カワサキ「Z2」再生 4ストエンジンにとって重要なタペットを確認・調整 〜日本の至宝「空冷4発」を未来へ継承〜Vol.4

シックネスゲージで現状クリアランスの測定後に、クランクを回してカム山でタペットを押し下げます。次に、専用工具の爪先をタペットエッジに引っ掛けてセットしつつ、シリンダーヘッド本体に専用工具を仮固定します。工具をセットしたら、クランクを戻して隙間を大きくして(専用工具で固定されたタペットは戻ってこない)シムを抜き取ります
規定のタペットクリアランスは0.05~0.10mmです。今回測定した箇所はクリアランスが若干広くなっていたので、1サイズ厚いシム、2.65mm⇒2.70mmのシムに交換しました。厚さ表示が消えていなければ、交換シムを見つけるのも早いのですが、繰り返し使われたシムの場合は、寸法表示が消えてしまうため、都度、マイクロゲージで測定します
メーカー純正の調整シムには、このように厚さ寸法がスタンプ印字されています。この数値印字側をバルブ側(下向き)にセットすることで、カム山の摺動によって印字が簡単に消えてしまうことが無くなります。下向きにセットしたからといって、シム自体の回転によって印字は徐々に薄くなります。数値が不明の時にはゲージで正しい寸法を測定しましょう
カワサキ「Z2E」エンジン。丈夫なエンジンとしても知られた存在です
数多くの空冷Zを取り扱ってきたショップには、相当数のタペットシムが常備されています。新設計エンジンでは、軽量化を目的にこのタペットシムも小型化されています。初代空冷Zシリーズのアウターシムは、500円玉くらいの大きさです。インナータイプになると、輪切りにしたサインペンの太さ程度に小さくなります
ヘッドカバーガスケットからのオイル漏れや滲みを修理する時には、カバーを取り外したついでにタペットクリアランスの点検も実施しましょう。カム山に対するベース円周辺「数箇所」で、チェックするのが、ベテランメカニックの作業手順だそうです
タペット調整時にデータが規定クリアランス外だったときには、メーカー純正の交換用シムの中から厚さ違いのシムを取り出し交換します。タペットクリアランスは規定データ範囲に収めましょう。シム交換の際には、バルブリフターホルダー(メーカー純正特殊工具57001-113)が必要になります
タペットシムはタペット本体のバスケット内にセットされているので、細いマイナスドライバーでシムを持ち上げながらピンセットでシムをつまんで取り出します。アウターシムの場合は、カムシャフトを取り外さなくても、このようにシム交換できる仕組みです。インナーシムの場合は、カムシャフトを取り外さないとシム交換できません
すべてのタペットクリアランスを確認調整できたら、ヘッドカバーを復元します。カムエンドの半月型ゴムキャップは、ヘッドカバーを取り外した都度、新品部品に交換しましょう。ヘッドカバーガスケットを再利用するときには、ガスケットをガソリンデで洗ってから乾燥させ、シリコン系液状ガスケットを併用して組み込みましょう

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