ブリヂストンのツーリングタイヤ「BATTLAX SPORT TOURING T32」は常に変わらず心地よい【PR】
ブリヂストン「BATTLAX SPORT TOURING T32」はあらゆるシチュエーションで安心感のある走行性を実現するツーリングタイヤです。その実力についてモーターサイクルジャーナリストの伊丹孝裕さんが検証します。
走行距離が増えるシーズンにこそ気をつけるべきタイヤのコンディション
厳しかった夏の暑さがやわらぎ、バイクの気持ちよさを満喫できる気候になりました。各地で開催されるイベントに参加する、レース観戦に出掛ける、キャンプに行く、ただ走りたい、とその目的は様々ながら、走行距離がグンと増えるシーズンです。
そうしたとき、愛車のコンディションはもちろん、それと等しく思案すべきがタイヤでしょう。ハンドリングや制動力といった性能の大部分は、バイクの素性が受け持つものですが、タイヤによってそれらをさらに引き出したり、高めたりすることも可能だからです。
エンジン、フレーム、ブレーキ、サスペンション……といった個々のパーツがどれほど優れていても、それらが発揮する性能は、タイヤなくして路面に伝えることはできません。結局のところ、バイクの性能はタイヤに掛かっていると言ってもよく、その選択によってパフォーマンスも安全性も大きく左右されるというわけです。

今回は、スズキ「GSX-S1000GT」にブリヂストンのツーリング用を謳うタイヤ「BATTLAX SPORT TOURING T32」(以下、T32)を装着し、走るステージは市街地から高速道路、ワインディングまで、路面状況はドライからウェットまで体感してきました。
「T」は、そのものズバリ「ツーリング」を意味します。ブリヂストンのスポーツバイク用タイヤには、Racing Street/Sport/Touring/Adventureといったカテゴリーがあり、それぞれにRS11(=Racing Street)、S22(=Sport)、T32(=Touring)、A41(=Adventure)を筆頭とする幾種類もの製品をラインアップしています。数字の前に付くイニシャルによって主目的がイメージしやすく、T32はツーリングカテゴリーのフラッグシップとして開発されました。

他社製の純正タイヤを履いたノーマルのGSX-S1000GTは、ボリュームのある印象とは裏腹に、軽やかなハンドリングに仕立てられています。機敏と言っても差し支えないその運動性は、ネイキッド版のGSX-S1000と比較しても遜色なく、GT(グランドツアラー)という車名らしからぬもの。どっしりとしたクルージングをイメージしていると、ちょっと予想外かもしれません。
しかしながら、そこにT32を組み合わせると印象が大きく変化します。旋回する時も直進する時も車体は落ち着いた挙動を示し、ひと言で表すのなら、上質な時間をもたらしてくれました。
たとえばそれは、街中でも体感できます。徐行で交差点を左折する際、パタッと倒れ込もうとするのが純正タイヤを履いた出荷時セッティングでの挙動だとすると、T32装着時ではフロントの舵角が抑えられ、前後輪がバランスよく滑らかにリーン(傾斜)します。こうした速度域では、車体の向きをステアリングで調整するか、バンク角で変えるか迷うところですが、それを意識しないまま、ナチュラルに曲がり終えることができるのです。

もっとも、「パタッ」は必ずしもネガティブなものではありません。キビキビ曲がれるという意味では、ポジティブな要素にもなり得るわけですが、車重のあるビッグバイクの場合、ライダーのスキルによっては不安定さに感じられるのも事実。扱いやすさを重視するなら、T32に分があると言っていいでしょう。
では、街中の速度域とは対極にある高速道路ではどうでしょうか。ここで光るのが、乗り心地の良さでした。路面の継ぎ目やギャップをトトンッとしなやかにいなし、サスペンションが果たすべき役割をさりげなくフォローしてくれるのです。だからといってフワついたりすることもなく、爽快な巡航速度を維持することができます。
また、車線変更時の手応えは、軽過ぎず重過ぎずといったところでした。ラインを修正したければその通りに、留まっていたければ高い接地感を保ったまま突き進んでくれます。

