わったウラルのサイドカー同乗も体験できました。
国内メーカーのモデルも、例えばスズキ「DR-Z4」シリーズが2モデル用意されました。1台は前21インチ/後18インチのオフロード仕様、もう1台は前後17インチのスーパーモトスタイルです。
バリエーション豊かな試乗会が来場者を惹きつけるだけでなく、これが午前と午後、各500円で来場者の時間が許す限り乗り換え放題だったのです。
教習所の建物の前のテントでは、埼玉県警の白バイ、自衛隊のライトアーマー(軽装甲機動車)と偵察バイク、首都高速の黄バイが同時に並んでいる光景も、「まるバイ」ならではです。
パナソニックの特定小型原付や電動アシスト自転車も、今年初めて出展しました。バイクが搭載できるワンボックスとして、地元4輪ディーラーの出展もありました。
20年以上前の開催当初から出展する「スペシャルパーツ忠男」の大泉善稔社長は、当時をこう振り返ります。
「最初の頃は、私の所と(※レンタルバイク事業などを手がける)キズキさんくらい。それがこんなに盛大に開催できるようになって、出展者としても嬉しいです」
ファインモータースクール広報担当者は、「地域企業やバイク関連企業と連携し、バイク人口の底上げと安全意識の向上を目的として実施している」と、20年続く秘訣を語りました。
バイク人口の底上げ目指し、14歳から希望者を受け入れ
「まるバイ」の人気の秘密は、免許を持たない人向けの「プレライダースクール」にもあります。運転未経験の人が教習車両を使ってバイク体験をするイベントは、教習所主催のバイクイベントでは多く見られるようになりました。
しかし「プレライダースクール」では、原付バイクの免許取得年齢に達しなくても、保護者の同意があれば14歳から、教習車両の体験もできるのです。ここは他の追随を許しません。

若者のバイク離れが進んでいると言われる中で、プレライダースクールの応募者の年齢は、10代と20代が圧倒的でした。同スクールによる応募者の年齢構成は次の通りです。
10代:44名
20代:19名
30代:5名
40代:6名
50代:6名
60代:1名
体験年齢を引き下げたことには、理由がありました。
「名称変更および参加対象を14歳以上へと拡大したのは、2023年からです。これまでも“こどもバイク体験”は実施していましたが、主に小学生を対象にして、その上の中学生世代に向けた体験機会が不足しておりました。2輪人口の長期的な増加を見据えるうえで、若い世代へのアプローチは重要であると考えております。こうした背景から、対象年齢を拡大すると同時に、女性を対象とする体験もプレライダースクールに統合しました」(同スクール広報担当)
午前と午後で入れ替わる試乗会の合間には、MFJ全日本トライアル選手権に出場する国際A級の本多元治選手と、国際A級スーパークラスの武井誠也選手のトライアルデモとライディングアドバイスのステージもありました。
ファインモータースクールでは、プロスポーツ選手の支援にも力を入れていています。「まるバイ」は、選手と一般ライダーの接点にもなっています。
どんよりとした曇り空、肌寒さを感じさせる天気でも、会場にはバイクを楽しみたいと思うライダーや、家族連れの「バイク熱」であふれていました。
Writer: 中島みなみ
1963年生まれ。愛知県出身。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者を経て独立。行政からみた規制や交通問題を中心に執筆。著書に『実録 衝撃DVD!交通事故の瞬間―生死をわける“一瞬”』など。











