カワサキ「KR1000」をモチーフとする「OV-40」はいかにして生まれたのか? ~CLASSIC TT-F1を目指して(6)~

多田喜代一さんとOV-40。多田さんは1980年中盤から1990年代前半のカワサキのレース活動を支えたライダーで、宗和孝宏さん、塚本昭一さんと共に参戦した1989年のル・マン24時間耐久では、日本人チームとしては最初で最後となる3位入賞を果たしている
キャブレターはTMRφ36mmを選択。アルミ製ガソリンタンクもKR1000のスタイルを再現
φ41mmフロントフォークはカワサキ「ZRX1200DAEG」からの流用。フロントディスクはサンスターのクラシックタイプ。ブレーキキャリパーはAPロッキード
リアサスペンションは上部にベルクランクを装備。ショックユニットはナイトロンを選択
アルミ鍛造ホイールはゲイルスピード。タイヤはフロント120/70ZR17、リア160/65ZR18のメッツラー・レーステックRRを履く
OV-41の後ろに並ぶ3人は、左から、車両製作を担当したOVERレーシングの佐藤健正さん、ライダーを務めるD;REXの豊田浩史さん、発起人の寺嶋浩司さん
パッと見の雰囲気は1983年型のKR1000だが、実際のOV-40は、歴代KR1000のいいとこ取りと言える構成
メインフレームの素材はクロモリ、シートレールはアルミ角パイプ、スイングアームエンドのチェーン引きは歴代KR1000に倣う形でエキセントリック式を採用
KR1000に準じる形で、フレームの左右メインチューブをキャブレター側面に配置しているのがOV-40の特徴。現代的な剛性を追求したOV-41の場合は、左右メインチューブがキャブレター上方を通過する
1980年から始まった世界耐久選手権で、カワサキKR1000は1981年、1982年に王座を獲得。写真は1982年、ライダーはジャン・ラフォン
Z1000MkII用をベースとするエンジンは、アフターマーケット製の鍛造ピストンを使って排気量を1100ccに拡大。点火ユニットはイギリスのエレクトリックワールド製、5速ミッションはクロスレシオ化
OV-40を駆って、筑波サーキットの第1ヘアピンを立ち上がる多田喜代一さん。1954年生まれの68歳という事実が信じられないほど、その走りはアグレッシブ

この画像の記事を読む

画像ギャラリー

最新記事