リーマンショックから10年経過で国内2輪業界に光明 2009年以降で最高の販売状況に

リーマンショックが起こった2009年に大幅な販売台数減となった日本国内の2輪市場が、10年の時間を経て復活の兆しを見せています。

原付二種、軽二輪が販売を牽引

 日本自動車工業会は、2019年上半期(1月から6月)の自動二輪車の販売台数を発表しました。同団体の発表によると、2019年上半期の販売台数はリーマンショックの起きた2009年以降、最高の数字を記録しています。

1ヶ月で2000台以上受注したスズキ「KATANA」(手前)と上半期で2000台を出荷したカワサキ「Z900RS」(奥)

 2019年上半期の二輪車市場は、原付二種、軽二輪、小型二輪がいずれも前年同期の実績を上回っており、それらカテゴリーを合わせた自動二輪車の販売は、11 年ぶりに11万台を超え、過去にさかのぼると 2004年並みの水準に匹敵しています。具体的な数字は以下のとおりです。

●原付第一種 (~50cc)  6万9196台(前年同期比89.6%)
●原付二種(50超~125cc) 4万9450 台(前年同期比110.2%)
●軽二輪(125超~250cc) 2万9087 台(前年同期比104.6%)
●小型二輪(250cc超~) 3万3783(前年同期比102%)

 前年同期比110.2%と二ケタの伸びとなった原付二種は、ラインアップの充実や、教習制度の改正で「AT小型限定二輪免許」の教習にかかる日数が短縮されるなど追い風もあり、原付一種からのステップアップ需要も期待されています。

 前年同期比104.6%と、過去11年間では最高の販売状況推移した軽二輪においては、若者を中心としたフルカウルスポーツへの人気に加え、アドベンチャータイプやオフロードタイプが新たに投入され、アウトドアレジャー志向の高まりも市場活性化を後押しする結果となりました。

国内二輪市場の売上を牽引する原付二種の中でも好調なホンダ「スーパーカブC125」

 前年同期比 102%で堅調な売れ行きを見せている小型二輪は所有すること自体を楽しむ趣味の領域としての特色がいっそう明確になってきており、コアなファン層による需要が中心となっています

メーカーの個性が光る小型二輪モデル

 2019年上半期は、原付二種、軽二輪の伸長が目立っていますが、レトロスポーツ「Z900RS」(カワサキ)、復活を遂げた「KATANA(カタナ)」(スズキ)、ミドルクラスのスポーツモデル「CBR650R」ホンダ、前二輪の大型モデル「NIKEN(ナイケン)」(ヤマハ)など、国内4メーカーは小型二輪のカテゴリーに意欲的なモデルを投入しています。各メーカーの担当者は、それらの製品について以下のように話します。

●ホンダモーターサイクルジャパン広報課 及川康さん
「CBR650Rは、従来のCBR650Fをベースに、よりスポーツ志向の高いユーザー向けに走りを進化させたモデルです。コンパクトでアグレッシブなデザインとパワーユニットで、ワインディングや高速走行時に、エキサイティングな走りが堪能できます。

ホンダでは 2011年にCBR250Rを発売し、若者などエントリー層を中心に軽二輪のスポーツバイク人気が高まりました。そこで育ったユーザーが大型二輪免許にステップアップして、今度はCBR650Rに注目しているという流れがあると思います。実際、20代、30代のお客様も多く、新デザインのカッコよさと、高性能かつミドルクラスの扱いやすさ、走りの楽しさがニーズに合っているようです」。

●カワサキモータースジャパン広報グループ長 内山勝文さん
「Z1 に憧れる層だけでなく、Z1 を知らない若者たちからも人気があります。懐かしいデザインの内側に盛り込まれた最新のパワーと操安性、トラクションコントロールなどの操 縦サポート、重厚なサウンド、液晶パネル、LED の灯火類など機能・装備が充実しています。カワサキが自信をもってお勧めする“レトロスポーツ”として、いろいろなライディングシーンを楽しんでいただけるバイクです」。

2019年上半期で2000台以上を出荷したカワサキ「Z900RS」

●スズキ二輪広報宣伝部 木下博之さん
「一目で KATANA とわかるデザインでありながら、現代的なスタイルに生まれ変わりました。同時に、スズキの最新技術をふんだんに搭載しており、高揚感のある加速と、快適なライディングを実現しています。 KATANAの名にふさわしい、シャープな外観と走りを備えたモデルです。9月15日に計画している“KATANA”ミーティングでは、全国から多くの KATANA ファンに集まっていただき、KATANAの魅力を語り合うなどして盛り上がりたいです」。

●ヤマハ発動機販売 MC営業部マーケティング課 荒木哲也さん
「ヤマハの“NIKEN”は、どんな走行シーンでも前二輪による安定感が大きいのと、LMWの技術によるスムースな旋回性能によって、想像以上にエキサイティングな走りも可能で、スポーツバイクと同様のファンライドを楽しめます。また、高速道路などでの長距離走行もリラックスして走れるので、疲労感が少ないと好評です」。

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 2019年の二輪市場では、2019年上半期で2000台を出荷したカワサキ「Z900RS」、発売から1ヶ月で2000台以上のオーダーが入ったスズキ「KATANA」、年間販売台数を上回る890台を受注したホンダ「CBR650R」、シリーズ合計400台の販売を目指すヤマハ「NIKEN」など、各メーカーともに、それぞれの個性が光る小型バイクを筆頭に堅調な推移が見られています。下半期の販売台数がどのように推移していくのか注目したいところです。

【了】

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