こうした従順さは、ともすればキャラクターの薄さにつながるものの、生粋のツーリング派にとっては、むしろ頼もしいツールに感じられるはず。余計な気をつかうことなく、淡々と距離を積み重ねていくための疲労軽減パーツとして機能してくれるからです。
街中で感じられたナチュラルさと、高速道路で実感した頼もしさ。これらがほどよくミックスされるステージがワインディングです。

試乗に当たり、高速コーナーが続く区間、タイトコーナーが点在する区間、そして落ち葉や雨水でスリッピーになった区間など、おおよそ考えられるありとあらゆる環境下でT32を履いたGSX-S1000GTを走らせましたが、そうした路面の変化にほとんど左右されない包容力は見事です。タイヤというものは、得てしてあちらを立てればこちらが立たず、という状況に陥りがちなものながら、近年履いたツーリングタイヤの中では頭ひとつ抜きん出た総合力の高さが印象的でした。
コーナリング時のハンドリングは、街中の交差点同様、シャープさよりもスタビリティやほどよいテンポを重視したものです。一気にバンクさせるスポーツラジアルのそれとは異なり、ブレーキレバーへ入力→フロントフォークがストローク→ブレーキをリリース→旋回に必要なバンク角に到達→車体の向きが変わる→コーナーを立ち上がる、といった一連の振る舞いがわかりやすく、一定のリズムを刻むように、目の前のコーナーをクリアしていくことができます。
バンク角が浅い部分でも深い部分でもフィーリングの変化が少なく、俊敏さよりも自由度の高さを優先した旋回力は、ライダーを急かすことなくそのスキルをサポートします。コーナーの先が読みづらい初見のワインディングでもスムーズにコーナーを駆け抜けることができ、タイヤの面圧がどうとか、荷重がどうとかいった小難しい理屈も必要ありません。ライダーがすべき操作は、車体の動きを妨げないよう、身をゆだねておくことです。
ウエットでこそ光る「BATTLAX SPORT TOURING T32」
タイヤを選ぶ際の決め手のひとつが、グリップ力でしょう。その点、T32は最新のタイヤゆえ、ドライ路面ではそのグリップ力になんら不足は感じられません。ツーリングタイヤの場合、むしろ重視したいのはウェット路面での食いつきですが、T32が最も活き活きとする場面がまさにそこです。試乗中、突然ドライからウェットへ切り替わる状況に遭遇したにもかかわらず、ほとんどそれを意識することなく、滑りやすい区間を通過することができました。

「パルスグルーブ」と呼ばれるトレッド面の特徴的なパターンは、いかにも排水性の高さを感じさせるもので、深いミゾが太くなったり、細くなったりしながら刻まれています。しかも、その中に「ディフレクター」と呼ばれる凹凸が設けられ、これによって溝を流れる水の流速が向上し。排水効率が良くなり、トラクション性能やブレーキ性能の落ち込みが軽減されているというわけです。
ウェット性能の高さは体感的にも確認できましたが、見た目からして明らかに雨に強そうなパターンは心理的にも安心感をもたらしてくれるはず。シーズンにも天候にも左右されたくないライダーにとって、T32は走りのモチベーションを保ってくれる存在といえるでしょう。

そしてもうひとつ。タンデム(ふたり乗り)ツーリングをしたり、パニアケース(後輪の左右やシート後方に取り付けるハードケース)をフル活用したりするライダー向け、あるいは車重250kgを超える重量車を所有しているライダー向けには、高荷重に対応する「T32 GTスペック」をラインアップしています。剛性のみならず、ライフ(耐摩耗性)も引き上げることによって、ハードな使い方にも応えてくれる仕様とのことです。
大排気量のツアラーはもちろん、ネイキッドやアドベンチャー、あるいはミドルクラスのライトウェイトモデルにもマッチするスポーツラジアルがT32と同GTスペックです。幅広いコンディションをカバーしてくれるオールラウンドタイヤでもあり、晴天の走り始めから雨に見舞われた午後、気温の低下した夜間に至るまで、常に変わらぬ心地よさを提供してくれる穏やかさが好印象でした。
Writer: 伊丹孝裕
二輪専門誌「クラブマン」編集長を務めた後にフリーランスとなり、二輪誌を中心に編集・ライター、マシンやパーツのインプレッションを伝えるライダーとして活躍。鈴鹿8耐、マン島TT、パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムといった国内外のレースにも参戦するなど、精力的に活動を続けている。
















