なぜ今タイでヤマハ「SR」が熱いのか? 日本の「2%er」も関わる現地のカスタムシーンが生んだ注目のチョッパーとは

2年に1度開催されるアジアを代表するカスタムイベント「バンコクホットロッドカスタムショー2026」。その第6回目となる会場に展示されたカスタムマシンを紹介します。

粗削りな美学を証明する、ビルダーによる完璧な計算式に成り立つシルエット

 今回紹介するカスタムバイクは、熱気あふれる「バンコクホットロッドショー2026」のバイクエリアにおいて、強烈な存在感を放っていた1台です。

 ベースとなっているのは、ヤマハが誇る歴史的名車「SR」。現在、タイでは空前のSRブームが巻き起こっており、日本と同様に単気筒ならではの心地よい乗り味と、どのようなスタイルにも変幻自在な高いカスタム性が若者を中心に熱狂的な支持を集めています。

 このムーブメントを牽引するのが、日本の高名なSRカスタムショップ「2%er(ツーパーセンター)」の代表である山口隆史さんによるプロモーションであり、本作もまさにそんな現地の熱いカスタムカルチャーを象徴するマシンと言えるでしょう。

 ゆえに今最もアツイ素材であるSRを、この車両は驚くほど斬新なチョッパースタイルへと変貌させています。

 まず目を引くのは、角ばったソリッドな造形を持つガーターフォークと、原型の面影を一切残さないフルワンオフのメインフレームでしょう。

 ハーレーダビッドソンのベビーツイン(ハーレーがかつて生産していたた750cc(45キュービックインチ)のサイドバルブ(フラットヘッド)エンジンの通称)搭載モデルを彷彿とさせる、メイン/ダウンチューブ共に美しいアールを描いたフレームワークが特徴で、さらに、その上にマウントされた分割式のピーナッツタンクはガソリン・オイルの双方を収める独創的な仕様に。

ヤマハ「SR」をベースにしたタイのカスタムバイク
ヤマハ「SR」をベースにしたタイのカスタムバイク

 それに伴い、シート下に配置された一見オイルタンクに見える美しい金属ボックスは、メインキーをはじめとする電装系を集約したボックスとなっており、計算された配置の妙が光っています。

 個性的なファータイプのシートや超ロングなガーターフォーク、大胆に跳ね上がったマフラーなど、その外観は一見するとB級チョッパーのような「大味」で荒削りな印象を与えるかもしれません。

 しかし、細部を注視すると、ビルダーの狂気的なまでのこだわりが随所に息づいています。

 フロントホイールのハブ部分には精巧なワンオフのオーナメントが奢られ、リアのスイングアームのアクスル付近はフレイムス(炎)形状に加工されています。さらに、そのリアアクスルのフレイムスパターンを車体全体から孤立させぬよう、キックペダルのアーム部分にも同様のフレイムスデザインを施しリンクさせるという徹底ぶり。

 その他にも、タンクブラケットやサイドスタンドには優美なツイスト(捻り)加工が施され、リアブレーキに至っては高い制動力を誇る2キャリパー仕様のディスクブレーキ化が敢行されるなど、抜かりないディテールアップが重ねられています。

 一見すると良い意味での「粗削り感」が勝り、衝動的に作られたB級チョッパーのようにも思えますが、その本質は全く異なり、大胆不敵な骨格の加工と細部に至るまで徹底的にこだわり抜かれた緻密なディテールが散りばめられています。

 これら相反する要素のすべてが、ビルダーが導き出した明らかな「計算式」の上で完璧な調和を保ち、成り立っています。

 本車両は、自由な発想を卓越した技術で具現化した、最高峰の「SRチョッパー」であることを雄弁に証明すると共に、タイのSRシーンのアツさ感じることが出来る1台と言えるでしょう。

#BKKHRCS2026bikenonews01

【画像】面影があるのはエンジンだけ!? ヤマハ「SR」をベースにしたカスタムバイクを画像で見る(7枚)

画像ギャラリー

編集部からのおすすめ

なぜ、BDSオークションを通過したバイクは安心なのか? 全ライダーが知っておきたい市場と流通の仕組み【PR】

なぜ、BDSオークションを通過したバイクは安心なのか? 全ライダーが知っておきたい市場と流通の仕組み【PR】

最新記事