「日常が映画のワンシーンのよう」優しく淡いブルーで見た目はクラシックでもしっかり現代仕様のベスパ「GTV 300 Officina 8」の魅力に迫る!! ~高梨はづきのきおくきろく。~
毎月「8」がつく日は『高梨はづきのきおくきろく。』です。今回は、イタリアを代表するスクーターブランド、ベスパ「GTS 300 Officina 8」の魅力についてお届けします。
「フェンダーライト」がすごく新鮮!!
皆さんこんにちは、バイク女子の高梨はづきです!
本日の「きおくきろく。」は、イタリアを代表するスクーターブランド「Vespa(ベスパ)」の「GTV 300 Officina 8」を紹介していくよ!
今回私が乗ったのは、思わず見惚れてしまうほど優しく淡いブルーの車体。「Officina 8(オフィチナオット)ブルー」は、パステルカラーとも少し違う、どこかクラシカルで落ち着いた色合いがとても上品で、「これぞベスパ」と思わせてくれる上質な空気をまとっていた。
派手さより、街並みに自然と溶け込むような上品さ。この色が人気なのも納得。こうした落ち着いたカラーは日本で特に人気が高いとか。一方で東南アジアでは、太陽に映える鮮やかなイエローや赤などのビビッドカラーが好まれるんだとか。
同じベスパでも、国や文化によって愛される色が全然違うという話はとても新鮮で興味深かったな。

ベスパが誕生したのは1946年。約80年もの長い歴史を持ちながら、基本構造が今も大きく変わっていないというから驚きだよね!
多くのバイクはフレームに外装(カウル)を取り付ける構造だけれど、ベスパはスチール製のボディそのものが車体の骨格になっている「モノコック構造」を採用している。この構造だからこそ、あの独特なカッチリとした乗り味や重厚感、ひと目でベスパと分かる美しい滑らかなシルエットが生まれるんだ。
さらに面白かったのが、ベスパ伝統の「片持ちリンクアーム式フロントサスペンション」のルーツ。ベスパを生み出した「Piaggio(ピアッジオ)」社は、もともと航空機を製造していたメーカーで、戦後、民生用の乗りもの作りへ転換する中でスクーターの開発が始まり、その際に航空機の着陸装置(ランディングギア)の構造をヒントに、ベスパ独自の片持ちリンクアーム式フロントサスペンションが生まれた。
普段何気なく「おしゃれなデザインだな」と思って見ていた足まわりに、そんなメーカーならではの情熱と歴史がギッシリ詰まっているなんて思ってもみなかった。

「GTV」という名称は、「Gran Turismo Veloce(グラン・ツーリスモ・ヴェローチェ)」の頭文字で、直訳すると「速く走るグランドツーリング」といった意味を持っていて、1951年の過酷なラリーで圧倒的な強さを見せたレーシングベスパや、1960年代のスポーツモデルへのオマージュとして作られているんだって。
その最大の象徴とも言えるのが、フロントフェンダーに直接取り付けられた丸目のヘッドライト。今ではハンドルの前、メーター下部に配置されるのが当たり前だから、この低い位置にある「フェンダーライト」(イタリア語で「ファロ・バッソ」)のスタイルは、私にとってすごく新鮮!
それでいて、単に「昔っぽいレトロ」をそのまま再現するだけではなく、灯火類はフルLED仕様にブラッシュアップされているのが心憎いよね。
さらに、中央の3本スリットやメーターバイザー、むき出しのローハンドルが、クラシックな中にもほんのりレーシーな雰囲気を演出している。
もちろん、ベスパは見た目だけのバイクじゃない。中身もしっかり現代のスクーターなんだ。
心臓部に搭載されるのは、ベスパ史上最もパワフルな排気量278ccの水冷4ストローク単気筒SOHC4バルブエンジンの「HPE(High Performance Engine)」。
低中速から力強く粘る特性で、ベスパらしいゆったりとしたクルージングと、登坂路での余裕ある走りを両立している。実際のストレート走行では、少しのアクセルの捻りで4秒~5秒ほどで80km/hに到達したよ。
前後ともディスクブレーキで、ABSに加えて加速時のリアタイヤの空転を抑えるASR(トラクションコントロール)も標準装備。雨の日のマンホールや滑りやすい路面でも安心感があるのは嬉しいポイントだよね。
クラシカルな殻をかぶっているけれど、中身は完全に「最新の安全マシン」なんだ。

私の身長(158cm)で高さ790mmのシートにまたがってみると、深く座ると足つきは少し高く感じるけれど、シート前方に座れば問題なし。
フロアボードが前後に長く、足を置く位置の自由度も高いので、扱いに不安は感じなかった。高めの椅子に腰掛けるような、ベスパらしいライディングポジションも自然だったよ。
ツートンのシングルシート風に見えるレーシーなリアカバーが付いていて、クラシックなデザインのアクセントになっている。このカバーは簡単に取り外し可能で、タンデムシートに早変わりするの。
見た目の美しさだけでなく、実用性までしっかり考えられているところがベスパの憎いところ!
今回のモデルはキーレス・イグニッション(スマートキー)が採用されて、シートロックの解除もボタンひとつでハイテク!
丸いクラシカルな形のメーターも、中身はフルデジタル液晶ディスプレイになっているんだ。
最初はセルボタンを押してもエンジンがかからず「あれ?」と戸惑ったけれど、オープニング表示が終わるまで待つ必要がある仕様だった。
また、安全装置の関係でサイドスタンド使用時の始動にも手順があり、最初こそ戸惑ったものの、安全性をしっかり考えた設計なんだと納得した。こういうカチッとした安全対策も安心感に繋がるよね!

レッグシールド裏のグローブボックスには、スマホの充電に便利なUSB-Cポートまで用意されていて、見た目はクラシックでも使い勝手はしっかり現代仕様。
さらに印象的だったのが、車体カラーに合わせた純正アクセサリーの展開。ヘルメットやジャケット、Tシャツ、バンダナまでトータルコーディネートできるようになっていて、「移動するためのスクーター」ではなく、「ベスパのある暮らし(ライフスタイル)」まで提案しているブランドなんだなと、イタリアンブランドならではの粋な想いがビシビシ伝わってきた。
新しい技術やトレンドがものすごいスピードで生まれては消えていく現代。それでも、約80年前に生まれたモノコック構造や、ひと目でベスパと分かるデザインの核を頑なに守り、磨き続けている。
時代に合わせて中身を最新技術で満たしながらも、「変えない」という勇気ある選択を続けてきたからこそ、唯一無二のブランドであり続けられるんだなと感じた。
街をただゆったりと流しているだけで、退屈な日常が映画のワンシーンのように絵になる。
ベスパは、そんな「イタリアの美しい日常」をスクーターという形にした、本当に贅沢で素敵なバイクだったよ。
ということで本日はここまで! また「8」のつく日にお会いしましょう~!

Writer: 高梨はづき/hapi
(役者/YouTuber)17歳で普通自動二輪免許取得し、当時の愛車はホンダCB400T。声優を目指して専門学校に入学後、勉学に専念するため同車を手放し一時バイクを離れる。2020年3月にカワサキ・エストレヤを購入し、数年ぶりにバイクの世界にリターン。声優活動を経て、現在は舞台役者・バイカーモデルとして活動中。同時に"hapi"名義でYouTubeチャンネルを開設、自身のバイクライフをマイペースに投稿してます!チャンネル登録お願いします!!

















