新型となって登場したホンダ「CRF1100Lアフリカツイン」 その特徴とは?

ホンダが誇るアドベンチャーバイク「アフリカツイン」がフルモデルチェンジを受け発売されました。その特徴を紹介します。

どう変わった? 一段と進化した新型アフリカツイン

 ホンダが誇るアドベンチャーバイク、アフリカツインがフルモデルチェンジを受け発売されました。そのトピックスは、排気量を増しながらも車体の軽量化をはかり、冒険ツアラーの中でも走りのパートをさらに向上させた点です。また、進化の著しい電子制御デバイスもアップデイトして搭載。走りの安心感も一段あげています。

ホンダ「CRF1100Lアフリカツイン」に乗る筆者(松井勉)

 ラインナップは「アフリカツイン」、「アフリカツイン・アドベンチャースポーツ」の2タイプを継承しています。

 このモデル展開をわかりやすく言うと、燃料タンク容量が18リットルの「CRF1100Lアフリカツイン」をライディングの楽しさを味わうビッグオフツアラーとし、容量24リットルのビッグタンクを備える「CRF1100Lアフリカツイン・アドベンチャースポーツ」には、専用装備として5段階に高さ調整可能なトールスクリーン、チューブレスタイヤ、旋回中の傾く角度により3段階に点灯するコーナリングライトの追加をはじめ、セミアクティブサスペンション装着車の設定を設けるなど、長距離での快適力を高めた1台として打ち出しています。また、いずれも待望のクルーズコントロールを採用しています。

ホンダ「CRF1100Lアフリカツイン・アドベンチャースポーツ」

 快適性、スポーツ性能をともに向上させたと同時に、2つのキャラクターを明確に打ち出したのも、新型アフリカツインの特徴です。

 そしてこの新型発表当初(2019年10月)、足つき性を重視して国内ではサスペンションストロークを短縮化したローダウンモデルのみを発売するアナウンスがされましたが、多くのファンから通常のサスペンションストロークを持つモデルにも乗りたいという要望が多数あり、スタンダードサスペンションを装備したモデルの追加販売も決定されました。

 2019年12月12日から2020年5月31日までの受注期間限定で、2020年4月17日に発売されることになりました。

 アフリカツインの魅力であるオフロードでの高い走破性を持つスタンダードタイプと合わせ、2タイプを選択できることは、国内販売においてもさらに追い風になるに違いありません。

標準装備となったクルーズコントロールは右手のスイッチボックスで操作する

 そもそもダカールラリーチャンピオンマシンレプリカとして誕生したアフリカツイン。その開発コンセプトには「何所へでも、何所までも」というキーワードが含まれます。週末ツーリングから地球規模の冒険ツーリングまで、アフリカツインは行く場所、走る場面を選びません。

 開発もそうした多面性をさらに磨き上げる方向で進められています。そのなかでも従来モデルに対する「軽量化」「パワーアップ」、そして「安心感のさらなる向上」が主軸となっています。

 軽量化は車体各部の見直しから始まりました。フレーム本体では高強度な材料の採用で板厚を薄くしての軽量化や、別体化し素材をアルミ製としたリアサブフレームの採用もあり、フレーム単体で1.8kg減量しています。

 エンジンでは、シリンダースリーブのアルミ化、ピストン、クランクシャフト、駆動系のギアの見直しなどにより、エンジン単体でも、マニュアルミッションモデルで2.5kg、DCTモデルで2.2kgの軽量化をしています。

 ほかにもリアスイングームの構造を変更し、従来比500gを軽量化したほか、リチウムイオンバッテリーの採用で単体重量の大きな部品の軽量化も図っています。

前モデルよりストロークを伸ばし排気量を1082ccへ拡大した新設計の水冷直列2気筒エンジン(写真はアドベンチャースポーツのDCTエンジン)

 パワーアップに関しては、エンジンのストロークを伸ばし排気量を84cc拡大しています。ほかにも吸気ポート形状をよりストレート化した新作シリンダーヘッドの採用やスロットルボディ形状の変更、インジェクター位置の最適化、排気バルブを採用して回転域に合わせた排気経路を取るマフラーの採用など、パワーアップと同時にドライバビリティも磨かれています。

 そして安心感向上は、基本的な車体パッケージの作り込みに加え、今やアドベンチャーバイクの装備で欠かせない最先端の電子制御技術を盛り込むことで、それらを充実させています。6軸方向の動きをモニターする加速度センサーからのシグナルを受け取り、車体姿勢や走行状態を感知。トラクションコントロール(ホンダでの呼称はHSTC)、ウイリーコントロール、コーナリングABSなど、様々な制御をきめ細やかにすることが可能になりました。

 また、従来「Tour」「Urban」「Gravel」「User」という4つだったライディングモードに「OFF ROAD」が追加されました。各ライディングモードで設定されたトラクションコントロールやABS、エンジンブレーキの介入する度合いを設定しています(カスタマイズも可能)。

モードによって異なるデザインを表示する6.5インチTFTカラーディスプレイ(タッチパネル)とデジタルメーターを上下に配置

 エンジン特性作りと合わせ、スロットルバイワイヤを駆使したコントロール性をライダーの感性にさらに近づけているのも、新型アフリカツインの特徴です。

【了】

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Writer: 松井勉

モーターサイクル関係の取材、 執筆、プロモーション映像などを中心に活動を行なう。海外のオフロードレースへの参戦や、新型車の試乗による記事、取材リポートを多数経験。バイクの楽しさを 日々伝え続けている。

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