懐かしくて偉大!  ホンダ「ベンリィCB125JX」は小学1年生の担任教師のよう

いま、ツインリンクもてぎ内にあるホンダコレクションホール(栃木県芳賀郡茂木町)では「DREAM CB750FOUR 誕生50年 特別展示」が開催されていますが、CBシリーズにはバイクビギナーたちから根強く支持される125ccモデルが今も昔もあります。今回は70年代半ばの“隠れ名車”に乗りました。

“ヨンヒャク”に乗る前、誰もが乗った!

 4サイクル単気筒エンジンが小気味よく回って、トルクやスロットルレスポンスも充分。前後18インチの足まわりは小排気量モデルながら大らかなハンドリングで、これを自在に操れれば“ヨンヒャク”にだって、すぐに乗れそう。ホンダ「ベンリィCB125JX」(1975年式)です。

ホンダ「ベンリィCB125JX」に試乗する筆者(青木タカオ)

 2段階右折不要、制限速度はクルマと同じ60km/h、2人乗りもOK。その機動性や利便性の高さから原2スクーター(排気量125ccまで)の人気が続いていますが、昔からこのクラスは確立され、ライダーたちの初心者時代を支えてきました。

 特にホンダ“CB125”は単気筒時代も2気筒エンジン時代も長きに渡って、ビギナーたちにクラッチの繋ぎ方であったり、トランスミッションの使い方などを教えてきた小学1年生の担任教師のような存在だったのではないでしょうか。

ディスクブレーキなのに油圧式じゃない!?

 筆者の場合、教習所に通い出してまず最初に乗ったのが「CB125T」でした。“T”という車名が示すとおり、エンジンは空冷4サイクル2気筒SOHC2バルブ、つまりツインです。

ホンダ「ベンリィCB92」(1959)

“CB125”の歴史は長く、そもそも初めてCBの名がつけられた市販スポーツモデルの元祖「CB92」(1959年)の排気量が125ccでした。68年に「ベンリィCB125」が高速スポーツタイプとしてデビューし、そのとき兄弟車としてスクランブラータイプの「ベンリィCL125」もありました。

 モデルチェンジを繰り返しつつ、1972年には「CB125」の上級版として機械式ディスクブレーキを装備した「CB125JX」が発売されます。ディスクブレーキなのに油圧ではなくワイヤー式なので、一部コアなバイクファンらには有名です。

 筆者が乗った「ベンリィCB125JX」はホンダコレクションホールにて動態保存されている貴重な車両で、さすがにコンディション抜群。機械式ディスクブレーキも継承していて、しっかり調整されているがゆえにタッチや効きが悪いということはありませんでした。

燃費も向上し、シャープなレスポンスが得られるアトマイザープレートを採用

 単気筒エンジンには「アトマイザープレート」という吸気ポート内部を上下2分割するプレートが設けられ、使用頻度の多いキャブレター開度が6割から7割までの状態では、インレットポート断面積を7割程度におさえて混合気の流速を上げ、霧化を向上。発進加速時などに起こりがちな一瞬の息つきを防止し、シャープなレスポンスが得られるだけでなく燃費の向上にも役立っています。

125の歴史は“CB”の歴史そのもの!!

 1977年に「ベンリィCB125T」として登場し、82年にはセルスターターも標準装備。そのとき車名から“ベンリィ”が外され、その後なんと2003年まで生産されるロングセラーとなります。

ホンダ「ベンリィCB125JX」(1975年型)

 長きに渡って原2クラスを牽引した“CB125”に乗ると、教習所で初めて実技講習を受けたときの気持ちはどんなだっただろうかと、懐かしく思うのでした。

 現在では、トラディショナルでありながら新感覚スタイルの「CB125R」が、その役割を受け継いでいます。

【了】

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Writer: 青木タカオ(モーターサイクルジャーナリスト)

バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。自らのモトクロスレース活動や、多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク技術関連著書もある。

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