22年ぶりのモデルチェンジ!? ブリヂストン「BATTLAX BT46」2020年2月1日発売開始

ブリヂストンの2輪用ツーリングバイアスタイヤ「BATTLAX BT46(バトラックス ビーティー ヨンロク)」が、2020年2月1日から発売が始まっています。

見た目はほとんど変わらず、22年ぶりのモデルチェンジ

 タイヤにもそれぞれ「味」ってやつがあります。甘いものもあれば、刺激が強いものもあり、そうかと思えば無味無臭なものもあったり。そんな中、もしも「おふくろの味」というものがあるとすれば、それは間違いなくブリヂストンの「BATTLAX BT45(バトラックス ビーティー ヨンゴー)」でしょう。

22年ぶりにモデルチェンジとなった「BATTLAX BT46(バトラックス ビーティー ヨンロク)」(2020年2月1日発売)

 なんせ発売されたのは1998年のこと。以来、20年以上に渡って素材をつぎ足しつぎ足し……かどうかはわかりませんが、とにかくその味を一切変えることなく、ツーリングバイアスタイヤの定番であり続けてきたからです。

 変わらなかったのは、それを好むライダーが新しい素材やレシピを求めなかったからに他なりません。

このカテゴリーのタイヤは、主にクラシックバイクやネオクラシックバイク、または軽量のストリートバイクに合う性能が与えられているのですが、そういうバイクの愛好家は、フルバンク上等のグリップ力やシャープな旋回力よりも素直なハンドリングを支持。実際、それが世界中のライダーに支持されてきました。

「発売以来、BT45はずっと堅調なセールスを維持してきました。年月が経っても特に落ち込むこともなく、そのナチュラルな特性とお客様のニーズがマッチ。絶対的な性能が重視されるカテゴリーではなく、サイズラインナップが膨大という実情もあり、モデルチェンジのタイミングを慎重に探っていたわけですが、今回こうして新作を出せたことを嬉しく思います」と、ブリヂストンMCタイヤ事業部長の内田達也さんが語ってくれました。

「BATTLAX BT46」について解説するブリヂストンMCタイヤ事業部長の内田達也さん

 そう、その新作というのが「BATTLAX BT46(バトラックス ビーティー ヨンロク)」なのです。2020年2月1日から発売が始まっています。

 では、BT46はBT45に対してなにが変わったのでしょうか? 22年ぶりのモデルチェンジなので、さぞや激変?……と言いたいところですが、そうでもなさそうです。

 パッと見は、タイヤの顔ともいうべきトレッドパターンすら同じです。もしやロゴを変えただけ? とりあえずレンジでチンしました的な? と思いきや、フロントタイヤに秘密あり。よく見ると、見慣れたパターンが真逆になっていたのです。

 いやいやいやいや、それもどうなのって思うでしょう? だっていわゆる逆履きをして、「はい、モデルチェンジです」って言われても、そりゃないゼって話ですが、天下のブリヂストンがそれで済ませるわけもなく、MCタイヤ開発部の時任泰史さんが次のように説明してくれました。

「以前の考え方は、タイヤのミゾを路面に直交させるように配置してグリップを稼いでいました。ところが近年は考え方が変わり、路面に沿わせることで剛性とグリップを引き上げる技術を確立。このタイヤの場合、たまたま逆履きすることでそれが可能になったのです。

 結果的に偏摩耗の抑制と接地感の向上も確認できたため、ショルダー部分へ少しだけミゾを追加し、製品化することになりました」

「BATTLAX BT46」について解説するブリヂストンMCタイヤ開発部の時任泰史さん

 一方のリアは、雨や冷間時に効果を発揮する新コンパウンドが配合され、ウェットグリップの大幅な向上に成功したとのこと。外観はそのままながら、中身は大きく変わっているようです。実際にどんなハンドリングだったかは、テストコースでのインプレッションを通してあらためてお届けしましょう。

■サイズ一覧

フロント(Hレンジ)
110/70-17
110/80-17
100/90-18
110/90-18
90/90-18
3.25-19

フロント(Vレンジ)
100/90-18
100/90-19

リア(Hレンジ)
130/90-16
120/80-17
130/70-17
130/80-17
140/70-17
150/70-17
110/80-18
110/90-18
120/80-18
130/70-18
140/70-18
4.00-18

リア(Vレンジ)
150/80-16
120/90-17
130/90-17
140/80-17
120/90-18

【了】

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Writer: 伊丹孝裕

二輪専門誌「クラブマン」編集長を務めた後にフリーランスとなり、二輪誌を中心に編集・ライター、マシンやパーツのインプレッションを伝えるライダーとして活躍。鈴鹿8耐、マン島TT、パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムといった国内外のレースにも参戦するなど、精力的に活動を続けている。

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