竣工から約50年!! 「損保会館」に“バイク駐車場”登場!? 初の試みで最大「2台分」

損害保険会社の業界団体「日本損害保険協会」の本拠地である「損保会館」に、バイク駐車場が設置されました。会館には平置きとタワー式の4輪車駐車場があり、法令改正後はLUUPが運営する電動キックボードのポートも設置されました。バイク用の駐車スペースの設置は損保会館の歴史上、初めての試みです。

自賠責運用益で交通安全を呼びかける団体

 東京・千代田区にある「損保会館」(神田淡路町)には、バイク駐車場がありませんでした。この建物は「日本損害保険協会」(会長・石川耕治損害保険ジャパン社長)が株主となる協会財産で、協会は自動車保険や火災保険を取扱う損害保険会社、31社から構成されます。

 この損保会館に2026年9月1日、2台分のバイク駐車場が設置されました。

「1台分の車室に最大2台を駐車することができる4輪車兼用のスペースで、料金は1時間300円です。利用はウェブサイトにも掲載しています」(森脇隆正取締役支配人)

 出入口に近く、屋根のある平置きスペースは、大型バイクにも利用しやすく、会館利用者だけなく一般の利用も可能です。

 損保会館には長い歴史があります。建物を管理する「株式会社 損保会館」は1951年(昭和26年)設立。地上17階、地下1階、平置きのほかタワー駐車場も完備する現在の建物は、1973年(昭和53年)に竣工しました。

 当時は法令でもバイクは駐車対策から除外されていたことから、他の建物と同様にバイク用スペースはありませんでした。

 今回のバイク用スペースの設置は、料金表の中に「60分 300円」を対外的に表示し、一般利用が可能になりました。損保会館の75年の歴史、会館竣工から53年目の初めての試みです。

 これにより、4輪車、電動キックボードに次ぐ、すべての自賠責保険加入車に対して駐車スペースが供給されました。

バイク駐車の料金表示。利用が広がると、料金の選択肢も増えるのだろうか(撮影=中島みなみ)
バイク駐車の料金表示。利用が広がると、料金の選択肢も増えるのだろうか(撮影=中島みなみ)

 バイクの駐車環境は近年、大きく変化しました。2006年、道路交通法や駐車場法が改正され、4輪車同様にバイクの放置駐車も厳しく取り締まられることになると同時に、駐車場整備の対象車両に含まれることになりました。

 その改正から20年、その間、国土交通省都市局も地方自治体に向けた説明を通して、バイク駐車の拡大を働き掛けています。

「国交省などでの多様な駐車利用の論議は承知しています。国交省などの通知を踏まえて運用することとしました」(森脇支配人)

 日本損害保険協会は、すべてのバイクユーザーが加入する自賠責保険料をもとに、その運用益を「自賠責運用益拠出事業」として、さまざまな団体に対して助成金支給などを実施しています。

 この目的は自動車事故の防止や安全対策で、会館がバイクを駐車スペースに受け入れることは、放置駐車を原因とする事故防止にもつながります。

 東京都や大阪府など大都市圏では、バイク駐車の需給バランスが大きく崩れたままです。損保会館のような法令改正前の建物でも、バイク駐車整備が進めることは、利用者サービスだけでなく、交通事故防止につながっています。

【画像】たった2台!? と思うなかれ。史上初の試み「損保会館」に新設されたバイク駐車スペースを画像で見る(5枚)

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Writer: 中島みなみ

1963年生まれ。愛知県出身。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者を経て独立。行政からみた規制や交通問題を中心に執筆。著書に『実録 衝撃DVD!交通事故の瞬間―生死をわける“一瞬”』など。

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